弁護士が語る、ゲーム業界で生成AIの使用を禁止する契約が急増している背景とは? ゲーマーの反発と著作権リスクが主な要因に
2026年08月13日 | #アップデート | GamesRadar+
ビデオゲーム業界で著名な弁護士であるヘイリー・マクリーン氏が、ゲーム開発者やパブリッシャーとの契約において、AI技術の使用を禁止する条項が急増していると明かしました。現在では、マクリーン氏が担当するクライアントのほぼすべてが、生成AIに対する明確な反対姿勢を示しているとのことです。これは、ゲームコミュニティのAIに対する強い抵抗感と、法的なリスクが背景にあると見られています。
生成AIの使用を禁止する契約が標準に
マクリーン氏によると、特に過去1年で、生成AIの使用を禁止する条項が契約に盛り込まれるケースが飛躍的に増加しているとのことです。以前はリスクを避ける一部のパブリッシャーに限られていたものの、今では規模の大小を問わず、多くのスタジオが「念のため」としてAI禁止条項を組み込むようになっています。この条項は、ゲーム製品の制作に生成AI技術やツールを使用すること、またはゲーム製品をAIシステムのライブラリやデータベースに挿入することを、事前の書面による同意なしに行わないよう明確に定めています。マクリーン氏は、もしAI禁止条項がない契約に遭遇した場合、パブリッシャーがマーケティングや移植、品質保証(QA)において生成AIを使用しないよう、強く要求すると述べています。
法的リスクとゲーマーの反発が背景に
生成AIの使用には、ビジネス面と法的な両面で大きなリスクが伴うとマクリーン氏は指摘します。ビジネス面では、ゲーマーがAIを強く嫌悪している点が挙げられます。多くのクライアントが、「コミュニティが嫌がるから生成AIを使いたくない」という理由でAI使用に反対しているとのことです。『パルワールド』のコミュニケーション担当リードであるジョン・バックリー氏も、「ゲーマーはAIを望んでいない」と述べており、この見解は広く共有されているようです。
法的な側面では、著作権と所有権に関する問題が複雑に絡み合っています。生成AIによって作成されたアセットは、無許可で使用された素材に由来する可能性があり、その場合、開発者は著作権侵害で訴えられるリスクがあります。一方で、AIが生成したアセットを使用した場合、そのアセットの所有権を主張することが困難になる可能性も指摘されています。マクリーン氏は、AIが生成したアセットを人間が「オリジナル作品に変形」させなければ、そのアセットは誰でも自由に使えると主張できる法的な立場になる可能性があると警鐘を鳴らしています。そのため、AIが生成したアセットをゲーム内で使用しても、その所有権を主張することは難しいでしょう。
マクリーン氏は、生成AI技術の導入は、短期的なコスト削減や開発スピードの向上につながるかもしれませんが、将来的には訴訟リスクや著作権トラブルに発展する可能性が高いと警告しています。最終的には、人間がアートを制作する方が、法的コストやリスクを考慮すると、結果的に安価で質の高いものになるとの見解を示しています。