『The Chronicles of Riddick: Escape from Butcher Bay』は今なお過小評価されるXboxの名作
映画原作ゲームの粗製乱造が珍しくなかった時代に、『The Chronicles of Riddick: Escape from Butcher Bay』はその常識を覆した作品です。IGNのRyan McCaffrey氏は、本作がXbox向けゲーム・オブ・ザ・イヤー候補級の完成度を備えながら、今なお不当に過小評価されていると振り返っています。
映画原作ゲームの印象を覆した一本
McCaffrey氏は、Official Xbox Magazine在籍時に開発中の本作を見た際、当初は「映画の名前を利用した安価なタイアップ作品」だと考えていたといいます。しかし、Starbreezeが披露した内容はその予想とは大きく異なり、強い衝撃を受けたとのことです。
特に印象に残ったのが、選択項目を移動すると文字が立体的なキューブから浮かび上がり、また沈んでいくメニュー画面でした。当時注目され始めた法線マッピングを活用した映像表現で、Xboxの性能を引き出した演出だったとしています。
2004年6月の発売を前に公開されたゲーム内容は、刑務所からの脱出を描く一人称視点のアクションを軸に、NPCとの多彩な会話、暗闇に潜むステルス、ホラー要素、銃撃戦を組み合わせたものでした。主人公リディックの「アイシャイン」によって暗所を見通せる能力も、ステルスシステムの特徴として機能していたといいます。
Xbox時代のゲーム・オブ・ザ・イヤー候補
McCaffrey氏によれば、製品版ではグラフィック、サウンド、雰囲気、物語、ゲームプレイのすべてが高い水準にまとまっていました。単に映画原作ゲームとして及第点だったのではなく、2004年のXboxにおけるゲーム・オブ・ザ・イヤー候補に数えられるほどの完成度だったと評価しています。なお、その年の受賞作は11月発売のHalo 2でした。
当時のライセンス作品は、開発費や開発期間を抑えても原作の知名度だけで売れるという考えから、優れた作品が少ないジャンルになっていたとのことです。本作はその風潮に風穴を開け、後のBatman: Arkham Asylumなどとともに、十分な人材と開発資源を投入すればライセンス作品でも大きな成功を狙えることを示した作品として位置づけられています。
ヴィン・ディーゼルも開発に関与
本作の成功には、リディックを演じたヴィン・ディーゼル氏の関与もあったとMcCaffrey氏は説明しています。ディーゼル氏は自身の開発チームであるTigon Studiosを通じてプロジェクトを支援し、キャラクターを粗悪なゲームの主役にしたくないという考えから、当時まだ広く知られていなかったStarbreezeとの協業に積極的に関わったとのことです。
McCaffrey氏は、本作のグラフィックは2026年現在では驚きを与えるものではないとしながらも、ゲームプレイは十分に通用すると評価しています。未プレイであっても、現在から遊ぶ価値は残っていると原文筆者は考えています。