『Showa American Story』約2時間の試遊で確認された独特な世界観と粗削りな戦闘
日本が経済・文化面でアメリカを支配した架空の1980年代後半を舞台にする『Showa American Story』は、強烈なパロディとB級映画のような演出で独自色を放っています。約2時間の試遊では、武器を切り替えながら戦うRageシステムや、キャンピングカーを拠点にした成長要素が確認されました。一方で、攻撃の手応えや敵との駆け引きには、現時点で粗さも残されています。
奇妙な世界観とロードムービー的な冒険
本作では、死から蘇った少女チョコ・チグサが、戦闘や探索をこなしながらアメリカを横断します。日本がアメリカの大部分を買収し、経済的・文化的に植民地化したという設定を背景に、レトロなポップカルチャー、中国・海外のネットミーム、ブラックユーモアを組み合わせた物語が展開されます。
試遊では、直線的なストーリーと戦闘、キャンプでの休息と成長、オープンマップの探索、大型ボス戦という4つの場面が用意されていました。物語の雰囲気は、Yakuzaシリーズの奇抜なサブストーリーに近いものがあり、「ゾンビ人権協会」といった absurd な設定も登場するとのことです。
演出面では、音声付きの静止画を使ったPPT風のカットシーンや、あえて lip-sync を省いた表現が採用されています。原文筆者は、カメラワークや場面の進行から、往年のB級映画を意識した作りだと見ています。難易度名も、ノーマルが「Heisei Loser」、ハードが「Showa Boy」というユーモラスなものになっています。
Rageを軸に武器を切り替える戦闘
近接武器には素手・ガントレット、刀、ドリル、ポールアームがあり、ショットガンやアサルトライフルなどの銃器も使えます。武器種ごとに戦い方が大きく異なり、刀は攻撃の組み合わせによって複数の構えへ派生し、ポールアームは広範囲攻撃とスーパーアーマー、ドリルは長い溜めと引き換えの高火力が特徴です。試遊では、アメリカ国旗を両手武器として振り回す場面も確認されました。
戦闘の中心となるのが、攻撃または被弾で蓄積するRageです。Rageが一定量に達するとRage Pointへ変換され、最大5ポイントまで保持できます。素手系の武器はRageをためやすいため、ゲージが不足したときに素手へ切り替えて再蓄積する運用が重要になります。
Rage Pointは、強力なアルティメット、強化版のRage Attack、武器を即座に切り替えて追撃するChain Attackなどに使用します。近接武器から銃器へ切り替えるChain Attackでは、時間がゆっくり流れるBullet Timeが発生し、敵の弱点も露出します。敵のスタミナを削り切ればExecutionにつなげられるため、Rageを稼ぐ、強力な攻撃に使う、少なくとも1ポイントを残して武器を切り替える、という循環が基本になります。
スタミナは通常攻撃でも消費され、枯渇すると動けなくなる代わりに防御力が低下して被ダメージが増加します。Rage Attackにはスタミナ回復効果があるため、通常攻撃だけを連打するのではなく、ゲージ管理を組み込んだ立ち回りが求められます。
成長要素とキャンピングカーの拠点
レベルアップでは、体力、スタミナ、Rage、守備力、近接、射撃の各ステータスが上昇し、キャラクタースキル解放用のBPも獲得できます。武器には基礎威力、Rage蓄積量、部位破壊性能、クリティカル率、クリティカル倍率、スタミナ消費量の6種類の性能があり、ゲーム内通貨のドルと強化パーツを使って最大5段階まで強化できます。
拠点となるRV「Guren」では、仲間との会話や内装の変更が可能です。探索やNPCとの会話などで得られるAPを使い、ソーダを飲む、トレーニングをする、入浴するといった活動を行うことで、近接・Rage関連の経験値や状態異常への耐性を得られます。活動には浴槽や入浴剤などの設備・アイテムが必要で、それらは自分で探すか購入する仕組みです。
試遊時点では戦闘の粗さが課題
原文筆者は、環境の作り込みについては高く評価しており、温泉宿の植物や水、岩の表現、ネオ横浜の山道、NPCで埋め尽くされた商店街などに強い印象を受けたとしています。仲間と街中で足湯を楽しみ、最大HPを増やす要素も用意されています。さらに、Space HarrierやSegaのOutRunを思わせるレトロアーケード筐体も、実際にプレイできるとのことです。
一方、キャラクターモデルや表情の動きには硬さがあり、近接攻撃のヒットストップも強すぎるため、爽快感よりも動きの重さが目立つと原文筆者は指摘しています。敵との接触感も薄く、互いの攻撃がすり抜けるように感じられる場面があるうえ、チョコはひるみやすいのに敵の攻撃タイミングは読みづらい状態です。
Perfect Dodgeの判定も安定せず、攻撃が当たる前に回避が必要な場合がある一方、被弾して初めて発動するように感じる場面もあったとされています。敵の不規則な攻撃に対して慌てて回避すると、意図せずSuper Recoveryが発動してRage Pointを消費してしまい、戦闘の基本サイクルが崩れることも課題です。
原文筆者は、独特な文化パロディと大量のアート・音楽によって、本作が忘れがたい世界を作り上げているとしています。ただし、現段階では現代的なAAAアクションゲームと比べて完成度が及ばず、強烈な作風を長時間のキャンペーンで維持できるかは未知数だと見ています。