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『Saw: Genesis』は非対称ホラーの常識を変える設計だが遊びやすさに課題

2026年08月29日 | #レビュー | GamesRadar+

『Saw: Genesis』は非対称ホラーの常識を変える設計だが遊びやすさに課題

『Saw: Genesis』は、非対称型ホラーゲームに「発電機を修理してキラーから逃げる」以外の遊びを持ち込もうとしている作品です。捕らわれたVictims(犠牲者)たちが協力して命懸けの試練を解く一方、The Judge(裁判官)が罠とパズルで彼らを追い詰めます。ただし、現時点のプレイアブルデモではシステムの多さが緊張感よりも混乱を生み、導入の難しさが大きな課題になっています。

ジグソウ以前の殺人鬼を描く非対称ゲーム

本作はPC向けの早期アクセス作品として紹介されており、開発をBroken Mirror GamesとAnshar Studios、パブリッシングをBloober Team NAが担当しています。原作映画に登場するジグソウの前身にあたる存在として、The Judgeが犠牲者を恐ろしい試練へ送り込む設定です。試練には自傷行為や、別の仲間を助けるために自分の手足を犠牲にするような選択が含まれます。

Victims側の目的は、制限時間が尽きる前に仲間と協力して各種チャレンジを解決することです。時間切れになると頭部が爆発する仕掛けがあり、パズルを進めている間も生存そのものが難題になります。単に追跡者から逃げるだけではなく、罠を解除し、負傷者を手当てし、状況に応じて犠牲を選ぶ必要がある点が、本作の大きな特徴です。

The Judge側には、犠牲者の行動を妨害する多様な罠やパズルが用意されています。原文筆者は、作品が目指している方向性そのものは理解できるとし、協力型サバイバルホラーのOutlast Trialsに、プレイヤー同士の対立要素を加えたような立ち位置を感じています。非対称ホラーで定番となっている、発電機を修理して脱出を目指す構造や、パレットの周囲でキラーを振り切る展開から離れ、より多くの行動をプレイヤーへ求める設計です。

罠ごとに異なるミニゲームが登場

チャレンジは複数のミニゲームを通じて進行します。たとえばワイヤートラップを解除しようとすると、Dead by Daylightのスキルチェックを思わせるクイックタイムイベントが表示されます。画面上のタイミングに合わせて入力できれば対処できますが、別の罠では同じ形式になるとは限りません。

原文筆者は、次に見つけた罠でも同じクイックタイムイベントが表示されると考えていたところ、実際には画面に方向を示す矢印が並んだと説明しています。入力に失敗した結果、罠が作動して有毒な緑色のガスが噴き出し、操作していたキャラクターは即座に毒状態になりました。罠の種類によって要求される操作が変わるため、プレイヤーは仕掛けを見ただけでなく、その場で表示されたルールも読み取らなければなりません。

この仕組みは、危険な状況に即応する緊張感を生み出します。何が起きるか分からないまま罠へ挑むことになるため、常に画面へ注意を向ける必要があり、成功したときの達成感にもつながります。しかし、どの罠でどのミニゲームが始まるのかを覚えられないうちは、恐怖より先に戸惑いが生まれます。初見のプレイヤーにとっては、敵から逃げる、仲間と連携する、罠の種類を見極める、表示された入力へ対応するという複数の判断を同時に迫られることになります。

初心者には重すぎる情報量

原文筆者が最初のマッチに参加した際、パークを装備していないことに気づいたのは開始後でした。パークなしでも何らかの能力で補えると考えたものの、実際にはキャラクターが十分な対抗手段を持たない状態で、The Judgeが仕掛けた罠とパズルに直面することになりました。

一方、同じチームの仲間たちは、骨切りノコギリや包帯を装備していました。これらは相手へ苦痛を与えるためにも、負傷した仲間を治療するためにも使える装備です。仲間が攻撃と回復の手段を整えているなか、準備不足のキャラクターは無防備なまま最初の仕掛けに対応しなければなりませんでした。

この体験から見えてくるのは、マッチ開始時点で要求される知識の多さです。パークの有無、装備の役割、罠ごとのミニゲーム、時間制限、仲間との分担を把握していなければ、何を優先すべきか判断しにくくなります。原文筆者は、デモのプレイ時に開発者からVictims側だけを遊ぶよう求められたと記しており、The Judgeとしてプレイするにはさらに高い習熟度が必要だとされています。

目新しさを活かすには整理が必要

非対称型ホラーゲームでは、プレイヤーが早い段階で基本ルールを理解し、追う側と逃げる側の駆け引きへ入れるかどうかが重要です。Dead by Daylightは、Survivorsがフックに吊られないよう逃げ、Killersが彼らを捕らえて吊るという構造を軸にしています。シンプルな仕組みであるため、単調だと批判されることもありますが、何をすべきかが分かりやすい点は強みです。

本作はその反対方向へ進もうとしています。ミニゲーム、罠、回復、攻撃、協力、時間制限など、マッチ中に行えることが多く、従来作よりも能動的に動ける設計です。単純な追跡戦に終わらない点は新鮮ですが、現状では要素同士のつながりが十分に整理されていません。原文筆者は、仲間へ指示を出したり受けたりしながらプレイしたものの、試遊参加者同士のやり取りがどこか騒がしく、システムの理解よりも場当たり的な対応に追われたとしています。

原文筆者の結論は、アイデアを減らすべきという単純な否定ではありません。非対称ホラーゲームで「やることが多い」点は、本作を特徴づける重要な部分です。ただし、現時点では各要素の操作感や導線に磨きが足りず、プレイヤーが自然に理解できる段階へ到達する前に、負荷の高さで離脱するおそれがあります。原文筆者は、Broken Mirror Gamesが高いスキル上限を追求する前に、まず遊びやすさを重視してシステムを見直すことを望んでいます。目指す方向は意欲的ですが、恐怖と駆け引きを成立させるには、より整理された導入と調整が必要です。