『Sea of Stars』など、長編に疲れた人へ贈るインディーJRPG8選
2026年08月30日 | #ゲーム紹介 | DualShockers
80時間、90時間、ときには100時間を超える大作JRPGを終えたあと、すぐに別の大作へ向かうのは負担が大きいものです。そこで注目したいのが、JRPGの魅力を受け継ぎながら、比較的コンパクトに遊べるインディー作品です。本稿では、昔のJRPGから影響を受けつつ独自の戦闘や探索を取り入れた8作品を、原文筆者の評価とともに紹介します。
懐かしさと遊びやすさを両立した作品
Bug Fables: The Everlasting Saplingは、Paper Marioシリーズのファンに向けた作品と言っても過言ではありません。紙のようなビジュアル、戦闘中にタイミングよくボタンを押す仕組み、謎解きを交えた探索など、同シリーズを思わせる要素が随所に盛り込まれています。一方で、単なる模倣にとどまらず、戦闘時のタイミング入力には複数のバリエーションが用意され、毎回同じ操作を繰り返すだけにならない工夫があります。
クリアまでの目安は約25時間で、やり込みを含めても40時間ほどです。物語の進行にともなって、それまで行けなかった場所へ進めるようになるメトロイドヴァニア風の要素もあり、世界を歩き回ってNPCと交流する楽しさも備えています。大作の長さに疲れたものの、明るく親しみやすい冒険を楽しみたい人に向いている作品です。
Quartetは、往年のドット絵JRPGへの敬意を前面に押し出したタイトルです。Final Fantasy VIを思わせる複数の主人公に加え、Chrono TriggerやFinal Fantasy Xから影響を受けた戦闘システムを採用しており、戦闘中にパーティーメンバーを入れ替える仕組みも用意されています。
異なる背景を持つ8人の英雄が、ひとつの目的のために集まる群像劇も見どころです。タイトルの「Quartet」は4人組を意味しますが、実際に登場する主要な英雄は8人。この一見した矛盾も含め、過去の作品への参照を楽しみながら、個性の異なるキャラクターたちの物語を追える作品として紹介されています。
Battle Chasers: Nightwarは、JRPGに影響を受けた作品を思いがけず見つけたい人に適したタイトルです。原文筆者は、ストアでジャンルとタイトル、ジャケットだけを見てゲームを選ぶことがあり、本作もその中で出会った予想外の収穫だったとしています。
戦闘は戦略性のあるターン制で、探索では自動生成ダンジョンを攻略します。ダンジョン探索には工夫があり、アートスタイルも高く評価されています。原文筆者は、各種システムを楽しむうちに自然とプレイを続け、気づかないままゲーム全体を100%達成していた作品のひとつだと振り返っています。
独自の仕組みでJRPGを再構成する作品
Cris Talesは、時間旅行を物語だけでなくゲームプレイにも組み込んだ作品です。主人公Crisbellは戦闘中に時間を操り、敵を過去や未来へ送れます。敵を幼くして弱体化させたり、老化させて能力を変化させたりできる一方、状況によっては同じ理由で敵を強化してしまうこともあります。
時間操作は味方のスキルとも結びついています。たとえば毒の種を植えてもすぐには効果が出ませんが、時間を進めて敵を未来へ送ることで種が成長し、即座にダメージを与えられます。時間旅行を題材にした作品では設定が複雑になりがちですが、原文筆者は、少なくとも戦闘への落とし込み方については創造的で、さまざまな戦いで意外性を感じさせられたと評価しています。
Crystal Projectは、物語よりも探索とキャラクター育成に重点を置いたJRPGです。ゲームは大きな導入を長く見せるのではなく、始まるとすぐにプレイヤーを世界へ放り出します。行き先は基本的に自由で、ジャンプを駆使して地形を越え、宝を見つけ、敵と戦いながら進めます。
早い段階で危険度の高いダンジョンへ入り込むこともありますが、その場合は別の場所を探索し、後から戻れば問題ありません。自由な探索そのものが進行の指針になります。とくにジョブシステムとキャラクターのカスタマイズは奥深く、能力をさらに解放したい、次のマップで何が見つかるのか確かめたいという動機を生みます。
物語のないJRPGに抵抗がある人でも、探索と育成を中心に遊ぶ作品として見ると印象が変わる可能性があります。原文筆者は、購入後わずかな時間で危険なほど夢中になり、その理由をうまく説明できないほど、肩の力を抜いて楽しめる作品だったと述べています。
Demonschoolは、Shin Megami Tenseiを思わせる雰囲気と、簡略化されたカレンダーシステムを備えた作品です。Atlus作品への参照、独特なソーシャルリンク要素、風変わりなキャラクターたちが組み合わさり、一般的なJRPGとは異なる空気を作り出しています。脚本はかなりナンセンスですが、登場人物には独自の存在感があり、しばしばユーモラスなやり取りも見られます。
ただし、原文筆者自身は本作にそれほど乗り切れなかったと明かしています。発売前にプレイしてプラチナトロフィーを獲得するほど遊んだものの、パズルシステムとゲームプレイのループには次第に魅力を感じなくなったとのことです。一方で、知人のレビュアーには非常に好評で、10点満点を付けた人もいたとしています。好みが分かれる可能性はあるものの、重厚な作品の合間に変わった手触りのJRPGを挟みたい人には候補となります。
長編の代わりに遊びたい注目作
インディーJRPGの中でもとくに知名度が高い作品として挙げられているのがSea of Starsです。開発元のSabotageは、先行作The Messengerで知られており、本作は2023年のThe Game Awardsで最優秀インディーゲーム賞を受賞しました。原文筆者は、主人公たちについては本作の弱点だと見ていますが、それ以外の部分は傑作と評価しています。
戦闘では敵の弱点を突くロック要素があり、攻撃を適切に選ぶことが重要です。さらに、パーティーメンバーごとに異なるタイミング入力が存在し、スキルの性質に応じて操作感が変化します。探索とプラットフォームアクション、背景美術、サウンドトラックも評価されており、なかでも原文筆者が重視しているのがゲーム進行のテンポです。
本作は途中で進行が滞るような感覚が少なく、冒険が自然に流れていきます。大作JRPGのように長い準備や複雑なシステムに時間を取られ続けることなく、旅そのものに集中しやすい点が、疲れを癒やす作品としての強みです。
最も強く推奨されているのはChained Echoesです。Sea of Starsと比較されることが多い作品ですが、原文筆者は両者を対立させる必要はなく、どちらも遊べばよいと考えています。そのうえで、発売時期の関係からThe Game Awardsに参加できなかったChained Echoesが、Sea of Starsより注目されてほしかったと感じる人の気持ちも理解できるとしています。
本作はMatthias Lindaを中心に開発された、JRPGへの強い愛情が込められた作品です。戦闘は戦略性が高く、オーバードライブゲージという重要な仕組みが採用されています。探索にも独自の工夫があり、報酬ボードによってさまざまな行動に挑戦する動機が生まれます。物語には原文筆者の好みからするとツイストがやや多いものの、先の読めない展開が用意されています。
大規模な開発体制を持たないインディー作品でありながら、戦闘、探索、物語のすべてに十分な厚みを持たせている点が本作の魅力です。長編JRPGから少し距離を置きたい人でも、過去の名作を思わせる手触りと独自システムの両方を求めるなら、優先して候補に入れたいタイトルです。
今回紹介された8作品は、いずれも単に昔のJRPGを再現するだけではありません。Paper Mario風の手触りを発展させた作品、時間操作を戦闘の中心に据えた作品、自由探索とジョブ育成に特化した作品、過去の名作への敬意を群像劇に落とし込んだ作品など、方向性はそれぞれ異なります。大作を続けて遊ぶことに疲れたときは、プレイ時間の短さだけでなく、こうした独自の魅力を基準に次の1本を選ぶとよいでしょう。