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『BioEden』が4Xの定石を反転、支配ではなく惑星の再生を目指す

2026年09月04日 | #ゲーム紹介 | Xbox Wire EN

『BioEden』が4Xの定石を反転、支配ではなく惑星の再生を目指す

惑星を探索し、領土を広げ、資源を利用して勢力を拡大する――そんな4Xゲームの定番から、競争と支配を取り除いた作品が登場しました。Broken Arms Gamesの『BioEden』は、荒廃した惑星を浄化し、絶滅した動植物を呼び戻しながら、生態系を再生していく穏やかな管理ゲームです。プレイヤー同士の争いや時間制限を設けず、世界を癒やす過程そのものをゲームの目的にしています。

4Xから「4R」へ転換したゲームデザイン

4Xという呼び名は、Explore(探索)、Expand(拡張)、Exploit(利用)、eXterminate(殲滅)という、ジャンルを特徴づける4つの行動に由来します。プレイヤーは未知のマップを調査し、新たな居住地や施設を建設して勢力を広げ、発見した資源を経済や軍事に投入します。そして多くの作品では、最終的にライバル文明との戦闘や排除が勝利条件へとつながっていきます。

この仕組みは、資源の獲得と勢力の拡大を中心に組み立てられたものです。一方、本作が着目したのは、自然との関係を軸にした管理ゲームです。開発にあたっては、Terra Nil、The Wandering Village、Timberbornといった環境再生や共生を重視する作品から影響を受け、4Xではなく「4R」をゲームの柱に据えました。4RはRestore(再生)、Relax(リラックス)、Revive(復活)、Recycle(リサイクル)を意味します。

Broken Arms GamesのCEO兼クリエイティブディレクター、Yves Hohler氏は、本作について「世界を征服するのではなく、世界が癒やされるのを助けるゲームです。自然を利用するよりも、自然を再生することに大きな報酬を感じられる作品を目指しました」と説明しています。4X作品で重視される競争の勝敗ではなく、傷ついた惑星をどこまで回復させられるかが、プレイヤーの達成感になります。

ゲームの開始時点で待っているのは、気候崩壊や過去の文明によって生命を失った惑星です。人類は宇宙へ進出しており、複数の宇宙航行ギルドから成る政治組織「コレクティブ」が植民地化を管理しています。地球そのものも人間が暮らしにくい環境となり、多くの動物が絶滅しています。コレクティブは、失われた生命を取り戻すために各ギルドの活動を調整しており、その原因が気候変動なのか、かつて惑星に存在した文明なのかは問いません。必要なのは、失われた環境を回復させることです。

建設と浄化で生態系を取り戻す

プレイヤーは、コレクティブから任務を受けた「キーパー」として、惑星を少しずつ再生します。最初に取り組むのは、各地に残されたがれきの除去や、汚染された土地と水域の浄化です。環境を安定させることで、植物が生育できる場所が生まれ、さらに動物が暮らせる生息域へと発展していきます。荒野を一度に変えるのではなく、複数のドームをつなぎ合わせながら、相互に作用する保護区を作り上げる構造です。

ドームは、それぞれがバランスを保った生態系として機能します。資源を集めて施設を建設し、電力や水のネットワークを整備しながら、コレクティブの要求にも応えていく必要があります。施設を増やせばできることも増えますが、建物はただ存在するだけで惑星に環境負荷を与えます。さらに、多くの建物は電力を必要とし、場合によっては水も消費します。電力源と施設を直接接続するか、電柱を介してネットワークをつなぐ仕組みも用意されています。

小さな施設を1つ建てただけのつもりでも、電力設備や関連施設が必要になり、最終的に複数の建物へ膨らむことがあります。その結果、当初は無害に見えた建設が、深刻な汚染問題につながる可能性もあります。本作では、環境の回復だけでなく、回復のために設置した人工物が新たな負荷を生むという関係も、ゲームの基本的な緊張感として描かれています。

浄化が進んだ土地には、まず植物が戻り、その後に絶滅した動物たちを受け入れられる環境を整えられます。動物ごとに適したバイオームを作ることが求められるため、建物を並べるだけではなく、どのような生態系を形成するかを考えることが重要です。条件を満たした場所には数十種類の動物を呼び戻せるとされ、再生した惑星を動物たちが自由に歩き回る光景が、本作の大きな報酬になります。

失敗をやり直せるリサイクルシステム

本作の4Rを支えるのが、建物をいつでも解体して資源を回収できるリサイクルの仕組みです。一般的な4Xゲームでは、建物を壊しても投入した資源の一部しか戻らないことが多く、建設の失敗がそのまま損失になる場合があります。これに対して本作では、建物に使った資源がすべて返還され、建設によって発生した汚染も解消されます。

この仕組みによって、施設の配置を間違えたり、環境負荷が大きくなりすぎたりしても、プレイヤーは計画を組み直せます。建物を撤去した跡に残るダメージを抱え続ける必要はなく、惑星を再び本来の状態へ近づけることが可能です。リサイクルは単なる資源回収ではなく、「この惑星はいつでも癒やせる」という作品の考え方を、操作システムとして表現しています。

そのため、本作には敗北状態がなく、プレイヤーを急かす厳しい制限もありません。時間切れを気にして建設を急ぐ必要はなく、競争相手の帝国に先を越される心配もありません。選択の結果に問題が生じても、建物を解体し、資源を回収し、別の方法を試せます。難しさの中心にあるのは生存競争ではなく、環境を観察しながら、どの場所にどの施設や生物を配置すれば持続的な生態系になるかを考えることです。

技術ツリーではなく選択と信頼で進行

本作は4Xゲームの構造を完全に捨てているわけではありません。多くの4X作品では、プレイヤーは研究や技術、文化を持たない状態から始め、文明をゼロから発展させます。本作も新たな建物やアップグレードを段階的に解禁していきますが、領土拡大や軍事力のための技術ツリーを中心にはしていません。ストーリー上の出来事、プレイヤーの選択、ギルドからの依頼を通じて信頼を獲得し、その進展に応じて新しい要素が解放されます。

外交の扱いも大きく異なります。通常の4Xゲームでは、プレイヤーとAIの帝国が友好的な関係を築いたり、敵対したりしながら、外交を勝利や戦争の手段として利用します。しかし本作で重要なのは、ライバル文明との交渉ではなく、プレイヤーと惑星との関係です。どのような建物を建て、どの地域を浄化し、どんな生態系を選ぶかによって、世界の反応が変わります。

ゲーム内では、惑星を歩き回りながら「Great Unraveling」の謎を探ることもできます。管理画面だけで環境を整えるのではなく、再生途中の世界を自分のペースで観察し、自然の音に包まれながら変化を見届ける体験が意識されています。Broken Arms Gamesのビジネスデベロッパー、Elisa Farinetti氏は、プレイヤーに「安心して遊び、時間をかけて発見や探索、観察を楽しみながら、惑星が再生されていく感覚を味わってほしい」と話しています。

本作は、征服すべき相手や、終わりへ向かって進む時計を用意しません。あるのは、生命を失った惑星と、環境を観察し、建設し、必要なら解体しながら再生を続ける時間です。Focus Entertainmentがパブリッシャーを務める本作は、Xbox Series X|Sでプレイ可能です。