『Orbitals』は70〜80年代アニメ風の美麗な協力ゲームだがソロプレイには対応せず
2026年09月04日 | #レビュー | GamesRadar+
70〜80年代アニメを思わせるビジュアルで強い印象を残す一方、プレイには必ず2人が必要です。Shapefarm開発、Kepler Interactive発売の『Orbitals』は、ローカル協力プレイとオンラインマルチプレイに対応していますが、1人だけで遊ぶ方法は用意されていません。原文筆者はその美しいアートデザインに惹かれたものの、協力プレイを前提としたゲーム設計が自身の環境では大きな壁になったと評価しています。
アニメ風の見た目と現代的な協力ゲームの設計
本作のアートは、1970年代から1980年代のアニメに強く影響を受けています。トレーラーを見た原文筆者は、ゲームに対して「ひと目ぼれ」と呼べるほどの期待を抱いたとのことです。しかし、実際にプレイを始めてから、ソロプレイが完全に不可能な協力専用タイトルだと知り、その魅力を楽しむうえで重要な前提を見落としていたと振り返っています。
ゲームシステムは、It Takes TwoやSplit Fictionで知られるタイプの協力ゲームに近いものと説明されています。2人でそれぞれの役割を担い、パズルを解き、タイミングを合わせた操作を成功させながら先へ進む形式です。単に同じ画面で敵を倒すだけではなく、2人の意思疎通や操作の連携が進行に直結するため、協力プレイがうまく機能すれば手応えのある体験になりそうです。
ただし、その設計は誰とでも気軽に遊べることを意味しません。ローカル協力でもオンラインでも、プレイヤーの片方がゲームの基本操作やジャンル特有の知識に慣れていなければ、もう一方だけでは進行を支えきれない場面が生じます。原文筆者は、協力ゲームの魅力と難しさが同じ設計から生まれている点を、本作を評価するうえでの核心として取り上げています。
協力プレイを始めるまでにある知識の差
原文筆者は、恋人と一緒に本作を遊びました。恋人はゲームをまったく知らないわけではなく、子どものころにはターン制RPGのファイナルファンタジーVIIや、塊魂、Spyroを遊んでいたといいます。しかし、それらの作品で求められる技能は、本作のようなアクション中心の協力ゲームとは大きく異なります。
過去には恋人とIt Takes Twoを遊んだこともありましたが、特に厳しいプラットフォームアクションの場面でプレイを中断しました。その後、Split Fictionを恋人と遊ぶことも考えず、短期間帰国していた兄弟とプレイしたとのことです。最後までクリアするには至らなかったものの、少なくとも本作のようなゲームを誰と遊ぶかによって、体験が大きく変わることは示されています。
原文筆者が問題視しているのは、プレイヤーが一定の「ゲーム慣れ」を持っていることを、現代のゲームが当然のように想定している点です。プラットフォームゲームを経験していれば、ジャンプのタイミングや足場への乗り方を理解しやすくなります。FPSを遊んだことがあれば、照準を合わせて撃つ操作にも慣れています。多くの作品は、こうした基本を一から教えるのではなく、すでに身につけている知識を前提に、複数の操作を組み合わせる段階から始めます。
初心者には同時操作が大きな負担に
本作では、ジャンプしながら射撃し、さらに複数の標的を切り替えるといった操作が求められます。経験者にとっては基本的な動作の組み合わせに見えても、反射的な操作を必要とするアクションゲームに慣れていない人には、非常に高いハードルになります。原文筆者は、恋人がそうした操作についていけず、簡単に見える課題さえ極めて難しいものになっていたと述べています。
ここで重要なのは、原文筆者が本作を「あるべき姿と違う」という理由だけで批判しているわけではないことです。ゲームが何を目指しているのかは理解しており、協力プレイを軸にした構造そのものが、It Takes TwoやSplit Fictionを多くのプレイヤーに支持させている理由でもあると考えています。2人で協力しなければ突破できない仕掛けや、同時に行動することで成立する場面は、協力ゲームならではの面白さにつながります。
一方で、その面白さを成立させるために、2人のプレイヤーが一定の操作技術を共有していなければなりません。片方がゲーム経験の少ない場合、得意なプレイヤーが助けるだけでは解決できないことがあります。操作を担当する本人が、ジャンプ、攻撃、照準、対象の切り替えを自分で処理する必要があるためです。協力プレイへの参加を促す作品でありながら、ゲームに不慣れな人を自然に引き込む仕組みは十分ではなかった、というのが原文筆者の見立てです。
作品の魅力を保ったまま難度を調整できる余地
原文筆者は、本作の問題を解決する具体的な方法を断定していません。ただ、プレイヤー同士の技能差を吸収する仕組みとして、難度を調整するスライダーのような機能があればよかったと考えています。片方のプレイヤーにだけ操作上の余裕を与える、あるいは同時入力を要求する場面の負担を軽くするなど、協力ゲームの核を残しながら参加しやすくする方法が想定されています。
もっとも、そうした調整が作品の意図と両立するかは簡単ではありません。2人が同じ課題に向き合い、タイミングを合わせて突破すること自体が、このジャンルの重要な魅力だからです。初心者向けの補助を強くすると、役割分担や緊張感が薄れ、協力して成功したときの達成感まで変わる可能性があります。原文筆者自身もゲームデザインの専門家ではないとして、この提案が本作の方向性に合うかどうかは判断していません。
それでも、見た目に惹かれた人が、操作経験の差を理由にプレイを続けられなくなる点は惜しまれます。恋人や家族、ゲームに詳しくない友人と一緒に遊べる作品を探している場合、2人ともアクションゲームに慣れているかを事前に確認したほうがよいでしょう。逆に、互いにジャンプや射撃などの操作へ慣れており、意思疎通を取りながら進める相手がいるなら、本作のアニメ調の世界観と協力ゲームとしての仕掛けは魅力になり得ます。
原文筆者は、ビジュアル面で強く惹かれたからこそ、協力プレイの必須条件が自身の環境に合わなかったことを残念に感じています。本作が悪いというより、協力ゲームが想定するプレイヤー像と、実際に一緒に遊びたい相手の経験値が一致しなかったという評価です。ソロプレイに対応していない以上、購入やプレイを検討する際は、作品の雰囲気だけでなく、2人が同時操作を求められるゲームに対応できるかどうかを重視する必要があります。