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gamescom、物理会場とデジタル展開の融合を今後も強化

2026年09月06日 | #その他 | DualShockers

gamescom、物理会場とデジタル展開の融合を今後も強化

ゲーム業界で大規模なリアルイベントのあり方が問われるなか、gamescomは来場者を集め続けるだけでなく、会場外へ情報を届けるデジタル展開との融合を進めています。ディレクターのStefan Heikhaus氏は、消費者、開発者、B2B関係者の全員に価値を提供する現在の構成を成功の基盤と説明し、今後は会場を拡張するのではなく体験の質を高めていく考えを示しました。将来の具体策は明かさなかったものの、インディーゲームを含む新たな企画を検討しているとのことです。

リアルイベントの復調を支える「現地での体験」

新型コロナウイルスの流行以降、ゲーム関連イベントでもオンライン開催や配信の重要性が高まりました。一方で、gamescomの会場には多くの来場者が集まり、近年はむしろ現地に足を運びたいという需要が強まっているように見えます。Heikhaus氏は、スタジオ閉鎖など業界の厳しい動きがある一方で、gamescomのようなイベントが成長していることについて、両者は矛盾していないと説明しています。

同氏によれば、gamescomはプレイヤーやコミュニティのためのイベントであり、来場者はゲームを遊ぶことや、好きな作品・人物を目当てに写真を撮ることなど、オンラインでは得にくい体験を求めています。コンサートを例に挙げながら、音楽配信サービスが普及していても、実際の会場で過ごす体験を求めてコンサートへ行く人がいると指摘しました。ゲームでも同じように、デジタルで情報を受け取れる時代だからこそ、同じ場所に集まること自体が価値になっているとしています。

また、gamescomは「多くの人にとって、ほかの選択肢と比べて参加しやすい場所」だとHeikhaus氏は語っています。物理イベントへの参加には費用がかかるものの、ゲームを実際に体験し、ほかのファンや関係者と同じ空間を共有できることが、来場を促す要因になっているとのことです。

会場の熱気を配信で世界へ届ける仕組み

Heikhaus氏は、現在のイベント運営では物理的な出展だけでは不十分だと説明しました。企業にとってgamescomへの出展は、マーケティング予算の大きな部分を占める場合があります。かつてはブースを設け、会場で来場者向けの宣伝活動を行うことが中心でしたが、現在は配信やデジタルコンテンツを組み合わせる必要があるとしています。

新型コロナウイルスの流行は、イベントにもデジタルの側面が必要だと業界が認識するきっかけになったとHeikhaus氏は振り返りました。gamescomでは、現地での展示に加えてストリーミングスタジオを用意したり、協力するクリエイターが会場からデジタルコンテンツを制作したりする企業が年々増えているそうです。会場にいない人も、新作や新しいアイデアに触れられるようにすることで、イベントの価値を現地の来場者だけに限定しない形へ広げています。

イベントの幕開けを担うのが、Geoff Keighley氏と協力して実施しているオープニング・ナイト・ライブ(ONL)です。Heikhaus氏は、この協力がgamescomにとって非常に大きなものだと説明し、ONLに続いて各企業がゲームの配信などを行う流れによって、会場外の消費者にも情報を届けられるとしています。現地の盛り上がりとオンライン配信を別々の施策として扱うのではなく、ひとつのイベント体験として組み合わせることが、gamescomの強みになっているようです。

開発者、企業、消費者を同時に受け入れる構成

gamescomの特徴として、メディアや業界関係者だけ、あるいは一般来場者だけに対象を絞るのではなく、複数の層を同じイベントに受け入れている点も挙げられます。Heikhaus氏は、現在の運営チームに加わってから3年ほどだとしたうえで、イベントが持つ「三つの側面」が大きな成功要因になっていると説明しました。

最初の2日間は開発者との交流を重視し、B2B関係者にとっては水曜日から金曜日までが主要な期間となります。そのうえで、B2B関係者の多くは以前より長く会場に残り、一般来場者向けのB2C側の体験にも触れているとのことです。開発者、企業関係者、消費者がそれぞれ別の目的で訪れながら、完全に分断されることなくイベント内で接点を持てる構成になっています。

この構成は、出展企業にとっても意味があります。会場にいる消費者だけを対象にするのではなく、開発者との交流、B2Bの商談や関係構築、一般向けの体験提供、さらに配信を通じたデジタル展開までを一度に行えるためです。Heikhaus氏は、gamescomへの参加には多額の投資が必要だと認めつつも、消費者向け、B2B向け、開発者向けのすべてを含み、デジタル面も備えているからこそ、その投資が成果につながるとしています。

一方で、来場者が増え続ければ、各層の参加者が互いの存在に圧倒される可能性もあります。しかし、インタビューでは、このバランスを保つことこそがgamescomの成功の中心にあると説明されました。特定の参加者だけを優先するのではなく、それぞれに異なる役割と時間帯を用意しながら、同じイベントの中で体験を成立させている点が特徴です。

会場を広げるのではなく体験を磨く今後の計画

Heikhaus氏は、次回以降のgamescomについて、これまでの成功をそのまま繰り返すのではなく、継続的に変化させていく考えを示しました。運営チームには近年加わったメンバーも多く、実際にイベントを経験しながら、数年先を見据えた構想をすでに検討しているとのことです。イベントが終了してから次回の準備を始めるのではなく、複数年単位でビジョンを考える運営へ変わっているとしています。

その一例として挙げられたのが、インディーゲームへの取り組みです。インディー作品はゲーム業界のなかで存在感と価値を高め、認知も広がっているとHeikhaus氏は説明しました。gamescomでは、ショーや展示スペースで作品を紹介するだけでなく、B2BとB2Cの両面、さらに開発者向けの側面からもインディーゲームを扱う構想があるそうです。

会場ではgamescom awesome indies showも実施されており、Heikhaus氏はその内容に満足していると語りました。ただし、現在の形が完成形というわけではなく、将来的には構成を大きく見直す可能性があるとのことです。具体的な計画については明言を避けましたが、インディーゲームを軸にした企画は、今後の改善案のひとつとして検討されています。

ただし、来場者数を増やすことが今後の目標になるわけではありません。Heikhaus氏は、単純に人数を増やすことはできず、運営側もそれを望んでいないと説明しました。会場に新たなホールを2つ追加するような拡張ではなく、現在利用できる施設と仕組みのなかで、来場者それぞれの体験を改善していく方針です。

業界からは、改善点に関する意見だけでなく、多くのアイデアも寄せられているといいます。Heikhaus氏は、イベント期間中も業界関係者と話し合いを続けており、寄せられる提案をどれから採用し、どの方向へ進めるかを見極めることが運営側の課題だと話しました。将来の詳細はまだ公表できないものの、現行の仕組みを維持するだけではなく、関係者からの意見を取り入れながら内容を更新していく姿勢を示しています。

ケルン開催は継続へ、ただし5年先は未定

開催地については、gamescomは現在もドイツのケルンを拠点としています。前身となるGames Conventionの時期も含め、ケルンでの開催は約1年半の दशकではなく、15年以上にわたって続いてきたとHeikhaus氏は説明しました。長年開催されてきた実績に加え、自治体や現地企業との関係、イベントを中心に形成された周辺の仕組みがあるため、単純に別の都市へ移すことはできないとしています。

現時点では、ケルンはgamescomにとって適切な開催地だという認識です。ただし、Heikhaus氏は5年後も同じ場所で開催しているかについては分からないと述べ、将来を断定することは避けました。少なくとも現在のところはケルンが最適な場所だと感じているとし、長年積み重ねてきた開催地との関係を維持しながら、イベント自体の体験を改善していく方針です。