『Bus Simulator 27』は交通会社運営と運転の自由度が魅力、ただし不安定なAIが課題
2026年09月07日 | #レビュー | DualShockers
『Bus Simulator 27』は、バスを運転するだけでなく、車両や運転手を管理しながら都市の交通網を作り上げていくシミュレーションゲームです。運転のリアリティや難易度を細かく調整でき、気軽なドライブにも本格的な運行体験にも対応しています。一方で、運転評価システムの誤判定や他車両のAIには明確な問題があり、現状は完成版というよりアーリーアクセスに近い印象が残ります。
バス会社の運営と運転を一体で楽しめる
プレイヤーは民間のバス会社を運営し、都市の交通システムを再構築していきます。バスを購入して車両 fleetを整え、運転手を雇用・配置し、バス路線を設計するのが基本的な流れです。設定した路線をAIの運転手に任せることも、自分でハンドルを握って運行することもできます。会社経営と運転シミュレーターの要素を組み合わせた構成になっており、単に決められたルートを走るだけの作品ではありません。
操作は一般的なドライビングシミュレーターに近く、運転そのものは比較的入りやすく作られています。ただし、バスならではの操作として、乗客のためのドア開閉、車内のコンピューターを使ったチケット販売、騒ぐ乗客に対応するために運転席を離れるといった要素も用意されています。通常の車を運転するゲームよりも確認すべき項目は多いものの、チュートリアルをスキップできるため、すぐに本編へ進みたいプレイヤーにも対応しています。
チュートリアルでは操作方法だけでなく、物語に関する会話も多く挟まります。シミュレーターを純粋な運転や経営のために遊びたい人にとっては、やや回り道に感じられる可能性がありますが、説明自体は長引きません。操作を忘れた場合には必要なキー操作を再確認できる仕組みもあり、複数の操作を一度に覚えることになってもフォローを受けられます。
メニューは目的の機能を見つけやすく整理されています。特にバス路線の作成は複雑になりがちな要素ですが、本作では比較的簡単に設定できます。路線へのバスや運転手の割り当てを自動化する機能もあり、細かな管理をすべて手作業で行う必要はありません。運営部分に興味はあるものの、管理画面の操作で疲れたくないというプレイヤーにも扱いやすい設計です。
難易度や見た目まで細かく調整可能
本作の特徴のひとつは、プレイ体験そのものを調整できることです。交通ルールをどの程度重視するか、違反時のペナルティをどれだけ厳しくするかを変更できるため、現実的で緊張感のある運行を目指すことも、細かな違反を気にせず運転を楽しむこともできます。
リアリティを高めた設定では、交通法規を守る必要性が増し、違反によるペナルティも重くなります。信号や周囲の車両に注意しながら慎重に走る遊び方に向いている一方、運転中の失敗を強く意識することにもなります。反対に、難易度を下げれば交通ルールをある程度無視して、都市を走ること自体を目的にできます。運行管理を本格的に楽しみたい人と、落ち着いた気分でドライブしたい人の双方に選択肢があります。
映像表現も、シネマティックな雰囲気とリアルな雰囲気から選択できます。シミュレーターを、しばらく頭を休めるための落ち着いた時間として遊びたい場合は、ストレスを抑えた設定にできます。逆に、交通ルールや運転の正確さを意識しながら、緊張感のある運行に挑むことも可能です。難易度と映像の方向性をそれぞれ調整できるため、遊び方を一律に押しつけない点は評価できます。
プレイヤーキャラクターの外見を作成できるカスタマイズも用意されています。バスだけでなく、自分が会社を運営し、路線を走らせる存在として見た目を整えられるのは、運営シミュレーターとしては意外性のある要素です。また、複数のルートを走行できるため、同じ道路を何度も往復し続ける単調さを避けられます。プレイを進めてエリアをアンロックすると世界が広がっていく仕組みもあり、運行範囲を少しずつ拡大する目標につながっています。
運転評価システムに一貫性がない
全体の土台は整っているものの、現状の大きな問題は運転評価システムです。原文筆者は、実際には正しい操作をしているにもかかわらず、運転ポイントを減らされる場面があると指摘しています。特に目立つのが、方向指示器を使っているのに「使っていない」と判定されるケースです。
方向指示器は、曲がり始めたタイミングで敏感に解除されてしまうことがあります。その結果、プレイヤー側は事前にウインカーを出していたつもりでも、システムが使用していなかったものとして扱い、ポイントを減算します。操作の細かなタイミングを要求する一方で、判定結果がプレイヤーの認識と一致しないため、交通ルールを守ろうとするほど不満につながりやすい部分です。
さらに、別の場面では他車両を妨げるような曲がり方をしてもポイントを失わないことがあります。正しい運転に対して厳しく、危険に見える運転には反応しない場合があるため、評価基準が一貫していません。難易度を上げて現実的な運行を楽しみたいプレイヤーほど、この不安定な判定にストレスを感じる可能性があります。
他車両のAIも運行の妨げに
もうひとつの問題は、街中を走る他車両のAIです。バスとの接触を避けようとする意図は理解できるものの、AI車両が理由なく停止したり、信号が青に変わってもなかなか発進しなかったりすることがあります。
交差点では、動き出したと思った直後に停止する行動を繰り返したり、その場からまったく進まなくなったりするケースもあります。プレイヤーが十分な距離を取って完全に停止しているにもかかわらず、AI車両が先に進まないため、結果としてバス側も発進できません。右左折や優先関係を再現しようとしているものの、実際の交通の流れとしては不自然な挙動が発生します。
この問題はゲームを進行不能にするほどではありません。しかし、プレイヤーが交通ルールを守って慎重に走っているときほど、AIの停止や発進の遅れによって待たされることになります。運転技術では解決できない余計なストレスであり、都市を走る体験の没入感を損なう要因です。特に、交通量の多い場所や交差点では、AIの改善が重要になります。
現時点では完成度に課題が残る
本作は、バスの購入と運転、運転手の管理、路線作成、エリアの拡張をひとつにまとめた基盤を持っています。自動割り当てによって管理の負担を減らせるうえ、難易度やリアリティを調整できるため、プレイヤーが望む遊び方に近づけやすい作品です。オンライン協力プレイにも対応しており、他のオンラインゲームにあるような強い緊張感を求めず、友人と時間を過ごす用途にも向いています。
ただし、運転ポイントの誤判定と、交通ルールにうまく対応できないAIは、ゲームの中心である運転体験に直接影響します。原文筆者は、こうした不具合のため、本作がフルリリースされた完成品よりもアーリーアクセス作品のように感じられると評価しています。特にAIドライバーを中心としたアップデートで挙動が整えば、Bus Simulator 21の後継作として楽しめる可能性はあるものの、現時点ではそこまでの完成度には達していないとの見方です。
2026年9月8日に発売された本作は、シミュレーション、ドライビング、探索、オープンワールドの要素を備えています。気軽な運転から厳格な交通ルールに沿った運行まで設定で切り替えられる点は魅力ですが、現状では便利なカスタマイズ機能だけで問題点を補いきれていません。バス会社を育てる基本構造に興味があるなら注目できますが、正確な交通判定や自然なNPCの運転を重視する場合は、今後の改善を見届けたい作品です。