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『Persona 4 Revival』はローカライズ体制を刷新して脚本を調整

2026年09月08日 | #ゲーム | Eurogamer

『Persona 4 Revival』はローカライズ体制を刷新して脚本を調整

2008年の『ペルソナ4』をリメイクする本作では、キャラクターの核心を変えずに、脚本の意図が伝わりやすくなるよう調整が加えられます。シリーズディレクターの和田和久氏は、特にローカライズチームを開発初期から制作に参加させ、各言語で作品の意図を共有する体制を重視していると明らかにしました。原作で議論を呼んだ表現をどこまで見直せるのかが、リメイクの大きな注目点になりそうです。

原作で議論を呼んだキャラクター描写

本作をめぐっては、原作における一部のキャラクターやセンシティブなテーマの扱いが、ファンの間で議論されています。主要キャラクターの1人である陽介は、保守的で人を決めつけがちな「思春期のスケベ男子」というステレオタイプとして描かれており、物語の中で多少変化を見せる一方、他者に対して攻撃的で身勝手な面も持っています。

また、同性愛やトランスジェンダーに関わる要素についても、社会が求める「普通」に合わせるために、登場人物が本当の自分を抑え込むように描かれていると受け止める人がいます。原文筆者は、これらの描写には単純な批判だけでは捉えきれない複雑さがあり、登場人物が自分の性質や羞恥心と向き合っていく側面もあるとしつつ、表現の進め方が不器用だったことは認めています。

さらに、過去にシリーズディレクターが、同性愛のロマンス要素を復活させるなら主人公が「男性全員と恋愛できる」必要があると発言したことも、ファンの反発を招きました。こうした背景から、原作をそのまま再現してほしいという意見と、過去の問題点を見直して改善してほしいという意見が並立しています。

和田氏が説明した脚本の変更点

Gamescomでの取材で、和田氏は原作のキャラクター設定そのものを大きく変更したわけではないと説明しました。キャラクターが誰で、何を言うのかという基本部分は維持したまま、原作では情報が不足していたり、言い回しがキャラクターの意図を十分に伝えられていなかったりする台詞を見直したとのことです。

陽介についても、発言の内容自体は同じだとしながら、一部の表現を少し穏やかにしたとしています。和田氏は通訳を介して、「キャラクターの意図が明確に伝わるよう、細かな部分を調整した」と説明しました。これによって、原作に含まれていた問題のある印象がどこまで変わるのか、また海外のプレイヤーが納得できる内容になるのかは、実際の完成版を待つ必要があります。

今回の方針は、キャラクターの性格や物語上の役割を別人のように作り替えるものではなく、同じ台詞や場面が持つ意味を、より正確に伝えることを目指すものです。そのため、原作のファンが求める忠実さと、現代の基準に照らした表現の改善をどこで両立させるかが重要になります。特定の場面を削除したり、物語の結論を変更したりすると明言されたわけではなく、現時点で示されているのは主に台詞の明確化とトーンの調整です。

ローカライズチームを初期段階から参加させる体制

アトラスのローカライズ方針も、過去の作品から変化しています。以前は日本版を先に発売し、その後に海外向けの翻訳版を制作する流れが基本でした。たとえばペルソナ5は日本で2016年9月に登場した後、海外発売は2017年4月となっています。

しかし、ペルソナ5が世界的かつ大規模な成功を収めたことを受け、アトラスは複数地域での同時発売を進めるようになりました。メタファー:リファンタジオ、ペルソナ3 リロード、真・女神転生V Vengeanceなどがこの体制の恩恵を受けており、ペルソナ3 リロードはアトラス史上最速で売れた作品になったとされています。

和田氏によれば、ペルソナ3 リロードで初めて同時発売に取り組んだ経験から、制作全体の進め方について多くを学んだとのことです。本作では、シナリオや脚本の一部が完成するたびに、可能な限り早くローカライズチームへ渡す運用を採用しています。翻訳担当者を早い段階の会議にも参加させ、開発側と翻訳側が同じ情報を持った状態で議論できるようにしているということです。

この方式なら、完成した日本語の台詞を後から別言語へ置き換えるだけではなく、翻訳チームがキャラクターの背景や場面の意図を理解したうえで表現を検討できます。和田氏は、最終的な脚本が開発側の意図をより包括的に反映し、日本語以外の言語でも自然に伝わるものになることを期待しているとしています。

過去の派生作品からキャラクターを再検討

本作では、原作発売後に登場した派生作品で積み重ねられたキャラクター描写も、再構成の材料になっています。ペルソナ4 ダンシング・オールナイトや対戦格闘ゲームのペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールドなどでは、原作後の時間軸で登場人物の性格や関係性がさらに描かれてきました。

和田氏は、こうした作品を通じて各キャラクターを掘り下げてきたことが、本作で人物像に厚みを加える助けになったと説明しています。チームが特に詳しく描きたいと考えたのは陽介と巽完二で、原作だけでは十分に扱えなかった側面を、これまでの展開から得た理解をもとに見直したとのことです。

アートディレクターの茅場晶氏は、千枝について、さまざまな役割を担わされ、多くのことをこなしているキャラクターだと改めて感じたと話しています。千枝と雪子は「ダブルヒロイン」のような立ち位置に見える一方で、千枝のほうが物語上で担当する役割が多い点にも触れ、その部分を再評価したということです。

原文筆者は、アトラスが本作で忠実なリメイクと現代的な改訂の境界をどう扱うのかに注目しています。ペルソナ3 リロードでは過去作の問題点を修正する試みがあった一方、宣伝や制作面で不器用な部分も残ったと指摘しています。本作が同じ問題を繰り返す可能性への懸念を示しながらも、和田氏が語るローカライズとキャラクター描写の改善が、完成版で実際に生かされることを期待しているとの見解です。