Don’t Nod、最大90人の人員削減を検討 2027年1月以降の事業継続にも不確実性
『Life is Strange』で知られるフランスのゲームスタジオDon’t Nod Entertainmentが、事業モデルの見直しに伴い、フランスで最大90人のポジション削減を検討しています。取締役会は新たな事業モデルを承認したものの、外部からの資金調達が進まなければ、2027年1月31日を超えて事業を継続できない可能性があると明らかにしました。人員整理だけでなく、スタジオそのものの存続が焦点になっています。
事業モデルを変更し最大90人を削減へ
Don’t Nodは2008年に設立され、『Life is Strange』シリーズのほか、アドベンチャーゲームのLost Records、SFアクションアドベンチャーのAphelionなどを手がけてきました。今回の業績報告は2026年上半期の事業状況を扱ったもので、すでに実施した業績改善策やコスト削減だけでは、持続的に競争力を回復するには不十分だったとしています。
背景には、ゲーム業界の経済環境と資金調達環境が大きく変化したことに加え、同社の主要な財務指標が悪化したことがあります。会社側はこの状況に対応するため、フランスでの事業を単一の制作ラインに集約する方針です。現在の制作が完了する前から次のプロジェクトを立ち上げられる体制を整え、プロジェクトの継続的なパイプラインを維持する狙いがあります。
新体制では、リソース配分を効率化し、責任の所在を明確にするとともに、優先度の高いプロジェクトへ専門性を集中させると説明されています。一方、この組織再編によって、フランスの人員を最大90ポジション削減する可能性があります。対象者への影響を伴う困難な措置であり、同社は必要な支援策を用意するとしています。
資金不足で2027年1月以降の継続に不確実性
Don’t Nodは4月にAphelionを発売しましたが、評価は分かれており、現在の経営状況を立て直すのに十分な売上にはつながらなかったとみられます。さらに6月には監査人が、新たな投資を確保できなければ同社は年内に資金が尽きる可能性があると警告していました。
同社は2020年、Tencentに少数株式を売却し、Tencentから取締役会の席を得ています。しかし監査人に対して、Tencentは短期的に追加資金を注入する予定がなく、現在開発中のゲームにも資金を提供しない意向を示していると伝えられました。既存株主からの支援に頼る道が限られるなか、今後の運営とプロジェクト開発に必要な資金を外部から調達できるかが重要になります。
今回の報告でDon’t Nodは、手元資金と今後のキャッシュフロー予測を踏まえると、事業と開発を続ける能力は外部資金の確保に一部依存していると説明しました。そのため、2027年1月31日以降も継続企業として存続できるかについて「重大な不確実性」があるとしています。
CEOは事業継続に必要な計画と説明
CEO兼会長のOskar Guilbert氏は、2026年上半期がゲーム業界の大きな困難を改めて示したとコメントしています。資金提供の条件が厳しくなり、収益の見通しも不確実な市場では、事業モデルを明確かつ責任を持って適応させる必要があるとのことです。
Guilbert氏は、人員削減の影響を受ける従業員にとって厳しい措置であることを認めたうえで、今回の計画は会社の事業を継続するために不可欠だとしています。今後は組織再編を進めながら、資金調達と制作体制の再構築を同時に進められるかが問われます。