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『The War for Westeros』はRTS未経験のゲーム・オブ・スローンズファンにも届く設計に

2026年09月08日 | #その他 | IGN

『The War for Westeros』はRTS未経験のゲーム・オブ・スローンズファンにも届く設計に

『The War for Westeros』は、リアルタイムストラテジー(RTS)に慣れたプレイヤーだけでなく、ゲーム・オブ・スローンズのファンでRTSを遊んだことがない人々も取り込めるよう設計されています。開発を手がけるPlaySideは、複雑になりがちなRTSの基本を学びやすくするチュートリアルに加え、プレイ中の負担を減らす仕組みも導入する方針です。特に、資源採取のために作業ユニットへ指示を出し続けなくてよいシステムが大きな特徴となっています。

RTS初心者を想定した導入設計

ゲームディレクターのRyan McMahon氏はgamescomでのインタビューで、ゲーム・オブ・スローンズをきっかけに本作へ入ってくるRTS未経験者を開発チームも意識していると説明しました。McMahon氏は、目指しているのはRTSの要素を単純化して内容を薄くすることではなく、プレイヤーがその面白さへ無理なく到達できるようにすることだとしています。

発売時には、スカーミッシュモードへ新規プレイヤーを導く「非常に充実した」チュートリアルを用意するとのことです。さらに、キャンペーンモードを通じて各種システムを段階的に学べるようにし、最初からすべての要素を理解していなくてもゲームを進められる構成を目指しています。

シングルプレイでは、AIもプレイヤーが仕組みを覚えるための時間を確保できるよう調整されます。いきなり高度な判断を迫るのではなく、まずは本作の戦闘や内政に慣れ、その後でマルチプレイに挑戦したくなる流れを想定しているようです。McMahon氏は、マルチプレイに移る段階で、すぐにすべてを習得しなくても楽しめるだけの複雑さを徐々に身につけられるとしています。

作業ユニットへの指示を簡略化

一般的なRTSでは、作業ユニットを資源採取へ向かわせたり建物を建設させたりしたあと、作業が終わるたびに次の仕事を割り当てる必要があります。資源の確保、施設の建設、ユニットの生産、戦場での操作を同時に進めるため、作業ユニットの管理だけで多くの注意力を求められる作品も少なくありません。

本作では、建物を建設すれば、その建物が自動的に資源を生産する「set and forget」型の仕組みを採用します。作業ユニットを建物へ割り当て続ける必要がなく、建設を終えた後は別の操作へ意識を向けられます。McMahon氏は、この仕組みによって内政を維持するための負担や、プレイ中に考えなければならないことの多さを抑えられると説明しました。

その分、プレイヤーは生産するユニットの選択、戦場へ送り出す英雄、配置する建物、そして戦闘でどのような状況を作るかに集中できます。開発側が重視しているのは操作を減らすこと自体ではなく、細かな管理に追われる時間を減らし、軍勢の運用や指揮官の組み合わせといったRTSの判断へ力を割けるようにすることです。

英雄は作品の顔であり、軍勢を支える指揮官に

ゲーム・オブ・スローンズのファンに向けた要素として、HBOドラマに登場した人物たちが本人の容姿を再現した形で登場します。台詞の収録には本人ではなく、声が似た俳優が起用されています。PlaySideは、実際の俳優を起用するには費用がかかることに加え、開発のスケジュールに合わせて参加できるとは限らないためだと説明しています。

Jon Snowは、演じたKit Harington氏から容姿の使用許可を得ている人物の一例です。gamescomでは、Lannister家に招集できるGregor “The Mountain” Cleganeと、Stark家に所属するArya Starkも紹介されました。Gregorは巨大な体格と圧倒的な力で敵の戦列を崩し、対峙する相手に恐怖を与える英雄として描かれます。一方のAryaは、House of Black and WhiteのFaceless Menのもとで訓練を受けた暗殺者として、異なる役割を担います。

ただし、英雄1人の戦闘力だけで戦場を制圧するゲームにはしない方針です。開発初期には、Jon SnowやJaime Lannisterのように個人として強力な英雄が人気を集めていたものの、調整が進むにつれて、周囲の部隊を強化する指揮官の価値が高まってきたとMcMahon氏は語っています。英雄が数百人の敵を単独で倒すのではなく、組み合わせた部隊の能力を引き上げることが重要になる設計です。

内部対戦のデータで勢力と英雄を調整

現在の開発チーム内では、好きな人物を選ぶよりも、戦場で有効だと考えられる英雄を選ぶ傾向が強いとのことです。特にTywin LannisterとRobb Starkが人気で、騎兵によってマップを素早く移動できることに加え、指揮官として周囲のユニットを強化できる点が評価されています。単体で強いというより、軍全体を補強できることが選出理由になっています。

英雄の人気や有効性は固定されているわけではありません。開発チームは毎週金曜日の午後にプレイテストを実施し、開発中のゲームを長時間プレイしています。各マイルストーンの終了時には社内トーナメントも開催しており、優勝者にはトロフィーが渡され、次の大会まで勝者のデスクに置かれるという運用も行われています。

プレイテストでは、各勢力の勝率、出撃した英雄の数、マップ上で建物が建てられた場所などを記録しています。建設地点の分布はヒートマップとして確認され、レベルデザインや勢力間のバランス調整、各勢力の英雄をどのように強化するかを考える材料になります。原文筆者は、発売後には知名度の高いJon Snowが再び人気の頂点に立つ可能性を示していますが、現時点では英雄の強さだけでなく、部隊との相性が選択を左右している状況です。