『Warlock: Dungeons & Dragons』がウェイポイントを採用しない理由は探索の手応え
『Warlock: Dungeons & Dragons』では、プレイヤーを目的地へ直接導くウェイポイントや一般的なクエストマーカーをあえて採用していません。Invoke Studiosは、表示された目印を追うだけではなく、世界を探索し、住民と会話し、自分で次の行動を考える体験を重視しているためだと説明しています。手厚い誘導を減らすことで、発見が自分の判断によるものだと感じられる仕組みを目指しています。
ウェイポイントを置かない理由
Invoke Studiosのゼネラルマネージャー、Dominic Guay氏はgamescom 2026でIGNの取材に応じ、ウェイポイントを使わない方針について、プレイヤーが世界に関わりながら物事を解き明かしていくためだと説明しました。本作には画面上部のコンパスが用意されていますが、これも任意でオフにできます。一方で、物語の次の場面へ自動的に案内するクエストマーカーは存在せず、探索やNPCとの会話から手掛かりを集めて進める形になります。
Guay氏によれば、開発チームには過去にウェイポイントを備えたオープンワールド作品を手掛けた経験があります。その経験から、強い誘導があると多くのプレイヤーは目印を疑わず追い続けるようになり、「自分で選んでいる感覚や、なぜ調べるのかという好奇心が失われてしまう」と判断したとのことです。そこで今回は、プレイヤーが自分の行動によって発見したと感じられる設計を選びました。
複数のきっかけから始まるミステリー
探索を重視する設計の中心にあるのが、特定の行動をきっかけに発生する「Mystery」システムです。Mysteryは主に集落での探索や住民との会話、情報の収集を通じて見つかります。クエストマーカーが示す地点へ向かい、そこで初めてイベントを開始するのではなく、プレイヤーが何かおかしいと気づいた時点から物語に関われる仕組みです。
Guay氏は、Mysteryには複数の入り口が用意されていると説明しています。同じ内容でも、集落の内部で情報を得てから始める場合と、別の場所で手掛かりを見つけてから集落へ向かう場合では、接し方が変わる可能性があります。後者なら、集落へ入る前から「何か妙なことが起きている」と察したうえで住民に接することになり、内部で初めて事情を知った場合とは異なる展開になります。
すべてのMysteryが複雑な構造を持つわけではなく、比較的わかりやすいものもあれば、より深い探索や継続的な関与を求めるものもあるとのことです。複数の導入経路を用意することは開発上の負担も大きいものの、チームはその難しさを含めて本作の魅力につながる設計だと考えています。
手厚い誘導をめぐる議論
ゲームにおける「手取り足取りの案内」は、PlayStation 5向けのMarvel’s Wolverineをめぐっても注目されています。同作では、ローガンが他のキャラクターを追跡したり敵や収集物を探したりする際に、においの痕跡を視覚化する、いわゆる「おならガス」として批判された表現が話題になり、無効化を望む声も出ています。
ただし、両作のゲーム性は大きく異なります。Marvel’s Wolverineは限られたエリアで戦闘を行う直線的なアクションアドベンチャーである一方、本作は広い世界を舞台に、独自の魔法システムから状況に応じた展開が生まれるオープンワールド作品です。単純な比較はできないものの、プレイヤーをどこまで導くかという設計思想の違いを示す事例として、Invoke Studiosの方針が紹介されています。