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『Max Payne』は25年前からニューヨークを物語の主役にしていた

2026年09月20日 | #ゲーム紹介 | Polygon

『Max Payne』は25年前からニューヨークを物語の主役にしていた

『Control Resonant』で描かれるニューヨークに注目が集まるなか、Remedy Entertainmentは25年前にも同じ都市を舞台に、強烈な印象を残すゲームを送り出していました。極寒のマンハッタンと主人公の復讐劇を結びつけた『Max Payne』は、現在の同スタジオにつながる都市表現と、独自のアクションを確立した作品です。

極寒のニューヨークから始まる復讐劇

『Max Payne』はWindows PC向けに発売された後、PS2とXboxにも展開されたシューターです。物語の冒頭では、凍てついたニューヨークの高層ビルを舞台に、パトカーやヘリコプターが銃撃事件の現場へ集まります。街を覆う厳しい寒さと、これから何かが起こるという不穏な空気が、ゲームの最初から強く打ち出されています。

主人公のマックス・ペインは、3年前に起きた悲劇を引きずっています。かつて警察官だったマックスは、ニュージャージーで妻と娘と暮らしていました。しかしある夜、自宅に戻った彼を待っていたのは、デザイナードラッグで高揚した3人の男による襲撃でした。マックスは侵入者を全員射殺したものの、家族を殺されてしまいます。

この事件をきっかけに、マックスは警察時代の親しい仲間たちから離れ、DEAへ移ります。そして潜入捜査官として、家族を奪ったドラッグの流通に関わる地元マフィアへ潜入することになります。屋上で警察の対応を見下ろす現在の場面から始まり、3年前の出来事へとさかのぼる構成は、主人公の喪失とその後の行動を直結させています。

物語はグラフィックノベルのパネルを思わせる形式で進み、荒々しいナレーションをJames McCaffreyが担当しました。ノワール作品らしい演出を前面に押し出したシンプルな復讐劇ですが、Remedyはその題材を遠慮なく暗く、激しく描いています。この作品は後にMark Wahlberg主演の2008年映画にもつながりましたが、原作ゲームの魅力は映像化された設定だけではありません。

時間を遅くする「バレットタイム」

本作を語るうえで欠かせないのが、銃撃戦に導入された「バレットタイム」です。序盤のRoscoe Street Stationで初めて重要な役割を持つこの能力を使うと、マックスは前方へ身を投げ出したり跳躍したりしながら、周囲の時間だけを大幅に遅くできます。

敵はまるで粘液の中に閉じ込められたようにゆっくりと反応するため、その短い時間に狙いを定めて攻撃できます。効果は永続しませんが、発動中は敵の動きを見極めながら、ほとんど反撃を受けずに撃ち込める場面もあります。ショットガンを使えば、細かな照準を合わせる必要さえ薄れるほどの制圧力を発揮します。

この仕組みは、単なる派手な演出ではなく、マックスが多数の敵を相手に生き残るための中核的なゲームプレイになっています。重いストーリーとテンポのよい銃撃戦を結びつけ、作品全体に独特のスタイルを与えた要素です。

25年を経て見える長所と弱点

物語には細かなニュアンスが不足している部分もありますが、展開は勢いよく進み、銃撃戦を前後から支えています。街の環境テクスチャや建築は現代の基準では簡素で、マックスが常に浮かべている薄い笑みも、年月を経た現在では鋭さより滑稽さを感じさせる場合があります。こうした部分は、発売から25年が経過した作品として受け止める必要があります。

一方、古さがより大きな問題になるのはコンソール版です。PS2版ではY軸の操作が反転しており、敵との戦いだけでなくカメラ操作にも苦労させられます。設定を切り替えやすい現代の作品や、自由度の高いPC版と比べると、操作面の不便さが目立ちます。

回復アイテムとチェックポイントの少なさも、コンソール版で厳しく感じられる点です。複数の廊下を進みながら敵を倒したあと、1回の銃撃戦で失敗すると、そこまでの区間をもう一度やり直すことになります。回復手段が途中で見つかる場合もありますが、慣れていないプレイヤーはすぐに使い切ってしまい、その後に補充できないこともあります。

さらに、チェックポイントの配置によっては、画面外に潜む敵の不意打ちを含む長い戦闘エリアの直前から再開させられます。低い難易度でも厳しいと感じられる構成で、失敗したときの負担は小さくありません。PC版では任意のセーブが可能なため、この問題をある程度避けられます。

Remedyが描き続けるマンハッタン

こうした粗さを抱えながらも、あるいは粗さがあるからこそ、本作は発売から四半世紀が経った今も満足感のあるシューターとして機能しています。特にPC版で修正を施して遊ぶ場合、印象的なスタイルと手応えのあるアクションが結びつき、現在でも魅力を保っています。

Remedyが今後、Max Payne 1 & 2 Remakeでこの体験を現代のプレイヤー向けにどう調整するのかは注目されます。同時に、『Control Resonant』でマンハッタンをどのように解釈し直すのかも、25年前の作品を知るプレイヤーにとって興味深い点です。ニューヨークを単なる背景ではなく、物語の緊張感を生む存在として扱う姿勢は、同スタジオの過去と現在をつなぐ要素になっています。