PS2の知られざるJRPG 10作、独自のシステムで今も語り継がれる作品群
2026年09月22日 | #ゲーム紹介 | DualShockers
PS2には、キングダム ハーツIIやドラゴンクエストVIII、ペルソナ3のような大ヒット作だけでなく、熱心なファンの口コミで支持されてきたJRPGも数多く存在します。今回取り上げるのは、発売当時に広く注目されなかった一方で、独特の世界観やゲームシステムを持つ10作品です。原文筆者は、いずれも今から触れる価値がある作品として紹介しています。
PS2時代に生まれた異色のJRPG
『ブレス オブ ファイアV ドラゴンクォーター』は、それまでのシリーズが描いてきたハイファンタジーから大きく方向転換し、地下のシェルターで暮らす人類が地上を目指すディストピアSFを舞台にしています。戦闘はターン制とリアルタイム要素を組み合わせた形式で、行動ゲージの許す範囲で移動や攻撃を行い、能力やコンボを組み立てます。さらに、1回で完全に終わる構成ではなく、複数回のプレイを前提にした設計も特徴です。周回によって上昇するステータスに応じて、新たなイベントやエリアへ到達できるようになります。
『ラジアータ ストーリーズ』では、リアルタイムで昼夜が移り変わる世界のなか、100人以上のNPCがそれぞれの生活スケジュールと個性に基づいて行動します。仲間にできる人物は、ストーリーで選んだルートにも左右されるため、相手の生活を把握しながら勧誘する必要があります。戦闘で直接操作できるのは主人公のジャックだけで、ほかの仲間はAIが動かす仕組みです。時間の流れと仲間集めを結びつけた点が、本作の大きな個性となっています。
ワイルドアームズ 3rd Ignitionは、砂漠と荒野を旅する冒険者たちを描く作品です。西部劇風の世界に銃を使うガンマンと魔法の要素を組み合わせ、各キャラクターは専用のARMを装備して3Dバトルに挑みます。戦闘では敵の周囲を回り込み、狙撃に適した位置を探すことが可能です。新たな目的地はワールドマップに最初から表示されるのではなく、町で情報を集めるか、自分で荒野を探索して見つけていきます。
物語と戦術に独自色を出した作品
『アーク ザ ラッド 精霊の黄昏』は、KhargとDarcという2人の主人公を軸に、交差する2つの物語を描きます。それぞれが別の冒険を進め、固有の仲間たちを集めていく構成です。戦闘は広いフィールド上でユニットを動かす戦術型で、主人公と最大5人の仲間が順番に行動します。一般的なマス目ではなく、円形の移動・攻撃範囲を使うため、位置取りを細かく調整できます。複数の敵を同時に攻撃できる場所を探すことも重要になります。
アトリエ イリス エターナルマナは、錬金術とアイテム合成を中心に据えたJRPGです。主人公のクレインは各地を旅しながら錬金術の腕を磨き、合成を助ける魔法の存在マナを仲間にします。ダンジョンで集めた素材だけでなく、敵から直接取り出したエレメントも材料として利用でき、アイテムや武器、マナ専用の特殊アイテムを作成できます。一部のアイテムを完成させるには、マナの体力を使う必要があります。
『オウガ・シャドウキング』は、主人公アリが古い魔法の事故によって、邪悪な王スタンに自分の影を呪われるところから始まります。スタンはアリの影に取りつき、力を取り戻すため、各地の邪悪な王を倒すよう要求します。戦闘中にはスタンが姿を現し、非常に強力な魔法を使えますが、本人がその気にならなければ発動しません。さらに、事前に長い称賛の言葉をかける必要があります。原文筆者は、こうした風変わりな設定と、少し調子の外れた雰囲気を本作の魅力として挙げています。
スチームパンクや宇宙的恐怖を描く世界観
『スチームボット クロニクル』は、蒸気と歯車で動くロボットを軸にしたアクションRPGです。記憶を失った主人公は、旅するバンドの歌手と出会い、Trotmobileと呼ばれる蒸気式メカに乗って一行を支えることになります。広いマップをメカで自由に移動し、配達や戦闘などの仕事をこなしながら、機体のパーツを集めてカスタマイズしていきます。
音楽も重要な要素で、バンドのさまざまな楽器を自分で担当し、曲に合わせて演奏すれば収入を増やせます。原文筆者は、本作を犯罪や暴力を前面に出した作品ではなく、穏やかな雰囲気とスチームパンクロボットを組み合わせた作品として、Grand Theft Autoにたとえています。
『シャドウハーツ フロム・ザ・ニュー・ワールド』の舞台は1929年のアメリカで、ニューヨークやラスベガスなどを巡りながら、異世界の怪物を相手に戦います。物語の基調は宇宙的恐怖で、ターン制バトルにはタイミング入力によるアクションコマンドや、正気度を扱うシステムが組み込まれています。パーティメンバーも個性的で、二丁拳銃を使うネイティブアメリカンのNatan、ブラジル出身で忍者を目指すFrank、ギターに火炎放射器とロケットランチャーを仕込んだマリアッチのRicardoらが登場します。
後の人気シリーズにつながる2作品
『ドラッグ オン ドラグーン』は、後に人気シリーズとなるニーアの源流にあたる作品です。ニーアは初代ドラッグ オン ドラグーンの分岐エンディングの1つから派生したスピンオフであり、原文筆者はニーアの成功によって忘れられがちな前身として本作を取り上げています。
ゲームはミッション制のアクションJRPGで、広大なオープンワールドではなく、個別の任務を順番に進めます。武器には経験値があり、成長させることで強力な敵に対抗しやすくなります。地上での戦いに加えて、ドラゴンに乗って飛行し、飛行船を撃ち落とす空中戦も用意されています。ニーアよりもファンタジー色が強く、その違いが両作品のつながりを考えるうえで興味深い点とされています。
『DIGITAL DEVIL SAGA アバタール・チューナー』は、悪魔を仲魔として操るのではなく、パーティメンバー自身が悪魔になる点で、ほかの真・女神転生シリーズ作品と差別化されています。仲間は状況に応じて人間形態と悪魔形態を切り替え、人間時には銃や爆発物、悪魔時には魔法を使って戦います。
敵を特定の攻撃で倒すと、その場で相手を食らうことができ、悪魔形態の成長や新たな能力の習得につながります。独特なシステムは、実存的な物語と同様に理解するまで少し時間がかかるものの、原文筆者は本作を非常に個性的で、復活を望む作品として評価しています。大作の陰に隠れたPS2時代のJRPGを振り返ると、ジャンルの定番から外れた設定や仕組みこそが、現在まで作品を語り継がせる理由になっているようです。