『Dune Awakening』PS5版は60fpsが快適だが、広げすぎた要素がサバイバルの粗さを残す
2026年09月23日 | #レビュー | GamesRadar+
『Dune Awakening』がPS5とXbox Series X向けに登場し、PC版では大型アップデートも実施されました。注目されるのは、映画版を思わせるアラキスの再現度と、60fpsで遊べる快適さです。一方で、戦闘やクライミング、UIなど複数の要素を盛り込んだ結果、サバイバルゲームの核となる部分には、発売から時間が経った現在も粗さが残っていると原文筆者は評しています。
PS5版は60fpsで砂漠を駆け抜けられる
本作の舞台は、映画や原作小説で描かれてきた砂の惑星アラキスです。プレイヤーは、奴隷として送り込まれるはずだった名もない人物として、この過酷な惑星に放り出されます。しかし輸送船が撃墜され、砂漠の真ん中で孤立。太陽は容赦なく体力を奪い、水は極端に不足し、開けた砂地を歩けば巨大なサンドワームに襲われる危険があります。
この導入は、サバイバルゲームの題材として非常に強力です。生き延びること自体が難しい環境だからこそ、拠点や装備を整え、少しずつ行動範囲を広げていく達成感につながります。アラキスの景観は美しく、映画版を意識した世界の見せ方も含めて、原文筆者は本作の雰囲気と場所の再現度を高く評価しています。原作への愛情が伝わる一方、作品固有の用語や設定を知らない人への導入は不親切で、Bene Gesseritといった用語に馴染みがない場合は、序盤から理解に苦労する可能性があるとのことです。
PS5版では、60fpsを重視したモードと、30fpsでより細かな映像表現を優先するモードを選択できます。30fpsでは描画の細部が増え、オブジェクトの表示遅れも少なくなるとされていますが、原文筆者は60fpsを推奨しています。60fpsでも見た目は十分に美しく、表示の遅れは許容できる範囲に収まっているため、砂漠の移動や戦闘を含めて操作感が大きく向上するという評価です。
生存に欠かせない水と、機能しきれていない戦闘
アラキスでは水が最重要資源です。水は拠点やテクノロジー、特殊能力を動かすために必要で、枯渇すれば短時間で生存が難しくなります。花の群生地から露を飲んで水分を補給する手段もありますが、得られる量は限られています。ゲームはむしろ、敵を倒して血液から水を回収する行為を強く促します。砂漠で生き延びるために他者を殺し、その血を水に変えるという発想は本作らしい陰惨さを持つ一方、敵のAIが単純なため、重要資源の獲得が簡単になりすぎていると原文筆者は指摘しています。
敵の中には距離を取って銃撃するタイプもいますが、遮蔽物に隠れたり、プレイヤーの射撃を避けたりすることはほとんどありません。ナイフを持った敵は、銃撃を受けても一直線に走り込み、プレイヤーの目前で倒れることが多いようです。敵が定期的に復活するキャンプの近くに拠点を建てれば、2体のスカベンジャーから水袋を安定して入手できるため、本来は貴重なはずの水が作業的に集められてしまいます。シングルプレイでは難易度を上げられますが、敵が無思考に動く問題そのものは解決しないとのことです。
銃撃戦の印象も厳しく、原文筆者は過去の評価で本作の戦闘を「退屈」と表現していました。発売後の時間を経て改善されることを期待していたものの、今回のプレイでも大きく変わったとは感じられなかったとしています。射撃戦が単調な一方、近接戦闘には独特の手触りがあります。作中のシールドスーツは銃弾を無力化するため、着用者とは近距離で戦わなければなりません。ナイフを持った敵が走ってくる場面は緊張感があり、操作は少し扱いにくいものの、砂漠での死闘らしい荒々しさには合っているという見方です。
ただし、シールドスーツを着ていない敵の多くまで、まるで銃が効かないかのように接近してくる点には疑問が残ります。あるクエストでは、正気を失った人々が相手に向かって走り、無差別に攻撃していると説明されますが、原文筆者はその行動が本作の敵の多くに当てはまると皮肉を込めています。
クライミングとスキルツリーは魅力と不安定さが同居
本作には、ステルス、射撃、クライミング、飛行、乗り物による戦闘など、一般的なサバイバルMMOの範囲を超える要素が多数盛り込まれています。現在は厳密なシングルプレイモードも用意されていますが、要素を増やしたぶん、それぞれの仕上がりが十分に磨き込まれていない印象があると原文筆者は述べています。多機能であることが、サバイバル部分の完成度を押し下げる要因になっているという評価です。
クライミングは、スタミナが続く限りほぼどこでも登れる仕組みです。切り立った崖を登る場面は比較的うまく機能するものの、下りるときの操作は不正確です。キャラクターが崖から意図せず離れ、短いルートを選ぶように落下してしまうことがあります。序盤は落下への耐性も低いため、移動の失敗がそのまま致命傷になりかねません。後半では落下ダメージを無効化する装備を作れるようになりますが、これは問題を根本的に解決するというより、扱いにくい仕様を装備で補う形だと受け止められています。
一方、スキルツリーには有用な能力も多く存在します。サンドワームから逃げるための高速ダッシュは、危険な砂地から離脱する手段として特に優秀です。フックショットも、クライミングの不満をある程度補ってくれます。成長のペースは遅く、獲得できる力も出し惜しみされているように感じられますが、辛抱強く進めれば、少しずつ行動の自由度が増していく仕組みには報酬があります。
拠点建築を阻む複雑なメニュー
自分だけの砂漠の拠点を作れることも、本作の大きな売りです。しかしPS5版では、DualSenseで複雑な拠点建築や管理を行う操作が手に負担をかけると原文筆者は評しています。PC向けに作られた複雑なゲームのUIをコンソールへ移植するのは難しく、Baldur's Gate 3のように成功した例もありますが、本作はPC版の時点ですでにメニューが整理されていなかったため、PS5版では問題がより目立つとのことです。
欲しい機能や情報が、複数階層のサブメニューの奥に隠されています。ポーズ画面を開いても目的が確認できず、どのタブを何度選べば必要な項目にたどり着けるのか探しているうちに、そもそも何をしようとしていたのか忘れてしまうことがあります。技術ツリーでプロジェクトを探したり、建築物を配置したりする作業も分かりにくく、原文筆者はこの問題が以前から指摘されていたにもかかわらず、今回も大きく改善されたようには感じられなかったとしています。
その結果、敵を倒して水を集める作業は考えずに進められるのに、ファブリケーターがどのメニューにあるのかを探すだけで大きなストレスがかかります。サバイバルゲームにおいて、資源集めや戦闘よりも基本的なUI操作のほうが難しいという逆転が起きている点は、本作の弱点として強く批判されています。
原作ファン向けに残された魅力
原文筆者の総評は、アラキスを舞台にした魅力的な体験は確かに存在するものの、そこへ到達するまでに多くの不便を乗り越えなければならない、というものです。世界観、景観、スキルツリー、拠点づくりの発想には見るべきものがありますが、戦闘AI、クライミング、メニュー、成長ペースなど、長時間遊ぶうえで繰り返し触れる部分に不満が残ります。
過去の評価でも、本作は「非常に夢中になれる一方で、同じくらい退屈」と評されていました。今回のコンソール版でも、その相反する印象は解消されていないとされています。Duneの世界そのものに深い関心がある人なら、アラキスを歩き、資源を集め、拠点を築く過程に価値を見出せる可能性があります。しかし、ティモシー・シャラメ主演映画をきっかけにシリーズへ触れた程度のカジュアルなファンには、原作知識を前提とした導入や不親切なシステムが大きな負担になると原文筆者は結論づけています。