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『メイド イン ワリオ』元ディレクターの阿部悟郎氏、任天堂退社後に学生との交流から新たな視点

2026年10月01日 | #その他 | VGC

『メイド イン ワリオ』元ディレクターの阿部悟郎氏、任天堂退社後に学生との交流から新たな視点

『メイド イン ワリオ』シリーズの元ディレクター、阿部悟郎氏は、任天堂を退社して大学教員になったことで、学生や任天堂以外の開発者と接する機会が増え、ゲーム制作を新たな視点から考えるようになったと話しています。現在は大阪電気通信大学でゲームデザインを教えながら、新しいゲーム体験の研究を進めています。

50歳を機に大学教員へ転身

阿部氏は1999年に任天堂へ入社し、ワリオランド4などに携わった後、『メイド イン ワリオ』シリーズのディレクターを務めました。最後に担当したのは、2023年発売の超おどる メイド イン ワリオです。25年以上勤めた任天堂を2026年に退社し、大阪電気通信大学の教授に就任しました。

退社を考えたのは、50歳を迎える頃に今後のキャリアを見つめ直したためです。ゲーム制作には多くの時間がかかるため、これから作れる作品の数には限りがあると考え、未経験のことに挑戦しようと教職を選びました。大学では学生にゲームデザインを教えるほか、ゲームを社会課題の解決に生かす方法も扱っています。

学生や任天堂の外から得た気づき

若い世代がゲームにどう触れているかを間近で見られることは、教員になって特に興味深い点だと阿部氏は話します。また、任天堂を離れたことで、他社や別の開発者の考え方、インディーゲームの動向にも目を向けられるようになったといいます。任天堂の内側にいた頃とは異なる視点を知ることが大切だと述べました。

短いゲームを作る経験も、授業に役立っています。『メイド イン ワリオ』のミニゲームは短い時間で遊べる一方、制作にはさまざまな制約があります。阿部氏は、そうした制約のあるゲーム作りを通じて得た経験を、学生に教える際に生かしています。

商業性にとらわれない作品を構想

大学での仕事に時間を取られているものの、阿部氏はゲーム制作を続けるつもりです。大学の枠を越えて、ゲーム業界で知り合った人や開発者と新しいものを作ることも考えています。

大企業での開発では、利益や販売数、専用コントローラーなどを考慮する必要がありました。阿部氏は、そうした条件の中で創造性を発揮することも楽しんでいたとしたうえで、今後は商業面の条件にとらわれず、ゲームやほかのエンターテインメントを通じて人の心を動かす作品にも取り組みたいと話しています。

大学での研究では、コントローラーを基本的な入力装置として使い、これまでにないゲームを作ることにも取り組んでいます。目指すのは、普段ゲームを遊ばない人にも届く体験です。ゲームそのものを作ることが目的ではない企業や人々にも、ゲームの影響力を生かした仕組みや場作りが役立つ可能性があると考えています。