カプコンはRE ENGINEを段階的に進化させる「REX」を発表し、AIとの協業も視野に入れています
2026年10月03日 | #ゲーム紹介 | DualShockers
カプコンは「CAPCOM Open Conference RE:2026」で、RE ENGINEの次世代構想「REX」を発表しました。エンジンを一から作り直すのではなく、データ処理や開発ツールなどを段階的に改良し、将来的にはAIとの協業も目指します。
大規模化するゲーム開発に対応
プログラマーのSatoshi Ishida氏によると、RE ENGINEは2014年に開発が始まり、2017年発売のバイオハザード7で初めて商用作品に採用されました。これまでに27作以上のタイトルを支え、現在は国や技術的な背景の異なる2,000人以上の開発者が利用しています。
一方、ゲームの世界が大規模になるにつれて、扱うデータは増え、開発ツールも複雑になっています。小さな変更でも待ち時間が長くなるなど、機能を追加するだけでは解決しにくい課題が出てきました。AIをはじめとする技術の変化も、開発環境の見直しを後押ししています。
そこでカプコンは、RE ENGINEを置き換えるのではなく、複数の新技術を組み合わせるREXを進めています。データ処理、開発ツール、実行時の性能、自動テストなど、幅広い領域の改善を目指す取り組みです。
開発を支える新技術
RE:Doxは、異なる種類のゲームデータを共通の方法で扱うための技術です。内部での情報処理を簡素化し、読み込みや編集の速度を高めるとカプコンは説明しています。
RE:UIは、複雑化して重くなった開発ツールの操作画面を改善します。不要なメモリー使用や処理を抑え、ツールの機能が増えても快適に使える状態を目指します。
RE:Logは、開発環境でログや通信を扱う仕組みを見直します。大きな文章を何度も保存する代わりに、短い識別子を使い、必要な情報を呼び出す方式です。扱うデータ量を減らしながら、ログの検索や分析、編集、翻訳もしやすくします。
RE:Flowsでは、開発者がゲームプレイの仕組みを画面上で組み立てられます。その内容は、システムによって共通のプログラミング言語に変換されます。これにより、デザイナーがすべてを一からコードに書かなくても、ゲームのアイデアを試せるようにする考えです。
RE:Runtimeは、実行時の効率向上を担います。多くのキャラクターやオブジェクトが同時に動くゲームでも、メモリーや処理への負荷を抑えられるよう、それらをまとめて管理します。また、開発者が読みやすいコードを、機械がより速く処理できる形式に変換するRE:C++も導入します。
AIとの協業を見据えて
REXの狙いは、RE ENGINEを高速化するだけではありません。プログラミングの基盤をより統一し、人とAIの双方がシステムを理解しやすくすることで、AIがプログラミングを支援したり、ゲームの一部を生成したりする将来を見据えています。自動でテストを行い、開発中のゲームをプレイして不具合の可能性を見つけることも構想に含まれます。
カプコンはすでにその方向に向けて動き始めており、RE:DoxとRE:Logはオープンソースとして公開されています。AIが次のバイオハザードを最初から最後まで独力で作る段階にはまだ遠いものの、REXからは、カプコンがRE ENGINEの単純な高速化を超えた将来を考えていることがうかがえます。