『TOEM 2』レビュー、写真で解く小さな謎と寄り道が楽しい白黒の冒険
『TOEM 2』は、カメラを通して世界を観察し、あちこちに隠れた発見を楽しむアドベンチャーです。前作ほどの新鮮さや謎解きの手応えはありませんが、好奇心に応えてくれる愛らしい町が、隅々まで探索したくなる魅力を生んでいます。目的地に着くこと以上に、道中で何を見つけたかが心に残る作品です。
写真を撮って、町の困りごとを解決
本作は、Something We Madeが開発し、2021年に発売したTOEM: A Photo Adventureの続編です。基本的な仕組みは前作とほぼ同じで、主人公は季節の壮大な現象「toem」を見るため、のどかな家から旅に出ます。訪れるのは、白黒の世界にある3つの町。住民を写真撮影で手助けし、次の町へ進むためのバスの切符を集めていきます。
撮影する対象は、隠れた庭のノームや臭いチーズ、かわいらしい生き物などさまざまです。ただし、見つけたものを撮れば済むとは限りません。橋をふさぐトロールから3匹のヤギが写った写真を求められたときは、ヤギを探したうえで、それぞれ別の足場にいる3匹が1枚に収まるよう、位置をうまく調整する必要があります。
こうした周囲の地形や配置を使った謎解きが、カメラによる撮影を遊びの中心に据えています。隠れたものを探すゲームではあるものの、静止画から指定の品を見つけるJune's Journeyとは体験が異なります。『TOEM 2』の世界は動きに満ち、思いがけない発見が待っています。
用事を追いかけるうちに広がる探索
各町は、斜め上から見下ろす小さなジオラマのような区画がつながってできています。背景は柔らかな印象の3Dで表現され、色は白と黒の濃淡だけ。住民は前作の平面的な手描き風の姿を保っているため、周囲の景色の中でも目を引きます。生き物が走り回り、空には雲が浮かぶ町並みは、見て歩くだけでも楽しいものです。
住民の依頼は、別の場所へ足を運ぶきっかけになります。例えば、町の森にいる透明人間は、姿を取り戻す薬を必要としています。彼の姿が見えるのはカメラ越しだけです。数区画離れた場所で薬を作る人物を見つけると、今度はキノコを集めるよう頼まれます。それを済ませて初めて、透明人間のもとへ薬を届けられます。
多くの依頼はこのように、探索を自然に促す流れになっています。その途中で、植木鉢に隠れた猫のような、妙に気になるものを見つけて写真を撮ることもあります。何か意味がありそうなのに、まだ使い道が分からない。その小さな引っかかりが、さらに歩き回る楽しさにつながっています。
町ごとの道具と、親しみが湧く住民
3つの町には、それぞれカメラに関わる仕掛けがあります。農村のCroptenでは、つるが伸びて入口や道をふさいでいます。そこで出会う小さなミミズがカメラにハサミを取り付けてくれるため、撮影するように狙いを定めて、つるを切れるようになります。
つるが再び現れるたびにミミズは慌てますが、その様子を見ると進んで助けたくなります。ほかの町であるTaletorpとDeltburgにも独自の道具があり、それを使う小さな物語が続いていきます。
各町の序盤で出会う住民は、新しい道具の使い方を教えてくれると同時に、一緒に歩き回る友達のような存在になっていきます。操作の説明を、登場人物への親しみに結び付けている点も魅力です。
先へ進めても、まだ帰りたくない
本作の長さは約4〜5時間で、シンプルな遊びが作業に感じられることはありません。筆者にとっては、どの町も急いで通り過ぎたくないほど魅力的で、見つけられるものをすべて探したいと思える、数少ないゲームでした。
謎の数は、先へ進むために必要なバスの切符よりも多く用意されています。切符を集め終えた後に探索を続ける理由は、何が起こるのか知りたいという楽しさそのものです。
例えば、世界を見たがっているかかしは、写真を撮ることで別の場所へ移せます。高すぎる場所に連れていったり、暖かな暖炉のそばに置いたり、厄介な鳥のいる場所へ戻したりできます。また、隠れた3体のノームを探す依頼は、旅の間ずっと頭の片隅に残り、物陰や狭い隙間をのぞく理由になります。
物の上から屋根へ跳び移り、曲がりくねった足場をたどって高い場所を目指すこと自体にも喜びがあります。そこから世界を違う角度で眺めるだけでも、寄り道する価値を感じられます。
前作ほどの新鮮さと手応えはない
本作の最大の弱点は、前作のTOEMが非常に優れていたことです。独自の撮影機能を使って世界に働きかける仕組みは、初めて遊んだときには格別に新鮮でした。続編で加わったカメラの強化や道具は、その独創性をさらに押し広げるほどではありません。
見た目にも違いがあります。前作の手描きの世界には、親密さや素朴な味わいがありました。本作ではキャラクターにその作風が残る一方、背景や物は3Dモデルで作られています。今作も美しく丁寧な仕上がりですが、前作からの改善や表現の広がりとは感じられません。
より大きな違いは、謎解きの手応えです。前作の謎は、もう少し考えたり試したりする楽しさがありました。本作はとても穏やかで、写真を使った宝探しを迷わず進められるよう導いてくれます。軽快に遊べること自体は悪くありませんが、前作にあった少しの難しさが、より深く観察したいという好奇心を引き出していました。
例えば、今作のカメラには対象を固定して追える機能があり、空を飛ぶ紙飛行機のように素早く動くものも撮りやすくなっています。小さな便利機能ですが、筆者が残してほしかった手間を取り除いています。前作でも撮影が特別難しかったわけではないものの、理想の1枚を撮るには多少の工夫が必要でした。
旅の終わりより、道中の発見が残る
冒険の先に何が待っているのかを期待すると、結末には物足りなさを感じるかもしれません。旅の目的である「toem」の現象は、前作とそれほど大きく変わらないためです。
それでも、作品全体が期待外れというわけではありません。この旅の価値は、最後にたどり着くことより、そこまでに見て発見したものにあります。
新鮮さは少し薄れましたが、前作も本作も、それぞれ優れた作品です。カメラを遊びの中心に据え、注意深く観察する好奇心を引き出す体験は、今回も特別なものになっています。Something We Madeが作った小さな白黒の世界は、魅力にあふれ、住民のためにちょうどいい写真を撮るだけでも、数時間を過ごす価値があります。
『TOEM 2』は、歩みを緩めて周囲を見渡し、その場にとどまってみたくなるゲームです。「こうしたらどうなるだろう」と試しても、何も起きないことはあります。何も起きなかったと思った行動が、旅の後半で思わぬ形で返ってくるかもしれません。あるいは、大きく素晴らしい何かが起こることもあります。その答えを知る楽しさは、好奇心を持って探索を続けた先に待っています。