『Deep Dish Dungeon』レビュー、楽しい料理クラフトが手ごわいダンジョン探索を支えます
2026年10月12日 | #レビュー | DualShockers
『Deep Dish Dungeon』は、レトロなダークファンタジーの世界で、手ごわい探索と楽しい料理クラフトを味わえる作品です。食材や素材を探し、料理や道具を作る流れに手応えがあり、暗い世界を進む楽しさにつながっています。昔ながらの戦闘は好みが分かれそうですが、独特のユーモアと厳しい生存競争の組み合わせが魅力です。
料理と道具作りが冒険を支える
舞台は、崩れかけた洞窟や地下深くへと続くダンジョンです。ソロでも、ほかのプレイヤー2人と一緒でも探索でき、モンスターと戦いながら、新しい武器やアイテムを作っていきます。
マルチプレイ対応のサバイバルクラフトという枠組み自体は、インディーゲームでは珍しくありません。それでも、食べ物を冒険の中心に置き、文化の違いを超えて人を結び付けるものとして扱う発想には、独自の面白さがあります。
旅を続けるには、できるだけ多くの食材を見つけ、料理することが欠かせません。調理には道具が必要なので、料理を作りやすくする道具の素材集めも、生き延びるうえで同じくらい重要です。クラフトはすぐに手応えを感じられて楽しく、探索で新しい料理や製作物を見つけることが、次へ進む動機になります。
気楽な雰囲気の奥にある厳しさ
本作は自らを、くつろいで遊べるゲームとして紹介しています。風変わりな世界やキャラクター、独特の遊びには確かにその雰囲気がありますが、この種の作品としてはかなり容赦のない一面もあります。
料理や武器を作って楽しく過ごしていても、命を落とせば、落とした持ち物を回収するために道を戻ることになります。こうした厳しさには、フロム・ソフトウェア作品を思わせる感触があります。
それでも、暗いユーモアと実際に命を脅かす危険の釣り合いは巧みです。世界は深刻になりすぎず、奇妙な居心地のよさも残しています。King's Fieldのような手ごわい探索に、Minecraftを思わせる素材集めやクラフトが重なる場面もあり、一見すると突飛な組み合わせが、実際に遊ぶと見事に機能しています。
小さな部屋から自然に学べる
冒険の始まりで強く印象に残るのは、暗いレトロ調の見た目と、陰りのある雰囲気です。キャラクター作成はごく簡素で、導入の説明もわずか。その後は、生き延びるか命を落とすかという世界へ放り込まれます。
ただし、遊び方の教え方は非常に優れています。最初の小さな部屋には、冒険を始めるために必要な情報がまとまっており、その先も、新しい部屋へ入るたびに学ぶことが増えていきます。まず基本を身に付けさせ、そこへ複雑な仕組みを少しずつ重ねる構成が見事です。
入り組んだレベル設計や世界の構造も、探索して秘密を見つける楽しさを支えています。さらに、カスタマイズには見た目から想像する以上の奥深さがあります。
昔ながらの戦闘は好みが分かれる
本作の中心は、探索と、新しい料理や製作物の発見です。そのため戦闘の頻度はそれほど高くありませんが、敵と向き合ったときには、攻撃に確かな手応えがあります。仕組みはシンプルでも、戦いは手ごわく、楽しめます。
戦闘の感触は、1990年代のダンジョン探索ゲームに根差しており、King's Fieldを現代風に解釈したようです。ただ、その古典的な作りには癖があり、誰にでも合うとは限りません。実際のプレイでは楽しめたものの、戦闘の好みが評価を左右する点には注意が必要です。
料理クラフトと暗いダンジョン探索を組み合わせた、風変わりな冒険を求める人には魅力的な作品です。とりわけ、1990年代のPCやセガサターンのゲームに親しんだ人は、レトロな表現に引かれるでしょう。King's Fieldを遊んできた人なら、戦闘にも過去へ戻ったような懐かしさを感じられそうです。そうした思い出がなくても、モンスターと戦い、おいしそうな料理を作る楽しさは十分に味わえます。