元Valveのチェット・ファリシェク氏、Epicの「バイブコーディング」製ランチャー発表を批判し「何を目指しているのか分からない」と発言
2026年10月16日 | #その他 | GamesRadar+
元Valveのライターで『Half-Life』や『Left 4 Dead』シリーズに携わったチェット・ファリシェク氏が、Epic Gamesが発表した新しいEpic Games Launcherについて、動画で批判的な見解を述べました。Epicは開発中のランチャーを生成AIの成果として打ち出しており、同氏はその発信内容や、Tim Sweeney氏によるValveへの皮肉とみられる表現に疑問を呈しています。
ファリシェク氏が疑問視したEpicの発表内容
Epicは公式ブログで、「プログラミングは難しい。だから、それをやる代わりに、バイブコーディングで新しいEpic Games Launcherを作った。現行のものよりずっと高速で反応が良く、新しいデザインになっている」と説明しました。
ファリシェク氏はこの内容を、事実だと信じられずに自分で確認しに行ったと語っています。そのうえで、顧客が実際に期待を持てる点は「新しい見た目になったこと」くらいだと指摘しました。
Valveやゲイブ・ニューウェル氏への当てこすりとの見方
発表の2段落目には、「最初のリリースは機能が少なめです。ヨットではなくスピードボートだと考えてください。ただし、ショッピングカートといった高度なデジタルコマース技術は備えています」という一文があります。
ファリシェク氏はこれを、Valve共同創設者であるGabe Newell氏のヨット所有をめぐる、EpicのSweeney CEOからの当てこすりだと受け取っています。「発表の2段落目で、ティムはゲイブにこだわるあまり、安っぽい攻撃を入れずにいられない」と述べ、Sweeney氏がオンラインでもGabe氏のヨットについて執拗に語っているとして、偶然ではないとの見方を示しました。
Sweeney氏は今年、ValveがSteam Deckを値上げした際にも、「メガヨットの部品供給網の深刻な混乱」を嘆く発言をしています。
ファリシェク氏はさらに、Epicで情報発信に長けていた知人の多くがすでにいなくなったと主張し、「Gabeに一発入れておけ、とティムに言われたのだろう」と冗談めかして語りました。
「Epicの North Star が分からない」
ファリシェク氏は、UnrealエンジンやFortnite、同氏が「とても良かった」と評する旧アセットストアなどを通じて、Epicがゲーム業界に大きく貢献してきたことは認めています。生成AIへの全面的な転換も、Sweeney氏が業界屈指の推進派であることから、一部では時代の流れを示すものと受け止められています。なお、Newell氏も生成AIの強い支持者です。
しかし同氏は、AI活用の成果が問われる点では、Epicに示せるものが多くないと見ています。技術の話題ばかりが先行し、Epic Games StoreがSteamに及ばないユーザー体験の部分が置き去りになっている、という指摘です。読み込みがいくら速くても、その差は埋まらないとしています。
同氏はSteamについて、Newell氏の構想を「MMOだ」と表現しました。単なるライブラリーやショッピングカートではなく、ゲームを見つけ、買い、遊ぶ体験そのものを心地よくする仕組みや報酬、フィードを備えたエコシステムだという説明です。ユーザーは消費するだけでなく、受け身な形ながら自分らしさを表現できるとも述べています。
一方でEpicについては、「いまだに彼らの North Star が分からない。ストアがいつも無機質に感じられる」と語りました。Valveもコメント欄やフォーラムなどの管理を改善できるとしつつ、Steamは依然としてEpicよりはるかに先を行っているという認識です。
ファリシェク氏はEpicの投稿にある「ダウンロードの管理、ゲームを素早く探す、体験のカスタマイズ、ゲームに関する情報を1画面に」という内容を読み上げ、コミュニティーに関する話が何もないと指摘しました。コミュニティーを追求しない判断をした可能性にも触れつつ、「このランチャーが何で、なぜ期待すべきなのか分からない。機能が足りないのに読み込みが速いと言っても、本当の強みにはならない」と締めくくっています。