コナミの早川英樹社長、AIはゲーム開発に長期的な大きな影響を与えないと決算資料で説明
2026年10月17日 | #その他 | DualShockers
コナミの現社長である早川英樹氏が、決算資料の中で、生成AIはゲーム業界に長期的に大きな影響を及ぼさないとの見解を示しました。生成AIの流行に乗らなかった同社のスタンスを示す発言として注目されています。
参入障壁はすでに下がっているという見方
生成AIについては、ゲーム業界の内外で、創作分野への参入障壁を下げる手段だと主張する人々がいます。一方で、そうした主張に対しては、実際にその分野で働くクリエイターから反発の声が出ることも少なくありません。早川氏も同様の立場で、参入障壁はすでに下がっていると述べています。
決算資料での発言は、「汎用ゲームエンジンの進歩やUGC(ユーザー生成コンテンツ)の普及によって、参入障壁はすでに下がっている」というものです。原文筆者は、MODなどのコミュニティコンテンツやユーザーの入力に対応するゲームの広がり、Unreal Engineのようなエンジンの存在により、AIを使わなくてもゲーム制作を始めやすくなっていると指摘しています。
また、ガードレールのある仕組みの中で開発を始め、汎用エンジンを通じてさまざまなゲームに応用できる実践的な技術を学べるとも述べています。早川氏は、AIが少ない手間でコンテンツを素早く大量に生み出せるという、効率面の議論にも触れているとのことです。
同じ資料の後半では、「面白く革新的なゲームを生み出すうえで最も重要なのは、人とクリエイターだと考えています」と述べています。原文筆者は、AIが経験豊富なチームの完成品を再現できたとしても、チームの息が合い、互いに刺激し合いながら改善を重ねて作品を生み出すときの魅力には及ばないだろうとの見方を示しています。
原文筆者はこの姿勢を、うれしい驚きだと評価しています。他社がプレイヤーに強く拒否された後も有料コンテンツにAIを紛れ込ませようとしている状況と対比し、率直さがかえって新鮮だとしています。
AIの代わりに新技術への投資を重視
早川氏はAIを否定するだけでなく、代わりとなる方向性も示しています。生成AIで開発期間を短縮するのではなく、かつてのゲーム機世代の飛躍のように、開発者が新しい試みに挑める大きな技術的進歩を重視しているということです。
同氏はコナミを、こうした新技術を後押しする立場として位置づけ、「クリエイターが新しい技術を把握し、それがもたらすリスクを適切に評価し、安全にゲーム開発へ応用できるよう、コナミは体系的に支援します」と述べています。原文筆者は、ここでの「安全に」という言葉が重要だと指摘しています。新技術はゲーム業界に欠かせない原動力である一方、扱うものを正確に理解することが大切だという点を改めて示しているとの見方です。
外部スタジオに主要シリーズを任せる取り組み
原文筆者は、コナミが言葉だけでなく行動でも示してきたと評価しています。同社は象徴的なシリーズを小規模なスタジオに託し、各スタジオが独自色を出せるようにしてきました。『Silent Hill Townfall』や『Castlevania Belmont's Curse』の最近の成功は、コナミ自身が社内で開発しなくても、機会を得たいと考える優れたチームが存在することを示しているとしています。
コナミは長らく、象徴的なシリーズの扱いを批判され、過去にはPCやコンソール向けの新作よりカジノ風のパチンコ機に力を入れていたことでも知られていました。ただ、ここ数年はSilent Hillの復活、『Metal Gear Solid 3』の最近の移植、発売されたばかりのCastlevaniaなどにより、勢いを取り戻しつつあります。