ゲーム業界コンサルのVivrato調査、スタジオの94%がAIを制作工程で使用と報告も、半数超は「深く組み込まれていない」と回答
ゲーム業界コンサルティング会社Vivratoが、ゲームスタジオのAI活用状況をまとめた「VAIA Report」を公開しました。調査対象のほぼすべてがAIを開発に使っているものの、約半数は制作パイプラインへの組み込みがそれほど深くないと答えています。
調査の概要
Vivratoは、元PlayStation幹部のAdam Boyes氏が設立した会社です。今回のレポートは、4月から9月にかけて実施された101件の非公開の1対1インタビューに基づいています。対象は主に北米と欧州に本社を置くスタジオの上級リーダーや意思決定者です。
インタビューはすべて同じ44問の質問項目に沿って行われ、コンセプトやプリプロダクションからライブ運営、収益化まで、ゲーム制作の9つの段階を共通して扱いました。結果の一貫性を保つための手法とされています。
AI活用の広がりと深さ
回答者の97%が何らかの形でAIを使ったことがあると答え、94%が9つの制作段階のうち少なくとも1つでAIを使っていると回答しました。
一方、AIが制作パイプラインにどれだけ深く組み込まれているかを10点満点で尋ねたところ、52%が3点以下と評価しました。利用は広がっているものの、深く根づいているとは言えない状況がうかがえます。
北米と欧州の差
調査では地域差も見られました。欧州のスタジオのほうが、より深く導入していると報告されています。たとえばアート、アセット、アニメーションでAIを使っていると答えた割合は、欧州では70%、北米では53%でした。
Boyes氏の発言
Boyes氏は、今年はゲームにおけるAIの議論や定義が、チャットボットや画像生成、合成音声といった生成AIを指すことが多いと感じていると述べました。そのうえで、プレイヤーの離脱を予測する機械学習からテストにおけるルールベースの自動化まで、スタジオはさまざまな方法でAIを使っており、結果も大きく異なると説明しています。実態の基準を明確にするには今が適切な時期だとして、水面下で起きていることを追跡・測定する専門の調査部門としてVAIAを立ち上げたとのことです。
また同氏は、どのスタジオがAIを使っているのかはもはや重要な問いではないと話しています。話を聞いた101人のリーダーの大半が、開発パイプラインのどこかにAIを採用したと答えたためです。今後の焦点は、どこで使っているのか、何が変わっているのか、実際に何が役立っているのか、そしてチームがどこで課題に直面しているのかだと述べています。