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IGN編集者、閉鎖されたBioWareを「史上最高のRPG開発会社」と評価し31年の歴史を振り返る

2026年10月22日 | #その他 | IGN

IGN編集者、閉鎖されたBioWareを「史上最高のRPG開発会社」と評価し31年の歴史を振り返る

IGNのエグゼクティブエディターであるRyan McCaffrey氏が、閉鎖されたBioWareの功績を振り返る論評記事を公開しました。同氏はBioWareを「長い期間にわたる実績で見れば、これ以上のRPG開発会社は存在しなかった」と評価しています。以下は、同氏の意見に基づく内容です。

投資グループによる買収と、閉鎖への思い

McCaffrey氏によると、今年に入ってBioWareは民間の投資グループに買収されました。同氏は、ベンチャーキャピタルは関わった対象を食い物にして価値を搾り取り、次の標的へ移ることが多いと指摘し、怒りと悲しみ、そして驚きのなさが入り混じった気持ちだと述べています。

BioWareは、医師として働いていたRay Muzyka氏とGreg Zeschuk氏が、コンピューターRPGを作る夢のために医療の道を離れて始めた会社です。その後、何度か売買されたことや、近年の作品が輝かしい過去に見合っていなかったことには触れつつも、同氏は残したものの大きさを強調しています。

なお、5作目となるMass Effectは、スタジオの閉鎖とともに開発中止になったと記されています。

Baldur's GateからNeverwinter Nightsへ

同氏は、Larian Studiosの『Baldur's Gate 3』(2023年)の影響で今は多くの人がBaldur's Gateを知っているものの、最初の2作を手がけたのが1990年代後半のBioWareだと知らない若いゲーマーもいるだろうと述べています。BioWareの最初の作品は1996年のメカアクションシム Shattered Steel で、Baldur's Gateの2作はスタジオの名を広めた作品でした。ダンジョンズ&ドラゴンズのルールに基づく深く広大なRPGで、200時間以上遊べる内容だったといいます。同氏は、当時のCRPGの水準を引き上げたと評価しています。1作目は1998年のIGNのGame of the Yearに選ばれ、Half-Lifeを上回りました。

2000年のMDK2を挟んで発売されたNeverwinter Nightsは、卓上でDMの家に友人が集まって遊ぶD&Dの雰囲気に、それまでのどのゲームよりも近づけた作品だと同氏は述べています。2002年のIGNのBest Role-Playing Gameでは、The Elder Scrolls 3: Morrowindに次ぐ2位でした。

Star Wars: Knights of the Old RepublicとJade Empire

それまでBioWareは、主にPCゲーマーの間で知られるCRPG開発会社でした。そこへMicrosoftがLucasArtsとともに、発足間もないXbox向けの独占Star Warsを依頼し、Star Wars: Knights of the Old Republic(KOTOR)が生まれます。同氏にとって、KOTORは個人的に最も好きなRPGです。そのうえで、史上屈指のRPGであることは間違いなく、Star Warsゲームの上位3本には確実に入り、1位にもなり得ると述べています。

同氏が挙げる魅力は、Star Warsの遠い過去を舞台にした物語と、ライトサイドにもダークサイドにも徹底して傾ける選択の自由です。同氏自身は完全な悪の道を選び、一度裏切った相手をさらに裏切ったことも覚えているそうです。結末近くの展開は伝説的だとして、内容には触れていません。また、Kashyyykを含む多くの惑星を巡ることや、HK-47をはじめとする仲間との交流、ターン制の戦闘も魅力に挙げています。同氏は、愛されるIPと業界をリードする開発会社が組み合わさった理想的な例だとしています。

その後、別のチームが同じくXbox独占でJade Empireを発売しました。中国神話を題材にした作品で、同氏は「過小評価されている」と述べています。IGNは2005年に100点満点で9.9点を付けました。商業的にはKOTORに遠く及ばなかったものの、評論家やファンの評価は同じくらい高かったとしています。

Mass Effect三部作

KOTORのディレクターだったCasey Hudson氏のチームが次に手がけたのがMass Effectです。BioWareは、各作品での選択が次作に引き継がれ、最終的に物語全体の結末にも影響する三部作の宇宙オペラを約束していました。Microsoftがこれをコンソール独占として契約したのは賢明だったと、同氏は述べています。

1作目は2007年秋に発売されました。同氏はこの時期を、Xboxの、そしておそらくゲーム全体の中でも最高の時期だと見ています。プレイヤーが作成する主人公Commander Shepardを通じて世界観が示され、人類の立場や、銀河を守るSpectreへの道が描かれます。Reaperが登場し、Wrex、Garrus、Liaraをはじめ多くの優れた仲間も生まれました。KOTOR同様、善のParagonにも悪のRenegadeにもなれ、同氏は今回もBioWareがどこまで悪役を許すかを試したそうです。

同氏は1作目が三部作で最も好きだとしつつ、多くの人にとっては2作目が最高だと述べています。2作目は仲間との関係を深め、キャンペーン全体をほぼ彼らを中心に組み立てました。約束どおりセーブデータは引き継がれ、Shepardの外見や前作の選択が反映されました。ゲーム面でも、軽めのターン制に近い半戦術的な戦闘から、純粋な三人称視点のカバーシューターへと進化しつつ、RPG要素は損なわれなかったとしています。

3作目は結末への反発が大きく、BioWareが発売後のパッチで改善を試みたほどでした。しかし同氏は、それ以外の部分の出来が忘れられがちだと指摘します。ここまで共にした仲間(殺害や犠牲にしなかった場合)に別れを告げる時間が十分に用意され、戦闘も2作目からさらに磨かれ、世界水準の三人称シューターになっていたというのが同氏の見方です。

結末への評価はともかく、BioWareは5年かけて合計100時間を超える三部作の宇宙オペラを完成させ、約束を果たしたと同氏は述べています。キャラクターの描写が優れていたこともあり、プレイヤーは彼らと深い絆を築けたとしています。同氏はこれを大胆な実験であり、以降に再現も試みもされていないと考えています。

その後の作品と、同氏の結論

同氏は、三部作がおそらくあらゆる面でBioWareの頂点だったと見ています。それでもスタジオは活動を続けました。新規IPのDragon Ageは15年ほどの間に4本のRPGが発売され、3作目の2014年のDragon Age InquisitionはIGNのGame of the Yearに選ばれています。当時注目されていたライブサービス分野にストーリーテリングの力を持ち込もうとしたAnthemは、大胆な試みでしたが成功しませんでした。2017年にBioWare Montrealが手がけたMass Effect Andromedaは期待外れでしたが、2021年には三部作の優れたリマスターが発売されました。2008年にはSegaと組み、Sonic Chronicles: The Dark Brotherhoodというソニックが主役の本格RPGも作っています。

同氏はスタジオの31年の歴史に関わったファンと従業員にとって悲しい日だとしつつ、数々の思い出に残る体験への感謝が残ると述べています。CD Projekt Red、Larian、Bethesda Game Studiosに敬意を払ったうえで、「これほど長い期間にわたって優れたRPG開発会社はなかった」と結論づけ、BioWareは忘れられないだろうと締めくくっています。