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Eurogamer筆者、EAによるBioWare閉鎖を受け「ふさわしい結末ではなかった」と惜別の論評

2026年10月23日 | #その他 | Eurogamer

Eurogamer筆者、EAによるBioWare閉鎖を受け「ふさわしい結末ではなかった」と惜別の論評

Eurogamerの筆者が、EAによるBioWare閉鎖を受けて惜別の論評を発表しました。EAはサウジアラビア資本と民間投資による新体制のもとでBioWareの居場所はないと判断し、『Mass Effect』の新作となるMass Effect 5も中止されたとのことです。筆者は、31年にわたりRPGの普及に貢献したスタジオの終わりについて、衝撃ではあるが意外ではなかったと述べています。

閉鎖は「衝撃だが驚きではない」

筆者によると、BioWareの命運はDragon Age: The Veilguardが振るわなかった時点で尽きかけていました。ただ、スタジオが揺らぎ始めたのはそれ以前だといいます。2017年のMass Effect: Andromedaと2019年のAnthemという2つの打撃で大きく傷つき、Anthemが成功していたとしても、BioWareは元の姿には戻れなかっただろうと筆者は見ています。

業界に残した影響

筆者はまず初期のBaldur's Gateシリーズを挙げています。同シリーズはBaldur's Gate 3の土台となっただけでなく、PC向けRPG全体の成功にも関わったとされます。BioWareが作ったInfinity Engineは当時のRPGを特徴づけるもので、Black IsleはこれをIcewind DaleやPlanescape: Tormentに使いました。Disco Elysiumの系譜もPlanescape: Tormentにさかのぼれるといいます。Fallout: New Vegasを手がけたObsidian EntertainmentもBlack Isleから生まれました。CD Projekt Redが初期に最初に販売を手がけたのもBaldur's Gateでした。

その後のNeverwinter Nightsは、D&Dの冒険を遊べるだけでなく、自作キャンペーンを作るツールも備えていました。プレイヤーが敵を出現させて案内役を務めるDungeon Master機能もあり、筆者は時代の先を行っていたと評価しています。Larianも同様の試みをDivinity: Original Sin 2で行いましたが、他に例は多くありません。

コンソール向けでは、Star Wars: Knights of the Old RepublicがObsidianに続編制作の重要な仕事をもたらしました。Jade Empireは大きな影響を残さなかったものの、BioWareはE3でCD Projekt Redに無料でブース用の場所を提供し、Neverwinter NightsのAuroraエンジン上に作られた『The Witcher』を披露させています。CD Projekt Redの共同CEOは、BioWareの閉鎖を受けて「BioWareはCDPRの歴史の大きな一部だった」という趣旨のコメントを出しました。ただし、原文ではこの発言の一部が欠けており、詳しい内容は確認できません。

そしてBioWareを最も有名にしたのがMass Effectです。パーティ制の冒険、感情に訴える物語、恋愛可能な仲間という、BioWareが磨いてきた型を主流のコンソール層に広めたと筆者は述べます。Mass Effect 2は今も影響力が大きく、Citizen Sleeperシリーズの作者であるGareth Damian Martin氏も好きなゲームに挙げているそうです。

Dragon Ageについては、筆者が最も親近感を持つシリーズだと明かしています。Dragon Age: Originsはロマンあふれるデビュー作でBaldur's Gateを思わせ、Dragon Age 2は拙速にコンソール層を狙った作品、Dragon Age: Inquisitionは世代交代の狭間でオープンワールド志向により肥大化した作品だと整理しています。シリーズの歩みにはむらがあったと認めつつ、愛着を込めて語っています。

さらに筆者は、BioWareがSonic RPGも作ったことや、大規模MMOのStar Wars: The Old Republicがあったために『Knights of the Old Republic』の単独プレイ続編が出なかったことにも触れています。

BioWareがいなければ存在しなかったかもしれない作品

筆者は、BioWareがなければThe Witcherシリーズがあったか、Larianが今のような成功を収められたかと問いかけます。ExodusやThe Expanse: Osiris RebornもMass Effectを手本にしている面があり、Exodusには元BioWareの重要人物も参加しています。Casey Hudson氏の新作Star Wars: Fate of the Old Republicも、Knights of the Old Republicの精神的後継作です。

RPGの恋愛要素、仲間を重視したパーティ型の冒険、善悪の影響、選択と結果の積み重ね、映画的な会話場面、セーブデータの引き継ぎなども、BioWareがなければ今ほど広まっていたかは分からないとしています。BioWareだけが手がけていたわけではなく、いずれ同じ形になった可能性も認めていますが、RPGの代名詞となる型を築いたのはBioWareだったという見方です。

厳しい批判の背景にあった愛着

筆者は、新作の発表や発売のたびにBioWareが受けた厳しい視線を、ときに不当だったと感じてきたといいます。それでも、その理由は理解できるとしています。Mass Effect: Andromedaへの反発は3部作への愛着と期待ゆえで、Dragon Ageシリーズへの反発も、文化戦争を煽る話題を除けば、作品ごとに姿を変えてCRPGではなくなったことが一因だと分析します。Anthemへの反発も、人々がDestiny風のゲームではなく「BioWareのゲーム」を求めていたからだとしています。

EAの意向に振り回された歴史

筆者は、EAの思惑や流行の追随にBioWareが翻弄されてきた点を見ています。EAがWorld of Warcraftに対抗するタイトルを望まなければ、SWTORのような巨額のMMOに乗り出したか。EAがDestinyに対抗するゲームを求めなければ、Anthemに全力を注いだか。Anthemには一貫したビジョンがなかったようだが、飛行の派手さが経営陣を引きつけたと述べています。Dragon Age 4についても、「Morrison」と呼ばれた当初案をEAがライブサービス型へと方針転換しなければどうなっていたか、と問います。この転換は、長年Dragon Ageのクリエイティブディレクターを務めたMike Laidlaw氏の退社につながりました。

共同創業者のGreg Zeschuk氏とRay Muzyka氏が残っていればEA経営陣に対抗できたかについては、筆者は、EAの存在が2人が去った理由の一部だったのではないかと推測しています。いずれも「もしも」の話にすぎず、今の状況は変わらないと筆者は述べます。そのうえで、これはBioWareにふさわしい結末ではなかったとし、閉鎖で直接影響を受けた人々に思いを寄せています。

物語のスタジオの終わりを祝福する

最後に筆者は、この記事を読んでいる読者にとってBioWareが何かしら意味を持っているはずだと呼びかけます。どこかでBioWareのゲームに心を動かされ、気にかけるようになったからこそ、今ここにいるのだという見方です。BioWareは人間らしさを映し出し、人々に関心を持たせることができる数少ないスタジオだったと評しています。物語のスタジオであったBioWareの歩みそのものも祝福に値すると筆者は述べ、その終わりを悲しみつつ締めくくっています。