桜井政博氏、生成AIでオリジナリティに乏しいゲームが急増すると予想も「人間の創造性は再現できない」と語る
2026年10月23日 | #その他 | Eurogamer
『スマッシュブラザーズ』シリーズのディレクターとして知られる桜井政博氏が、ゲーム開発における生成AIの問題点について語りました。氏は、生成AIの普及によって独創性に乏しいゲームが増えるとの見方を示す一方、『ICO』の上田文人氏のようなデザイナーが持つ創造性は再現できないと述べています。
ゲームの本数増加とAIの影響
発言は、日本のメディア「電ファミニコゲーマー」のインタビューで語られたものです。桜井氏は最近までゲームデザイナーズ大賞の審査員を務めており(現在は退任)、同賞が始まって以降のゲーム発売数の大幅な増加について質問されました。Steamで発売されたゲームは2010年には275本でしたが、今年は1万9000本を超えています。
桜井氏は、1万9000本という数字は驚異的だとしたうえで、今後さらに増えるとの見通しを示しました。理由はAIによって本数が増えるからだといいます。ただし、その大半は「儲からないタイトル」になるだろうとし、数が多すぎて把握しきれないとも述べています(Google翻訳による日本語からの英訳をもとにした内容です)。
AIで作られたものや粗製乱造されたものについては、他の様々なゲームで見られる仕組みの再現にとどまるものがほとんどだろうと指摘しました。すでにそうした作品は多いとも考えているようです。
AIが再現しやすいゲームの例
桜井氏は、本棚の本を整理するパズルゲームの最近のリリース作品に触れました。さらに、干し草の山から針を探すゲームやスーパーマーケットの陳列を整理するゲームなど、シンプルな前提のパズルゲームを挙げ、こうしたゲームはAIにとって再現しやすいだろうと示唆しています。
実際に似たことはすでに起きています。500万本の干し草の中から1本の針を探す『Needle in a Haystack』は、突飛ながら引きの強い設定で話題になりました。人気が出た直後に複製作品が相次いだため、開発元のStudio Bitdotは、Steamのアートワークに赤い「original」の表示を入れる対応をとっています。
上田文人氏の例と人間の創造性
桜井氏は、生成AIがさらに高性能になれば、上田氏の『ICO』や『ワンダと巨像』のような、より複雑なゲームも再現できるようになるかもしれないと述べました。しかし、上田氏の今後の作品は「AIには決して再現できないもの」になると強調しています。今後の作品がどのような芸術的スタイルを持つかは上田氏にしか作れず、そこに人間の創造性があるという考えです。
桜井氏は、AIはこれまでに作られたものを参照するが、まだ作られていないものは参照できないと説明しました。これはAIに限らず、様々な創作物に当てはまることだとも述べています。
また、「開拓者」とまでは言わないものの、自分の道を切り開く人や、自分ならではの味を理解して生み出せる人が今後ますます重要になると語りました。大量生産や低品質な製品があふれる時代では、特にそうだとしています。
増えるAI製ゲームと業界の動き
原文を掲載したEurogamerによると、短期間で作られたAI製ゲームは、ゲーム業界で存在感を増しています。Valveが現在開催しているSteam Next Festでは、デモの数が昨年の2倍以上になっており、その一因は「AIスロップ」と呼ばれる低品質なコンテンツの流入にあるとされています。一部のインディー開発者は、正式発売前にAIにコピーされることを恐れ、予定していたデモやプレイテストを取りやめたということです。