『Gunner, HEAT, PC!』開発元Radian Simulations、生成AI制作物を全公式コミュニティで禁止すると発表
2026年10月26日 | #その他 | DualShockers
戦車戦シミュレーター『Gunner, HEAT, PC!』(GHPC)の開発チームRadian Teamが、公式サブレディットを含む同チームが運営するすべてのフォーラムで、生成AIを使ったコンテンツを全面的に禁止すると表明しました。生成AIによるMod(改造データ)なども対象で、インディーゲームの領域で生成AIをめぐる問題が相次ぐなかでの動きです。
生成AI由来のコンテンツを例外なく禁止
GHPCは、1980年代後半に冷戦が熱い戦争へ発展した世界を舞台にした現代戦車戦シミュレーターです。現在はアーリーアクセスで、正確な物理や戦闘の再現と、特別な周辺機器がなくても遊べる手軽さの両立を目指しています。『War Thunder』や『World of Tanks』のようなカジュアルな戦車ゲームと、『Steel Beasts』のような本格的なシミュレーターの中間に位置するタイトルとされています。
今回の禁止措置は、公式Discordサーバーで既に適用されていた生成AI禁止ルールに続くものです。今後はRadian Teamが公式に管理するすべてのフォーラムで運用されます。
開発チームは声明で、この全面禁止は「Radian Teamの価値観に沿ったもの」であり、「このコミュニティでのやり取りの健全性を守る」ためだと説明しています。対象は「全体または一部が生成AIによって作られた」あらゆる素材で、テキストの要約、画像の編集、「アート」、アニメーションクリップ、動画のサムネイル、GHPCをもとにしたMod などが例外なく含まれます。Radian Teamは、生成AIの出力は「私たちの世界に居場所はなく、敬意も持たない」としています。
歴史的・物理的な正確さにこだわる開発チームが、AIにもっともらしい戦車の情報を作らせることに否定的なのは意外ではないと、原文筆者は述べています。また、今回の動きは、インディーゲームの場を生成AIから守ろうとする広い流れの一環だとも指摘しています。
インディーゲームで相次ぐ生成AI絡みの問題
原文によると、この1週間のインディーゲーム界は、生成AIと、その使いどころをわきまえない人々によって混乱しました。なかでもデモ版をめぐる2件の出来事が特に懸念されています。
1件目はSteam Next Festです。小規模チームや個人開発者による作品が中心だったこの体験版の祭典で、2026年10月開催分は、生成AIで作られたゲームが多数を占める初の回になったと原文は伝えています。Eurogamerの報道として、日本時間ではなく米東部時間の明日13時まで開催される今回は、6月の前回の2倍のゲームが参加しており、生成AIツールが大きく寄与した可能性が高いとされます。生成AIへの賛否や無関心は個人の問題だとしつつ、AIの利用を明示せず、Steamの透明性ルールに違反しているゲームも多いと原文は述べています。
さらに、きちんと開示されている場合でも、生成AIに大きく頼った、創造性に乏しい作品が大量に流入することで、才能ある小規模開発者の作品が低品質作や模倣作に埋もれる問題が悪化していると、原文筆者は見ています。Mod分野でも同様に、いわゆるバイブコーディングで作られた簡易的なModが、手間をかけて作られたModパックの周知を難しくしており、GHPCはこの問題を禁止方針で解決したい考えです。
2件目は、デモ版の公開中止です。多くの開発者が、ゲームの着想を模倣した作品が生成AIで先に発売されることを懸念し、公開デモの配信を取りやめています。『Drunken Goddess Reflux』の開発者もその1人で、「デモの内容は、AIなどのツールで表現やゲームプレイをすばやく模倣・複製するために使われかねない」と述べています。
原文筆者は、ゲーム開発や技術の今後は予測しにくいとしたうえで、GHPCが質の高いModをプレイヤーに届けようとしている点を評価しています。
『Gunner, HEAT, PC!』は現在、PC向けにSteamでアーリーアクセス配信中です。