日本発TRPG『Sword World RPG』の英語版クラウドファンディングが開始1日で200万ドル超を集める
日本で最も人気のあるファンタジーTRPG『Sword World RPG』の初の公式英語版が、10月20日にBackerKitでクラウドファンディングを開始しました。日本のテーブルトークゲームのローカライズを専門とするMugen Gamingが手がけており、最初の24時間で200万ドルを超える支援を集めています。記事執筆時点では、支援総額は270万ドルを超えています。
英語版『Sword World 2.5』が実現するまで
『Sword World RPG』は、「ロードス島戦記」シリーズの生みの親であるグループSNEによるTRPGです。1980年代後半、のちにグループSNEとして知られるデザイナーたちは、D&Dが日本に上陸した後にプレイを始めました。冒険の記録を雑誌で紹介し、現在の「アクチュアルプレイ」の原型を作ったとされています。当時のD&Dの発行元であるTSRにやめるよう求められたため、自分たちのゲームを作ったそうです。『Sword World RPG』はヒットし、日本ではD&Dの存在感をほとんど薄れさせるほどでしたが、公式の英語版はこれまで出ていませんでした。
Mugen Gamingは2025年に英語版のローカライズ計画を発表しています。創設者のShawn Davisonさんと、Ai Naminm-Davisonさんは、Polygonの取材に対し、きっかけはドイツのエッセンで開かれた世界最大級のテーブルゲーム見本市SPIELの際に、駅のホームでグループSNEの関係者と偶然出会ったことだったと語りました。このゲームの権利はグループSNEとKadokawaに分かれており、ライセンス上の問題がこれまで英語版の障害になっていたといいます。
Mugen Gamingは1年余りの間に、Discordサーバーを通じて熱心なコミュニティを築いてきました。10月20日にBackerKitのキャンペーンが始まると、ファンが支援に駆けつけた形です。
日本のクリエイターと進める制作
今回のキャンペーンでは、『Sword World』2.5のコアルールについて、初の公式な完全ローカライズ、デザイン、印刷の費用をまかないます。Mugen Gamingは日本のクリエイターと密に連携し、長年のファンの期待に応えつつ、新たな層にも届く製品を目指しています。グループSNEが監修するほか、アートディレクターには、『俺だけレベルアップな件』や『ソードアート・オンライン』などで知られるアニメ監督の中重俊祐さんが参加します。
グループSNE代表の安田均さんはPolygonの独占インタビューで、日本での成功の理由を次のように説明しました。「手頃な価格で始めやすく、物語性が強く、絵柄も日本の観客にとって自然で、西洋と日本の要素を融合した新しいスタイルのファンタジーを生み出す助けになりました」。
安田さんは、より広い層にも同じ成功を収めてほしいと期待しています。その理由は、西洋ファンタジーとアニメ風のビジュアルの組み合わせだけではないといいます。「システム面では、マルチクラスの仕組みが高い自由度を与えつつ、パーティーでの協力や多彩なキャラクター作りも支えています。戦闘だけでなく、作れる物語や展開の幅という点でも多様性につながります」と語っています。
『Sword World』は、D&Dのプレイヤーにはなじみの薄い2d6のダイスシステムを採用しています。一方で、『クロノ・トリガー』やファイナルファンタジーのような日本式RPGのファンなら、これらの作品が『Sword World』やロードス島戦記から取り入れた要素を数多く見つけられるとのことです。
支援期間と内容、出荷時期
BackerKitのキャンペーンは11月20日に終了します。中心となる製品は、コアルールブック、ゲームマスターズガイド、モンスターマニュアルです。より高額な支援コースには、ダイス、キャラクターシート、バトルマット、カード、サイン入り書籍などが含まれます。製品の出荷は2027年12月までを予定しています。