発売5年を迎えた『Marvel's Guardians of the Galaxy』、高評価ながらSquare Enixの期待には届かなかったとPolygonは振り返る
Polygonは、2021年10月26日に発売された『Marvel's Guardians of the Galaxy』が発売から5年を迎えたことを受け、同作を振り返る記事を掲載しました。記事の筆者は、キャラクター描写と戦闘を高く評価する一方、同作が発売元のSquare Enixの期待には届かなかった点にも触れています。
前作の不振が影を落とした一作
映画では、アベンジャーズを扱った4作品の世界興行収入が合計で約80億ドルに達しています。しかしゲームでは同じ成功を収められていません。2020年にCrystal Dynamicsが手がけた『Marvel's Avengers』は、批評家とプレイヤーの双方から反応が芳しくありませんでした。記事によると、キャラクターの描写は的確だったものの、戦闘は不要なライブサービス要素を軸にした単調な作業になっていたといいます。
『Marvel's Avengers』は、MarvelとSquare Enixの協業から生まれた最初のゲームでした。記事は、この作品の不振という暗い影が、Square Enixの次のMarvel作品である『Marvel's Guardians of the Galaxy』にも付きまとったと述べています。同作は誰の予想よりも出来が良かったものの、Square Enixから見れば期待外れの結果に終わりました。
キャラクター描写と戦闘への評価
『Marvel's Guardians of the Galaxy』は、マーベル・シネマティック・ユニバースで知られるはぐれ者たちを新たな視点で描いた作品です。ピーター・クイル(スター・ロード)、ガモーラ、ロケット、グルート、ドラックスといったおなじみの面々に加え、これまで映像化されていなかったコミック由来のキャラクター、レディ・ヘルベンダーも登場します。宇宙規模の危機を描く物語と、クイルら個人に迫る描写を巧みに両立させていると記事は評価しています。
クリス・プラットが演じる映画版のスター・ロードは、子どもを持てるほど成熟することはなさそうだと記事は書いています。一方、ゲーム版のクイルは、かつて交際していたノヴァ軍団の元恋人の十代の娘ニッキーが、自分の子ではないかと思い悩みます。その元恋人であるケンタウリオンのコー=レルとの間には、「ぎりぎりの生活をしている傭兵が、本当に父親なのか」という緊張感が漂い、優しい場面も生まれるそうです。
ガモーラやロケットら、ほかのガーディアンズの描写も優れているといいます。その一部は、プレイヤーがクイルとして選ぶ行動や会話によって生まれます。筆者は特に、ロケットが「怪物」と呼ばれ、レディ・ヘルベンダーのコレクションとして差し出されそうになる場面を気に入っているとのことです。記事は、キャラクターを生き生きと描いている点が本作最大の長所だとしています。これはガーディアンズ以外のキャラクターにも当てはまり、アダム・ウォーロックは頭韻を多用したセリフで独特の存在感を放っているそうです。
戦闘についても、クイルが仲間に指示を出す『Mass Effect』風のシステムを高く評価しています。各メンバーが固有の能力を持ち、それらを連携させることが攻略の鍵になります。特に印象的なのは、クイルが仲間を集めて気合を入れる場面です。続いて80年代の名曲が流れ、ガーディアンズが敵を蹴散らします。ゲームには、1980年代風のオリジナルサウンドトラックも収録されており、予想以上の出来だと記事は述べています。
売上は期待に届かず
記事の筆者は、本作が優れたゲームでありながら大きな話題にはならなかったと述べています。筆者自身も発売前は様子見の気持ちで、『Mass Effect』と比較するプレビュー記事を読むまで購入を決めかねていたそうです。現在では、脚本の強さを主な理由に、今世代で特に好きなゲームの1本に挙げています。
Square Enixの松田洋祐社長は、発売の数か月後に「高い評価を得たにもかかわらず、発売時の販売本数は当初の想定を下回りました」と述べています。2022年11月までにプレイヤー数は800万人を超えましたが、そのうち購入者がどれだけで、Xbox Game PassやPlayStation Plusで短時間でも遊んだ人がどれだけいるのかは明らかになっていません。
開発元のその後
開発元のEidos-Montréalは2022年夏にEmbracer Groupへ売却されました。その後は複数回のレイオフを経験し、『Marvel's Guardians of the Galaxy』以降、単独でゲームを開発していないと記事は伝えています。現在は、来年発売予定のPlayground Games開発『Fable』を支援し、Obsidian Entertainmentと『Grounded 2』を共同開発しています。
記事は、Insomniacの『Spider-Man』シリーズのように、他のスーパーヒーローゲームほどプレイヤーに受け入れられなかったことを残念だとしています。優れたキャラクター描写と楽しいアクションを備えた本作は、最良の作品と並べて語られるべきだというのが筆者の見方です。