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AI生成のゲーム攻略Wikiが誤情報を拡散、Hooded Horse CEOとIndependent Game Wiki Network関係者が検索結果への影響を指摘

2026年10月27日 | #その他 | Eurogamer

AI生成のゲーム攻略Wikiが誤情報を拡散、Hooded Horse CEOとIndependent Game Wiki Network関係者が検索結果への影響を指摘

Eurogamerの記者が『Nighthawks』のコンパニオンについて調べた際、検索結果の最上位に表示された「Nighthawks Wiki」が、生成AIで作られたとみられる誤情報だらけのサイトだったと報じられています。パブリッシャーHooded HorseのCEOであるTim Bender氏や、Independent Game Wiki Networkの一員FlamingMojo氏は、こうしたサイトが正規のファンWikiを検索結果から押しのけ、プレイヤーを混乱させていると訴えています。

「Wiki」を名乗りながら誰も編集できないサイト

記者が見つけた「Nighthawks Wiki」は、実際にはWikiではありませんでした。誰でも編集できる仕組みではなく、「訂正」はメールで受け付けるだけだったといいます。内容にも、存在しないコンパニオンやスキルが載っていたほか、同名の1981年の映画やエドワード・ホッパーの絵画に関する無関係な情報が混ざり、ページの内容と関係のない場合でも「出典」として挙げられていました。

記者は、生成AIの特徴とされるものは見分けにくく、人間の書き手の癖がAIのせいにされることも多いとして、AI使用を断定することには慎重な姿勢を示しています。ただ、でたらめな情報の多さから調べたところ、このドメインはAIのウェブサイト作成機能も提供するサービス「Spaceship」に結びついていました。「Wiki」に記載されたアドレスへコメントを求めるメールを送ったものの、届かず返ってきたとのことです。

同様のサイトはほかにも多数見つかりました。実際に編集できるWikiもあれば、名前だけのものもあり、多くは大規模なプレイヤーコミュニティを持たないインディーゲームを狙っていたそうです。助けを探す人が、活発なコミュニティに行き当たらない種類のゲームです。

正規Wikiが押し出され、プレイヤーが混乱

Hooded Horseは、一般的なパブリッシャーと違い、自社タイトルのWikiをファンと協力して作っています。Bender氏によると、最近は検索結果を奪い合う、不正確なAI生成サイトへの対応に追われ、「もぐらたたき」のような状態だといいます。『Corsair Cove』に関するサイトの一つは、GameDBというサイトが運営する20本以上のゲームを扱う集合体の一部でした。Bender氏は、生成AIによって商業目的の運営者が大量にサイトを作り、ゲームの検索結果を埋めてトラフィックを吸い上げられるようになったと述べています。GameDBに公開の連絡先メールで取材を試みたところ、「リモートサーバーの設定が正しくない」というエラーになったとのことです。

Bender氏は、Wikiを公開する目的は、プレイヤーが助けを探したときに役立つサイトにたどり着けるようにすることだと話します。実際には、こうしたサイトに迷い込んで混乱し、何が起きているのかと尋ねてくるプレイヤーの声が絶えないといいます。

こうした生成AI製Wikiの中には、100人対戦FPS『Wardogs』のものもあります。Independent Game Wiki NetworkのFlamingMojo氏は、9月の発売から数日の間に、少なくとも5件のサイトが現れたのを確認しました。氏は、プレイヤーが誤った情報をつかまされ、しかもこちらが該当ページをまだ作成・更新できていないために、Wikiそのものから離れてしまうと述べ、「私たちの評判を傷つけている」と語っています。

以前から揺れていたファンWikiの世界

記事によると、ファンWikiはもともと、ゲーム文化の中でも議論の多い分野です。Fandomのようなホスティングサイトが市場を占めており、Fandom自身も導入したAI機能が不正確さと不評のために撤回されました。ホスティングサイトを離れるグループも多い一方、独立したWikiは、大手プラットフォームとの競争で検索順位が上がりにくいという問題を抱えています。

どちらの形でも、ファンがWikiで収入を得ることはほとんどありません。広告収益を大手に譲るか、自費でホスティング費用を負担するかのどちらかで、広告や寄付で賄えることはまれです。FlamingMojo氏は『Dune: Awakening』のコミュニティWikiの費用を自腹で負担し、広告も掲載していません。

Bender氏は、収益性の低さがかえって生成AI製サイトの増加につながると見ています。広告収益は少なくても多少は入り、参入障壁がきわめて低いので、大量に作って検索結果を埋めればよい、という発想になるといいます。また、広告収益以外の狙いがある可能性にも触れ、「どんなデータを集めているか分からないものもある」と述べました。記者が確認した少なくとも1件では、生成AI製のサイトが有料サブスクリプション付きの追加ソフトのダウンロードに誘導していました。そのソフトはオンラインでの評価が低く、サイトを開くと記者のマルウェア対策ソフトが「安全でない可能性がある」と警告したそうです。取材を試みたサイトのうち、返答があったものはありませんでした。

なお、編集注として、Eurogamerの編集者が問題の「Nighthawks Wiki」にアクセスしようとしたところ、何度もスパムのURLにリダイレクトされたものの、筆者は再現できなかったとされています。

AIクローラーによる負荷とコスト増

独立系Wikiは、生成AI用のスクレイパーによる大量アクセスという負担も抱えています。『Dune: Awakening』のコミュニティWikiの公開データでは、30日間にAIクローラーから700万件のリクエストがあり、そのうち500万件はMetaによるものでした。FlamingMojo氏は、他のスクレイパーであれば、全リンクを総当たりせず実在のページへ誘導するファイルで抑えられるものの、Metaは「妥当なレート制限を一切気にせず、全ページを毎秒何度も叩いてくる」と話しています。こうしたアクセスの急増は、想定していない管理者や処理能力の乏しい小規模Wikiに特に重い打撃を与えます。

FlamingMojo氏は「独立系のゲームWikiは難しい立場にある」と述べています。企業サイトと生成AIの両方との検索順位をめぐる競争に加え、生成AIの影響でサーバー費用が3倍から10倍に増えたといいます。ボランティアを集めて情報を更新し続ける体制づくりも簡単ではありませんが、『Dune: Awakening』のコミュニティWikiは、開発元と提携してゲーム内報酬を出し、貢献をゲーム化することで成果を上げているそうです。

解決の糸口はコミュニティ

Bender氏は、この問題は生成AIが情報の入手しやすさに与える、より大きな影響の一例だと指摘します。悪意ある者が簡単に情報を氾濫させ、時間をかけて作られた良質な情報を押し出せるようになったといい、自身が感じる苛立ちよりも、ジャーナリストはその千倍も感じているだろうと語りました。

一方でFlamingMojo氏は、ファンWikiの文化が、より大きな問題の解決の一端を担う可能性にも言及しています。同氏は「AIによる汚染を乗り越える方法はコミュニティです。多くの人が少しずつ力を出し合い、共有の持ち物だという意識を持つことです」と述べています。