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『Ecstatica』を再訪、ellipsoid技術で生まれた30年前のサバイバルホラーは卑猥さの陰に先駆的な追跡要素を持っていた

2026年10月28日 | #ゲーム紹介 | Eurogamer

『Ecstatica』を再訪、ellipsoid技術で生まれた30年前のサバイバルホラーは卑猥さの陰に先駆的な追跡要素を持っていた

1994年に発売された『Ecstatica』を、リマスター版で改めて遊んだ記事です。筆者は発売当時にもプレイしており、卑猥な造形ばかりが記憶に残っていたと明かしています。しかし再訪してみると、サバイバルホラーの先駆けとして興味深い作品だったと振り返っています。

ellipsoidで作られた、独特な見た目の中世の村

『Ecstatica』はAndrew Spencer Studiosが開発し、現在は存在しないPsygnosisが販売した作品です。水を求めて立ち寄った中世の村Tirihが悪魔の呪いに巻き込まれており、成り行きでその運命に関わることになる旅人が主人公です。『Alone in the Dark』の影響を強く受け、固定カメラで冒険が進みます。『バイオハザード』より1年早い登場でもあります。

最大の特徴は、プリレンダリングの背景とキャラクターをellipsoid(楕円体)で構築している点です。当時のポリゴンによる角張った表現と比べ、柔らかく有機的な質感になっています。鮮やかで丸みを帯びた見た目は、今でも他に似たものがないと筆者は述べています。

この技術を前に、開発側が下ネタへ走ったのは必然だったのかもしれない、というのが筆者の見方です。冒頭のムービーで馬から降りるタイツ姿の主人公は、前も後ろも隠すところがありません。女性主人公を選んでも、同様に豊満な表現が用意されています。その後も大きな胸の子鹿や、誇らしげな筋肉男などが登場します。筆者は、記憶していたほど頻繁ではなかったとも付け加えています。

おとぎ話のような笑いと不穏さの同居

再プレイして筆者が改めて評価したのは、独特の雰囲気です。下品なおとぎ話のように、ドタバタの笑いと不気味な空気が混ざり合っています。主人公は茂みで突然用を足し、カエルにされれば近所の豊満な女性にキスを求めます。台詞は少ないものの声の演技は英国らしい愛嬌にあふれ、一方で村では悪魔による破壊や凄惨な殺害、磔といった出来事が起きています。筆者は、この綱渡りのようなトーンが不思議とうまく機能していると評しています。

映像面も健在で、白昼の恐怖が鮮やかな色彩で描かれ、動きも生き生きとしています。画面ごとに角度のついた場面を進みながら、進行に必要なアイテムを探します。たとえば首を吊った司祭が落とした聖書は、修道院の門前で読み上げるために使います。罠だらけの地下牢を進むには、空飛ぶ箒が必要です。エール酒を飲む熊、小さな三叉槍を持ち常に不機嫌な小悪魔、怒れるミノタウロスなども登場します。岩につまずいて顔から転んだり、低い天井に頭をぶつけたりもします。鎧を着ると、笑ってしまうほど動きが遅くなります。意地悪な気分なら、司祭を鐘楼から蹴り落とすこともできます。

現代のストーカー型敵の先駆けとなる人狼

一般的なサバイバルホラーとは違いますが、大きな切り札があります。繰り返し現れ、プレイヤーを追ってくる敵です。なかでも倒せない人狼は、『バイオハザード』のMr. Xのような、現代ホラーで人気のストーカー型敵の先駆けだと筆者は位置づけています。カメラが切り替わった先の物陰からのぞいていたり、屋根から不意打ちしてきたり、殺戮を邪魔されると突然追ってきたりします。

追われると執拗で、振り切る方法は、十分なダメージを与えて一瞬ひるませるか、戸棚に隠れてやり過ごすかのどちらかです。簡易的ながらステルス要素もあります。操作の扱いにくい戦闘やタンクコントロールもあり、今の基準では初歩的ですが、緊張感は生まれていると筆者は述べています。『Clock Tower』など、より知られた3Dのストーカー型ホラーが登場する前の作品である点にも触れ、「ちんこゲーム」としか記憶していなかった作品にこうした先駆性があることに驚いたと語っています。

現代のプレイヤーには勧めにくい部分も

筆者は、古い時代特有の粗さがあるため、現代のプレイヤーに気軽には勧められないとも認めています。戦闘は思うように動かず、前触れなく死ぬ場面もあります(ただし、かなり笑えるとのことです)。持ち物は両手で持てない分をその場の床に置く仕組みで、置いた場所を覚えておかなければなりません。背の高い草むらや、固定カメラの画面外のすぐ外に置いてしまうと、見つけられなくなります。

それでも、GOG出身者が設立し埋もれた名作の復活を手がけるパブリッシャーSNEGによるリマスターは、悪くない出来だといいます。カルト的な珍品として楽しむには良い選択肢だという評価です。

筆者は、先駆的なサバイバルホラーの精神とellipsoid、ドタバタ喜劇への愛、そして臆面もない下ネタを備えた『Ecstatica』を、「珍品」と呼ぶのがふさわしいと結んでいます。SNEGはハロウィンに合わせて本作と続編を再リリースしており、筆者は1997年の続編『Ecstatica 2』を初めて遊ぶのを楽しみにしています。知っているのは、主人公が最初から目立つ股間を持っているわけではないということだけで、前作より下ネタが出てくるまでに時間がかかりそうだと冗談めかしています。