BioWareの閉鎖を受け、同社がゲームにもたらした10の変化を筆者が振り返る
2026年10月28日 | #ゲーム紹介 | DualShockers
30年の歴史に幕を下ろすBioWareの閉鎖が正式に伝えられました。筆者にとってこの知らせは、多くの人と同じく打ちのめされるものだったといいます。『Mass Effect』の新作が発売までたどり着くとは思っていなかったものの、だからといって衝撃が和らぐわけではなかったそうです。筆者が初めて遊んだRPGは Star Wars: Knights of the Old Republic で、ゲームにできることの広さを教わり、ゲームライターを志すきっかけにもなりました。長年の夢はBioWareのライターになることでしたが、その会社はもうありません。
BioWareは完璧なスタジオではありませんでした。それでも筆者は、閉鎖にあたって同社が業界とファンにもたらした良い影響に目を向けたいとしています。BioWareは多くの人にとってさまざまな意味を持ち、孤独なときの慰めとなり、進むべき道も示してくれました。技術面でも、現在のゲームの多くはBioWareが切り開いた道の先にあるといいます。ここでは、同社がゲームを変えた10の点を、10位から順に紹介します。
10位 ロマンスをゲームに根付かせた
現在は、ロマンス要素を持つRPGが珍しくありません。しかしBioWare以前のRPGでは、ロマンスはほとんど扱われず、まったく入っていない作品が大半でした。Baldur's Gate 2、そして何より Mass Effect と Dragon Age が、複数の相手から選べる形でロマンスを大きな要素に押し上げました。
筆者は、BioWareのロマンスの質は今でもゲーム界で屈指であり、とくに Dragon Age が優れていると評価しています。キャラクターを中心にした小さな物語を通じて、仲間の新たな一面を見せ、深みや繊細さを加えているためです。今ではロマンスは多くのプレイヤーが期待する要素となり、魅力的な物語を語る機会にもなっています。
9位 多様性と包摂性を広げた
クィアのキャラクターの登場は、いまだに一部で議論を呼びますが、全体としてはコミュニティに受け入れられています。筆者によると、これは自然に起きたことではありません。LGBTのロマンスやクィアのキャラクターを最初に取り入れた開発元がBioWareであり、Star Wars: Knights of the Old Republic のJuhaniを皮切りに、Mass Effect や Dragon Age にも続いたとされています。
筆者は、自分のような人々がゲームに登場するのを見た経験が、人格形成に大きな影響を与えたと語ります。BioWareは大きなリスクを負ってこうしたキャラクターやロマンスを入れ、反発を受けても支持者の側に立ち続けました。その意義は計り知れず、BioWareが立場を示さなければ、ゲームは今のような場にならなかったはずだと述べています。
8位 会話ホイールを導入した
筆者は、主人公を含めて全編にボイスが付いたゲームは Mass Effect から始まったとしています。その実現には現実的な壁がありました。プレイヤーには選択肢が必要ですが、ゲームに収録できるセリフの量には限りがあります。前例のない課題に、BioWareは取り組む必要がありました。
答えとなったのが会話ホイールです。数十もの選択肢になり得る内容を、話す内容を要約したテキストで示す仕組みです。Mass Effect、Dragon Age、SWTORで細かな違いはあるものの、基本的な仕組みは共通しています。欠点はあるものの、すっきりと洗練された解決策であり、ボイス付き主人公のための仕組みとして今でも最良の部類だと筆者は評価しています。
7位 ボイス付き主人公を主流にした
ボイス付きのゲーム自体は1980年代からありましたが、とくにRPGでは声を出さない主人公のほうがはるかに一般的でした。無口な主人公にも利点は多いと筆者は認めつつ、ボイス付きの主人公も今のRPGに欠かせない存在になっているとしています。
Mass Effect のコマンダー・シェパードは、ボイス付き主人公が効果的に機能した初期の例の一つです。男女2人のシェパードを演じた声優がキャラクターを象徴的な存在にし、その声がなければ Mass Effect は伝説的な作品にならなかっただろうと筆者は述べます。他のRPGもこの流れに続きましたが、RPGの主人公に声を与えたのはBioWareだと筆者は位置づけています。
6位 女性主人公のあり方を変えた
ゲームにおける女性の描かれ方には、波乱の歴史がありました。男女を選べるゲームでも、女性主人公の体験は男性ルートと異なることが多かったといいます。筆者自身は、男性として遊ぶしかない場面が多かったため、女性キャラクターとして遊べること自体が驚きだったそうです。
男性主人公のゲームに不満があるわけではなく、男性主人公しか選べない作品にも好きなものがあると筆者は断っています。それでも、初めて女性として遊んだときの体験はまったく別物でした。BioWareは、FemShepをはじめ、女性主人公を当たり前のものにするために多くのことをしました。Jennifer Hale の演技とリーダーとしての物語は、女性キャラクターに対する期待を変え、プレイヤーがゲームで女性を見たがっていることを開発者に気づかせたと筆者は述べています。
5位 カットシーンと物語の語り方を変えた
カットシーンやムービーが多いゲームを好まない人がいるのは、筆者も理解しています。ただ、だからといってそうした演出の居場所がないわけではなく、BioWareの映画的な語り口がゲームに大きな革新をもたらしたことも否定できないとしています。
ゲームは長く、ただの暴力的な娯楽だという評判に苦しんできました。筆者はその見方に同意しないものの、小説など古くからある媒体の語りの手法を取り入れたゲームが、ゲームを芸術の一形態へと押し上げ、物語文化に貢献する存在にしたと考えています。
4位 新しいアライメントシステムを生んだ
アライメントシステムは、RPGやテーブルトークRPGで長く使われてきました。BioWareはそれをより洗練された形にしています。KotORではフォースの光と闇の側、Mass Effect ではパラゴンとレネゲードの仕組みがその例です。
筆者は、とくに Mass Effect の仕組みが大きく変わったとしています。プレイヤーの決断と会話の選択が組み合わさって一貫したキャラクターを作り、重要な場面では特別な解決策という形で報われます。Mass Effect 3 は3部作を通じた決断の積み重ねを反映しており、その中でアライメントが大きな役割を担いました。完璧な仕組みではないものの、後のRPGはここから教訓を得て、ゲームデザインにアライメントを取り入れたといいます。
3位 CRPGの革新者だった
筆者は、CRPGを含むRPG全般が、BioWareなしには現在の姿になっていなかったと述べます。Baldur's Gate 3、Divinity: Original Sin、The Witcher 3 など多くの作品も、BioWareの影響がなければ存在しないか、今ほどの出来にはならなかったという見方です。
BioWareは、KoTOR、Baldur's Gate、Dragon Age、Neverwinter Nights、Jade Empire を手がけました。これらのCRPGがなければ、このジャンルはテーブルトークの枠を出られなかったかもしれないと筆者は言います。現在もCRPGの新作が控えていますが、その背景には Baldur's Gate 3 と Larian の成功があります。ただしその Larian もまた、BioWareの黄金期の作品に影響を受けていると指摘しています。
2位 選択と物語を重視した
BioWare以前のRPGにも選択はありましたが、その多くは限定的で、キャラクターのロールプレイにとどまっていました。BioWareは、選択がゲームに及ぼす影響の大きさを変えたと筆者は述べます。ボイス付き主人公は制作量が増えるため選択肢を絞りがちですが、それでも多くの選択と結末を用意し、主人公が自分だけの存在だと感じられるようにしました。実際、多くの場合はそうだったといいます。
この選択のおかげで、BioWareのゲームは一度体験したら終わりの物語ではなくなりました。プレイヤーは自分が下した決断を自分のものとして受け止められ、より個人的な体験になったのです。同じ選択を繰り返す周回も、別の道を選ぶ周回もできます。意味のある選択は現代のゲームで最も重要な要素の一つであり、BioWareがなければ存在しなかっただろうと筆者は述べています。
1位 家族のように感じられるキャラクターを生んだ
BioWareは、ゲームにとどまらず物語全般でも指折りの象徴的なキャラクターを生み出しました。コマンダー・シェパード、Hawke、Inquisitor、Gorion's Ward、Darth Revan は広く愛されていますが、筆者は仲間のキャラクターたちはそれ以上に愛されていると言います。
Bastila、Morrigan、Alistair、Leliana、Anders、Varric、Isabela、Merrill、Solas、Dorian、Cassandra、Garrus、Liara、Tali、Miranda、Kaidan、Mordin、Wrex など、数え切れないキャラクターが時代の空気を形づくってきました。筆者は、彼らはBioWareの閉鎖後も残り続けると述べます。BioWareの魂と遺産は、生み出したキャラクターたちと、彼らに共感する人々の中で生き続けるという言葉で、筆者は記事を締めくくっています。