Apocalypse StudiosのDenis Dyack氏、AAAパブリッシャーによるアーリーアクセスの利用が独立系開発者を不利にしていると主張
2026年10月29日 | #その他 | GamesRadar+
Silicon Knightsの創設者で、現在はApocalypse StudiosのCEOを務めるDenis Dyack氏が、AAAパブリッシャーによるアーリーアクセスの使い方がプレイヤーの期待を変えてしまい、小規模な独立系チームを不利にしていると語りました。GamesIndustry.bizのインタビューでの発言です。
「マーケティング上の節目」として使われているとの指摘
Dyack氏は、現在のゲーム業界の大きな課題の1つとして、「莫大な資金、人手、リソースを持つ巨大パブリッシャー」でもアーリーアクセスを利用できる点を挙げています。具体的には、完成度の高い製品を出しながら、アーリーアクセスという位置づけを「マーケティング上の節目」として使うケースがあると指摘しました。
その結果、プレイヤーが「ほぼ完璧なゲームを期待する」ようになるといいます。Dyack氏は、これが「プレイヤーのフィードバックに基づく共同開発というアーリーアクセス本来の目的を損なう」と主張しています。
さらに同氏は「AAAパブリッシャーはアーリーアクセスを悪用しており、プレイヤーの期待を歪めることで、小規模な独立系開発者が大きく不利になっている」と述べました。例としてSubnautica 2とPath of Exileを挙げ、これらがアーリーアクセスを使って「状況とプレイヤーの期待を大きく変えた」としています。
同氏のスタジオが手がけるDeadhaus Sonataでは「参入への大きな障壁」に直面し、市場への影響力が「大幅に低下した」とのことです。
小規模チームに求められる水準の変化
Apocalypse Studiosのクリエイティブディレクターを務めるEthan McKinnon氏も、「プレイヤーは同じ市場にあるものを自然と比較するため、小規模チームは以前よりずっと高い水準を求められている」と話しました。そのうえで、開発者に向けて「アーリーアクセスは本当の発売と同じように扱うべきです。プレイヤーはそう見ているからです」と助言しています。
Subnautica 2側の見解
Subnautica 2のクリエイティブディレクターであるAnthony Gallegos氏は、前作と同じくアーリーアクセスで続編を出すことについて「決めるべきことは何もなかった」と述べています。同氏は、アーリーアクセスなら「完成した体験を出して正解だったと願うだけでは不可能な形で、ゲームを方向転換し、意味のある変更を加えられる」と説明し、アーリーアクセスは「今や私たちのDNAの中核」だとしました。
アーリーアクセスの本来の価値とDeadhaus Sonataの現状
Dyack氏は、アーリーアクセスには、リスクを避けがちで型にはまった設計から離れられる利点もあると述べています。同氏によれば、この仕組みは「従来のパブリッシャーなら却下するような、型破りで体系的なコンセプトを試すための猶予をスタジオに与える」ためのものでした。
Deadhaus Sonataはパフォーマンスの問題を抱えて発売されました。Dyack氏はこの発売を「士気をくじくもの」だったと振り返っています。ただし、その後の否定的な反応は「ゲームを一から作り直す十分な動機になった」とのことです。