BioWare共同創設者Greg Zeschuk氏、スタジオ閉鎖について「EA買収が最後の決定打だった」と語る
BioWareの共同創設者であるGreg Zeschuk氏が、先週発表されたBioWareの閉鎖とMass Effect 5の開発中止について、メディアの80 Levelに語りました。閉鎖ではEA全体で約400人が削減される中、BioWareでは50人が職を失っています。なお、開発中止となったMass Effect 5は、流出した社内向けトレーラーから「Mass Effect: Universe」という名称だったことが分かっています。
すでに気持ちの整理はついていると語る
Zeschuk氏は、スタジオの終わりを惜しみつつも、感情的な区切りはずっと前につけていたと話しています。同氏は共同創設者のRay Muzyka氏とともに、Mass Effect 3の発売から数か月後の2012年に自らの意思でBioWareを離れました。
「あらゆる感情を、ずっと前に経験し尽くしました。どこかで区切りをつけて、感情的な瞬間は済ませたと考えなければなりません」と同氏は述べています。現在は自身の事業であるビール醸造がうまくいっており、感傷的にも懐古的にもなっていないとのことです。「その章はもう閉じました」という言い方もしています。
一方で、自らが築いた名門RPGスタジオの閉鎖に何も思わないわけではありません。「つらくないとか、嫌な気持ちにならないと言っているのではありません。悲しいことだと思います」と語り、特に悲しいのは、BioWareの出身地でもあるエドモントンの街だと指摘しました。BioWareは、そうしたことで知られていなかった土地でも特別なものを生み出せると示した、希望と期待の象徴のような存在だったと振り返っています。
EA買収が「最後の決定打」
Saudi Public Investment FundによるEAの非公開化買収について、Zeschuk氏はBioWareが最終的に閉鎖されたことに驚かなかったといいます。「最後の決定打だったと思います。ある意味、これが核心でした。もはやまったく別の会社です」と述べました。
さらに、BioWareは変わった作風のゲームを作り、開発に時間がかかり、内容も複雑になると説明しています。そのうえで、毎年スポーツゲームを出し続けるほうが、ある意味では優れたビジネスモデルだと語りました。
ゲーム開発経験のない経営者への批判
Zeschuk氏は、ゲーム開発の経験がない経営陣がスタジオを所有し運営することにも、はっきりと意見を述べています。
「適当な人材とAIがいれば、優れたゲームを再現できるという奇妙な思い込みがあります。それはうまくいきません」と同氏は語りました。また、こうした企業のほとんどでは、ビジネス畑で出世した人が開発畑の出身ではないと指摘しています。小さなものでも、最初から最後まで腰を据えてゲームを作った経験がないため、ゲーム作りの仕組みを理解していないという見方です。
各所に広がる反応
BioWareの閉鎖とMass Effectの開発中止には、強い反応が寄せられています。IGNでは、BioWareを史上最高のRPGデベロッパーと評する記事のほか、Mass Effect Andromedaの後に名誉挽回の機会が失われたことを惜しむ記事、EAはBioWareの価値を理解していなかったとする記事が公開されました。
作曲家のAustin Wintory氏は、Mass Effect 5のサウンドトラック制作についてEAやBioWareと協議していたことを明かしています。同氏はシリーズの大ファンで、パブリッシャーに起用してもらうため、自作したMass Effect風の音楽22分を公開していたとのことです。ゲームファンの間でも、これほどの功績を残したスタジオが失われたことへの怒りと悲しみが広がっています。