元BioWare共同創設者のグレッグ・ゼシュク氏、BioWare閉鎖を受け「AIと適当な人材で名作は再現できない」と発言
2026年10月29日 | #その他 | GamesRadar+
Dragon AgeやMass Effectを手がけたBioWareの閉鎖とMass Effect 5の開発中止を受け、同スタジオの共同創設者で元ゼネラルマネージャーのグレッグ・ゼシュク氏が、こうした決定を下す経営陣の多くはゲームを作った経験がなく、開発の仕組みを理解していないと述べました。同氏は「ランダムな人材とAIで名作を再現できるという奇妙な思い込みがある」とも指摘しています。
ゼシュク氏の主張
ゼシュク氏は2012年にBioWareを離れており、80 Levelのインタビューで今回の買収を、Mass Effectを生んだスタジオにとって「とどめの一撃」だったと表現しました。15年前に退社した時点で感情的には区切りをつけていたとしながらも、ゲーム業界が開発者をどう扱っているかには今も懸念を抱いているとのことです。
近年は大規模なレイオフやスタジオ閉鎖が相次いでおり、長年蓄積された人材や経験が失われかねません。スタジオはその経験に支えられているものの、決定を下す経営陣にはその点が理解されていないというのが同氏の見方です。
ゼシュク氏は「ランダムな人材とAIがあれば、名作を再現できるという奇妙な思い込みがあります。それはうまくいきません」と語りました。
さらに、ほぼすべての企業で、ビジネス側の道を進んだ人は開発側の出身ではないと述べています。小さなものであっても最初から最後までゲームを作った経験がないため、「仕組みが分からない」というのが同氏の主張です。
EAをめぐる状況
EAは、サウジアラビアの公共投資基金(PIF)、ジャレッド・クシュナー氏のAffinity Partners、Silver Lakeによる550億ドル規模の買収で非公開化されました。買収計画が明らかになった当初から社内の開発者は将来を不安視していたといい、取引完了から3カ月足らずで今回の事態に至ったことになります。
EAではAIの活用が推進されているとも報じられています。匿名の開発者によると、AIツールの使用は義務づけられていないものの、使わなければ業務が不可能または非常に困難になるよう仕向けられているとのことです。管理職は従業員に「これが未来だ、乗り遅れるな」と伝えているとされ、社内の士気は「ひどい」状態だと伝えられています。
匿名の情報源は、同社の経営陣が従業員だけでなくゲーム開発そのものからも乖離していると述べているとも報じられており、ゼシュク氏の指摘と重なる内容です。
なお、こうした傾向はEAに限った話ではありません。今年、MicrosoftがXboxの新CEOにアーシャ・シャルマ氏を起用した際には、ゲーム業界での経験がない点を疑問視する声がファンから上がりました。同氏は以前、MicrosoftでCoreAI製品のプレジデントを務めていました。
Dragon AgeとMass Effectの行方
Dragon AgeとMass Effectの今後については多くのファンが気にかけており、後者を救うための署名活動も行われています。ただ、すでに進められていたMass Effect 5を、EAが別のスタジオに売却して引き継がせる案について、元BioWareスタッフからは楽観的な声はあまり出ていません。