『A.O.T. 3』プロデューサーが語る、主人公がストーリーを変えられない理由と恋愛要素が存在しない事情
2026年10月30日 | #ゲーム紹介 | DualShockers
『A.O.T. 3』は、「進撃の巨人」シリーズの物語全体を1本にまとめたアクションゲームです。2026年12月10日に発売されます。DualShockersは、パリで開かれたプレビューイベントで開発プロデューサーの鈴木秀雄氏に取材しました。ストーリーの改変の可否、巨人の強化、新たに登場する巨人の扱い、そして恋愛要素がない理由について聞いています。
プレイヤーが作る主人公は物語を変えられない
本作の主人公は、原作の漫画やアニメに登場するキャラクターではありません。プレイヤーが自分で作成したキャラクターが調査兵団の部隊を率い、巨人との戦いに加わります。壁の防衛、マーレの兵士との戦い、始祖の巨人との最終決戦といった場面で、主要キャラクターたちと共に戦います。
鈴木氏によると、現行バージョンの主人公には、アニメで描かれた物語を変える力はありません。ただし単なる傍観者ではなく、ほかのキャラクターと並んで戦う存在であり、プレイヤーは主人公の視点から物語を体験できるとのことです。
諫山創氏とは直接やり取りしていない
原作者の諫山創氏とは、直接話したりやり取りしたりする機会はなかったそうです。連絡を取っていたのは、漫画の連載当時に諫山氏と密に仕事をしていた編集部です。
ストーリーやゲームの仕組みについては、アイデアを編集部に提案し、「進撃の巨人」の世界観に合っているか、不自然ではないかを確認していました。編集部でも判断できない内容は、編集部が諫山氏に質問して回答をもらい、開発側に返す流れだったといいます。
巨人の怖さを取り戻すために
鈴木氏は、シリーズ作品の方針として、ゲームが得意ではない人や、普段こうしたゲームを遊ばない人でも楽しめる操作性を必須としてきたと説明します。一方で、その結果として巨人が弱く見え、倒しやすくなり、作品の持ち味である恐怖感が薄れてしまったそうです。過去作では、この恐怖を表現するのに苦労していたとのことです。
『A.O.T. 3』では巨人に対する恐怖や不安を味わえるようにするため、巨人の行動やアルゴリズムを強化しました。ただ、それだけでは巨人が強くなるだけです。そこで立体機動装置については、腕に覚えのあるプレイヤーが自由に動き回り、巨人の狙いたい部位を自在に攻撃できるようにしました。巨人を倒す楽しさと、巨人が恐ろしい怪物であるという感覚とのバランスを、細かく調整したと語っています。
戦槌の巨人と車力の巨人はゲーム向きだった
物語の序盤に登場する巨人は、超大型巨人や獣の巨人のように、殴る、蹴るといった似た戦い方が中心です。一方、物語の後半には、戦槌の巨人や車力の巨人など、戦い方がまったく異なる巨人が登場します。
鈴木氏は、この2体について、導入しやすいというより、ゲームに落とし込むのに向いていたと話します。従来の巨人は戦い方が単調ですが、「進撃の巨人」の世界で巨人が突然口から火を吹くようなことがあれば、作品に合いません。その点、戦槌の巨人と車力の巨人は、それぞれの動きや戦い方がゲームに適していました。鈴木氏は「こういう巨人を生み出してくれてありがとう、という気持ちでした」という趣旨の感想も述べています。
恋愛要素が入らない理由
2作目の後に特に要望が多かったのが、キャラクターとの恋愛要素です。しかし鈴木氏は、「進撃の巨人」の世界に恋愛はなく、出版元の講談社からも、今作に限らず過去のすべてのゲームで一貫して、恋愛要素は禁止だと伝えられてきたと明かしました。原作の漫画やアニメでも、恋愛の描写はほぼないといいます。
近いものとして、ベルトルトとアニ、アルミンとアニ、ユミルとクリスタの関係を挙げましたが、いずれも恋愛と断定できる描かれ方ではなく、「恋愛っぽい」程度だそうです。鈴木氏は、作品が持つ非常にシリアスなトーンを恋愛が損なうと、原作者が考えているのではないかと推測しています。あくまで推測ですが、講談社も編集部も、一貫して恋愛はないと強く伝えてきたとのことです。開発チームも鈴木氏自身も、作品とキャラクターの大ファンであり、その世界観を大切にしてきたと語りました。
『A.O.T. 3』は、Switch 2、PC、PS5、Xbox Series X|S向けに、2026年12月10日に発売されます。開発・販売はコーエーテクモゲームスです。