ジョン・ロメロ氏、Xboxに打ち切られた新作シューターに新たなパブリッシャーが決まったと語る
DoomやQuakeの共同開発者で、id Softwareの共同創設者でもあるジョン・ロメロ氏が、Xboxに契約を打ち切られた未発表のシューター企画について、新たなパブリッシャーが決まったことを明らかにしました。VGCがGamescom Asiaで行ったインタビューで語ったもので、一部のスタッフも再雇用されているとのことです。
110人規模から5人へ、そして再出発
Romero Gamesは今年の夏、未発表のシューター企画の資金を失ったことを公表していました。当時は社名を伏せていたパブリッシャーが、のちにMicrosoftだと判明しています。同社が世界的な人員削減の一環として契約を取り下げたためです。複数の従業員は「スタジオ全体」が解雇されたと主張しましたが、Romero Gamesはその後、閉鎖は否定し、別のパブリッシャーがプロジェクトを救ってくれることを期待していると述べていました。
ロメロ氏は、資金を絶たれた後の状況を次のように振り返っています。資金を探しながらできる限り全員を雇い続けたものの、時間がたつにつれて人が去り、同じゲームをもう一度作ることはできなくなりました。そのためどこかの時点で人員整理に踏み切り、110人いたスタッフは5人まで減ったとのことです。
一方で、名前やIP、アート、グラフィック、コードなど、すべてを100%自社で保有していたことが強みになりました。ロメロ氏は、これらをできるだけ活用できる新しいゲームを設計し、先行きの足がかりにしたといいます。知人に連絡を取って契約をまとめ、新たなパブリッシャーが決まったそうです。ただし、パブリッシャー名や発表時期などについては明かせないとしています。
再設計された新作と少人数体制
ロメロ氏によると、すでに「各サブチームのリーダーだった」10人が復帰しており、現在は15〜16人ほどの体制です。この規模が当面は続く見通しで、ゲームもそれに合わせて再設計され、規模が縮小されています。ロメロ氏は「これ以上大きくなる必要はない。ゲームはこの人数向けに作られていて、とても満足している」と述べ、開発は非常に順調だと語りました。
シューターである点は変わらないものの、それ以外の部分はまったく新しい内容で、チーム全員が意欲的だといいます。
当初の企画については、110人規模のゲームであり、最後まで作り上げることはできないとしました。新作は完全に別のゲームとして作り直したもので、前作のキャラクター、アート、コード資産の多くを移している点が特徴です。シューターには共通するコードが多いため、質の高いアートや武器などを最初から使えたことが大きな助けになったと説明しています。少人数では110人向けのゲームは複雑すぎて完成できず、あの人数が必要だったのはそれだけの規模のゲームだったからだとも述べました。
少人数と、口を出さないパブリッシャーを歓迎
ロメロ氏は、少人数のほうが日々の開発に深く関われる点を好んでいます。100人以上のチームを率いた経験はあるものの、一日中会議に出ているのは好きではないとのことです。現在は自ら手を動かして設計し、Unreal Editorで制作しながら、ほかのメンバーに指示を出しています。メンバーは全員がリーダー格で、ゲームの全体像を理解しており、組織はほぼフラットだそうです。
大手パブリッシャーとふたたび組みたいかと問われると、ロメロ氏は「ノー」と即答しました。プロデューサーが大勢いると人が増えることになるので、現在はプロデューサーを置いていないといいます。「プロデューサーが必要になった時点で、チームは大きすぎる」とも述べています。小規模なチームは楽しく、数時間で方針を大きく転換できる点も利点だと話しました。
パブリッシャーとの契約についても言及しています。多くの場合、パブリッシャーは自社が売れると考えるゲームを作らせようとし、専門分野や知見に基づいて方向性を変えることもあるといいます。それに対し、今回のパブリッシャーはこのゲームに関して創作面の要求がまったくなく、「好きなものを作ってください。私たちは出すだけで、何を作るかは指示しません」という姿勢だそうです。ロメロ氏はこれを「完璧な契約」と評しています。