Bloober TeamのCEO、ホラーが売れる理由を「世界で悪いことが起きているとき」と語る 7作品が開発中
『Silent Hill 2』のリメイクを手がけたポーランドのBloober Teamで、CEOを務めるPiotr Babieno氏がIGNのインタビューに応じました。同氏は、ホラーというジャンルが好調な理由や、スタジオの成功の要因、今後の展望について語っています。Bloober Teamは2024年の『Silent Hill 2』リメイクが500万本以上を売り上げ、現在は7本のホラーゲームを開発中です。インタビューはタイで開催されたGamescom Asia x Thailand Game Showの期間中、バンコクで行われました。
「ホラーが強いのは世界に悪いことが起きているとき」
Babieno氏は、ホラーが最も強くなるのは世界で悪いことが起きているときだと述べています。気候変動や戦争、経済問題があると、社会が心のどこかに恐怖を抱えるためだと説明しました。ホラー映画、ホラー小説、ホラーゲームが好調なのはそのためだとしたうえで、「ホラーにとってはうまくいっていますが、それは世界の状況が良くないということなので、うれしくはありません」と語っています。
IGNの記事は、この見方に一定の裏付けがあるとしています。現在の世界では生活費の高騰、荒れた天候、ロシアとウクライナ、米国とイランの戦争が続き、AIの急速な普及も脅威として挙げられています。
一方でホラーは、さまざまな娯楽分野で好調です。記事によると、インディーズホラー映画のBackroomsとObsessionは今年、興行面で成功を収め、Obsessionは5億ドル以上を稼ぎました。『Resident Evil Requiem』は2月の発売以来850万本を売り上げ、Zach Cregger監督による最新の実写映画は、シリーズ最高の興行収入になったとされています。
配信サービスでも、Mike FlanaganによるStephen King原作のCarrieがPrime Videoで2シーズン目の制作が決まりました。Friday the 13thの前日譚シリーズCrystal Lakeは、Peacockで最も成功したオリジナルドラマの1つになったようです。AppleのWidows Bayは9月のエミー賞で14部門を受賞しました。DCUのClayfaceも10月の公開初週末に好調な成績を収め、Winnie the Poohを題材にしたスラッシャー映画も、1月に3作目が公開される予定です。
ホラーに特化して積み重ねた10年
記事は、Bloober Teamを流行に乗ったスタジオではないと位置づけています。創業当初はカジュアルゲームや受託開発が中心でしたが、2016年に『Layers of Fear』を発売してからは、ホラー専門のスタジオとして歩んできました。既存IPのリメイクと新規IPの両方をこなせる点も、評価されているとのことです。
Babieno氏は、ホラーに集中することで、恐怖を生み出す手法だけでなく、ゲーム制作の技術面も繰り返し磨けると述べています。さらに、ファンを理解し、過去の失敗や改善点を把握することも重要だと語りました。プロジェクトごとに、それがスタジオとファンにとって次の一歩になるかを考えるそうです。そうでなければ、4年もの時間を新作に費やすべきではないという考えです。
批判の中で『Silent Hill 2』に集中
『Silent Hill 2』のリメイクでは、開発中にシリーズのファンから多くの批判を受けたといいます。Babieno氏は「最初のころはファンから多くの憎悪を向けられました」と振り返りました。それでもチームは、プロジェクトに集中して最高品質のゲームを届けることを目指し、周囲の雑音を頭から締め出したそうです。同氏は、最初から実現できると信じており、実際にその通りになったと述べ、『Silent Hill 2』をBloober Teamにとっての転換点だと位置づけました。
IGNは、この成功がスタジオへの高い需要につながり、他社で人員削減や閉鎖が相次ぐ中でも拡大できている一因だろうとみています。Bloober Teamは現在2つのファーストパーティスタジオを抱え、新たにセカンドパーティのBroken Mirror Gamesを加えました。これは、ポーランドの他の5つの開発チームと共同でゲームを開発するためのレーベルです。
開発中のタイトルと今後の目標
開発中の7本のうち、これまでに確認されているのは4本です。『Silent Hill』第1作のリメイク、『Layers of Fear 3』、Switch 2専用の『Onyx: The Dark Grip』、そしてStar Trekを題材にした心理ホラー『Star Trek: Shadow Frontier』です。
『Silent Hill』については、2027年に発売され、Gabrielle FritzとJade Matthewが出演するというリークがありました。Babieno氏はこれについてコメントできないとし、「噂」だと退けています。『Star Trek: Shadow Frontier』も詳細は明かせないとしましたが、パブリッシングパートナーのParamount Games Studioが掲げる「史上最高のStar Trekゲーム」という目標に同意しました。そのうえで、そうした意気込みがなければ、このタイトルには関わっていないと話しています。
意欲を見せたのが、『Cronos: The New Dawn』を手がけたチームの次回作で、仮題が『Project H』のタイトルです。開発は準備段階の後半にあるといいますが、Babieno氏は『Cronos』や過去作から大きく前進した、新しい体験になると語りました。一方で、Bloober Teamのゲームを遊んだ人には親しみやすく、スタジオらしさは保ちつつ、まったく新しい形で見せるそうです。
最後にBabieno氏は、自身の目標を次のように語っています。「私はSilent HillもResident Evilも大好きですが、3つ目の巨大なホラーIPが入る余地もあると感じています。取り組んでいるものはすべて、正しい方向に進んでいると思います。Bloober Teamのゲームは、すでに市場にあるものとは少し違うと感じてもらえるはずです。私にとって最も大事なのは、ゲーム業界に新たな指標を打ち立てることです」
次の作品は『Cronos: The New Dawn』のDLC
Bloober Teamの次のリリースは、『Cronos: The New Dawn』のDLC『Cronos: Lazarus』です。本編の出来事より前を描く物語拡張で、「より速く、より攻撃的な戦闘スタイル」が特徴になるとされています。発売日は12月3日で、対応機種はPS5、Xbox Series X|S、PCです。Switch 2版は2027年初頭に発売される予定です。