『The End of the Sun』、ポーランドの博物館で スキャンした実物を使って村を再現しXbox Series X|Sで発売中
2026年11月05日 | #ゲーム紹介 | Xbox Wire EN
スラヴ民話を題材にした一人称視点のアドベンチャー『The End of the Sun』が、Xbox Series X|Sで発売されました。開発チームはXbox Wireで、ポーランド各地の博物館にある実物をフォトグラメトリーで取り込み、ゲーム世界を作り上げた過程を紹介しています。探索中に目にするオブジェクトの約80%が、実在のものをスキャンしたものだといいます。
博物館の収蔵品をそのまま3Dモデルに
本作では、スラヴの魔術師として、無人になった村の謎を調べます。舞台はポーランドの文化や古い信仰、ゲームではあまり扱われてこなかった伝統に着想を得た世界です。開発チームは、物語を語るだけでなく、建物や物のひとつひとつに歴史が感じられる世界にしたいと考えました。
その手段として使ったのが、現実の物を詳細な3Dモデルとしてゲームに取り込むフォトグラメトリーです。シュィムバルクの野外博物館や、ヤストシェンビャの民族学博物館Grociarniaといった地元の民族学博物館の協力を得て、建物丸ごとを含む数百点の歴史的な品をスキャンしました。取材では数千枚の写真を撮影しており、元の写真とゲーム内のスクリーンショットを見比べると、あまりの近さに驚くこともあるそうです。
開発チームは、こうした文化遺産をデジタルで残す意義にも触れています。実物はいずれ劣化したり失われたりするかもしれませんが、デジタルの再現があれば記録を後世に残せるとしています。
歴史的な品がクエストの発想源に
開発チームは、史料的な品を飾りの小道具で終わらせず、体験の一部にしたいと考えました。プレイヤーが実際に触れ、仕組みを知り、当時の人々の暮らしを学べるようにする狙いです。
たとえば、穀物を挽いて粉にする伝統的な手回しの石臼を扱うクエストでは、部品を一つずつ調べ、仕組みを理解できます。ほかにも、縄をなう道具やナイフを研ぐ道具を使うクエストがあります。
世界の各所には、任意で見られる「Learn More」ポイントもあります。見慣れない物を調べると、用途や歴史を少し知ることができます。長い解説で冒険を止めることなく、伝統的な工芸や風習、スラヴの信仰に触れられる作りです。
発想の流れが逆になることもありました。先に決めたクエストに合う物を探すのではなく、魅力的な品を見つけたことで、物語の一部をそれに合わせて作り変えた例もあるといいます。
こうした物は、環境を通じた物語表現にも使われています。大工の作業場や織りの道具が並ぶ様子から、住人の職業や人柄、日々の暮らしが伝わります。開発チームは、立ち止まって周囲をよく見れば、会話よりも環境のほうが雄弁に語る場合があると述べています。スキャンした物には細かな傷みや使用の跡があり、一から作ると同じ説得力を出すのは難しいといいます。民家の中を歩くと、小さな体験型の博物館のように感じられる場面もあるそうです。
自然や工芸のディテールも実在のものから
世界は博物館の収蔵品だけでできているわけではありません。村や周辺には、地元の自然保護区でスキャンした大小の岩が置かれています。ギャラリーで見つけた精緻なボビンレースも登場します。民家の内装や日用品には、色鮮やかな絵付けの家で知られるザリピエ村にならった、手描きの花模様があしらわれています。
ひとつひとつは小さな要素ですが、まとまることで村に独自の個性が生まれます。開発チームは、歴史の授業のようにではなく、探索と好奇心を通じて自然に文化に触れてほしいとしています。
時間とともに姿を変える村
環境による物語表現は、建物にも及びます。博物館でスキャンした民家は、そのまま置かれた静的なモデルではありません。本作は4つの季節と複数の時代にまたがって進むため、物語に合わせて建物に手を加えています。ある時点では傷んで荒れていた家が、別の時点では修復された姿で現れることもあります。環境を通じて時の流れを感じてほしいという意図です。
植生も中央ヨーロッパの気候に合わせ、季節ごとに自然に移り変わるようにしました。さらに、四季を通じて屋外で自然の音を自分たちで録音し、サウンドに取り入れています。実物の品、丁寧に再現した建物、季節の移ろい、実際の環境音を組み合わせることで、歴史に根ざしつつ神秘に満ちた世界を目指したとしています。
開発チームは、実物にもともと備わった個性の豊かさが最も興味深い発見だったと振り返ります。傷みや経年の跡、細部が、それぞれ物語を持っているからです。それらを本作に持ち込むことで、世界の着想源となった人々や伝統、土地とのつながりを感じてもらえればとしています。
『The End of the Sun』について
プレイヤーは、時を操るスラヴの炎の魔術師アシュテルとなり、現実が歪み、住人が燃えさしの炉だけを残して姿を消した村を訪れます。炎と結びつく力によって、他の人には見えない痕跡や神話上の存在、過去の出来事の霊を目にします。
本作は、スラヴ風ファンタジーの世界を舞台にした、謎に満ちた一人称視点の冒険・探索ゲームです。魔法の地図を頼りにオープンワールドを探索し、焚き火と結びつくことで新たな痕跡や出来事が明らかになります。十分に灯された焚き火は、時間旅行への入り口になります。
炎の力で時を行き来し、英雄たちの運命に影響を与えるのも特徴です。物語は、互いに何年も離れた4つの季節にわたり、スラヴの大きな祭りの時期に、同じ登場人物たちのさまざまな時期の暮らしを見届けます。プレイヤーの行動は周囲の世界に影響を及ぼします。
Xbox Series X|S向けにきょう発売されており、ストアでは24.99ドルが19.99ドルで表示されています。