元スクエニ幹部ジェイコブ・ナボック氏、Steamのゲーム審査遅延を受け「Valveは責務を怠っている」と批判
2026年11月06日 | #その他 | GamesRadar+
元スクウェア・エニックス幹部のジェイコブ・ナボック氏が、Steamのゲーム審査の遅れを受けて、運営元のValveを批判しました。同氏は、審査体制への投資が足りないとして「Steamは責務を怠っている」と主張しています。
Valveは審査の遅れを認める
Valveは自社のSteam上の投稿で、ゲームの審査に遅れが出ていることを認めました。現在は「少し遅れていて、最大12営業日かかっています」と説明しています。遅れの大きな理由としては、ゲームの再審査が必要になっていることを挙げ、「開発者にとっても私たちにとっても好ましくない」としています。
背景には、AIによって模倣作が増えて目立ちにくくなっていることや、審査待ちの大量の滞留があります。原文筆者は、生成AIを使ったリリースが、もともと負荷がかかっていたSteamのシステムをさらに圧迫していると指摘しています。公開されるゲームの数は、いわゆるバイブコーディングが広まる前から増え続けていたとのことです。
ナボック氏の主張
ナボック氏は、Steamの収益はRobloxの3倍であるのに対し、Robloxでは1日に公開されるゲームがSteamの最大1000倍に上ると述べました。それでもRobloxのゲームは自動審査により数秒で公開される一方、Steamでは数週間かかると指摘しています。
また、AIゲームが審査数を増やしているという説明については「そんなものは売りつけられているたわ言です」とし、「問題はSteamが責務を怠っていることです」と述べました。さらに、「モデレーションは、数十億ドルを投資すれば解決できる問題です」と主張しています。
皮肉も交えており、Valveは年間200億ドルを稼ぎながら5人で運営しているとして、「6人目の審査担当者を雇う余裕がない」と書きました。これは、Valve共同創設者のゲイブ・ニューウェル氏がヨットに数億ドルを費やしてきたことを踏まえた発言とされています。ナボック氏は「適切なツールと、大規模に審査できる人員に投資すべきです」とも述べました。
加えて、ValveはデベロッパーからSteamでの売上の30%を受け取っているにもかかわらず、コンテンツ審査に必要な仕組みへの投資をしてこなかったとして、「恥ずべきことです」と結論づけています。ナボック氏はRobloxの、成人向けや問題のあるコンテンツをAIで支援して検知する仕組みにも言及しました。
原文筆者の見方
原文筆者は、ナボック氏の指摘には一理あるとし、Valveが審査により多くの資源を投じられる点は認めています。一方で、Robloxとの単純な比較には無理があるとも述べています。Robloxのプロジェクトはプラットフォーム内で作られ、同社が管理できる資産を監視する構造であり、Steamのような開かれた市場とは性質が異なるためです。審査対象のゲームの複雑さや多様さも比べものにならないとしています。
さらに、Robloxにも独自のモデレーション上の問題があり、自動化は不正を行う側に傾向を把握されると悪用されやすいと指摘しました。ValveはRobloxのようになることを目指しておらず、AI生成の粗悪なコンテンツへの対策を進めている最中でもあります。審査を自動化して数秒で通すことは、実質的に審査をしないことであり、量の問題には対処できても質の問題は解決しないと筆者は見ています。
Valveの対応
Valveは、提出されるゲームの急増に合わせて「ここ数週間、プロセスの規模拡大に取り組んできました」と述べています。原文筆者は、これはナボック氏が求めるような対応に沿ったものとみています。