2026年10月9日に発売の『Order of the Sinking Star』のメディアレビューが公開され、Metacriticのメタスコアが集計されました。総合点数は「83 点」で「好評」という評価になっています。
2026年10月7日時点での集計内容となっており、採点対象のレビューは22件、最高は100点、最低は60点という結果でした。以下にレビューの総まとめを記載しているので購入の参考になれば幸いです。
※スコアは寄稿記事が増減して一定期間は上下しますが、大きく変動することは稀です。
独立した4つの世界が重なり合い新たなパズルを生み出す

『Order of the Sinking Star』で最も魅力的な瞬間が訪れるのは、ゲームをかなり進めてからです。いずれかの世界で最初のキャンペーンを終えると、全体マップに謎めいた金色の足場が現れます。この足場は世界同士が重なり始める場所を示しており、それまで別々に扱われていた仕組みを組み合わせた、まったく新しいパズルの数々に挑めます。魔法使いが魔法の鏡越しに物体を見たらどうなるのか、水切りで飛ばした石は紫のテレポートビームを通り抜けられるのか、といった疑問が後半を牽引し、ゲーム側もその答えを次々と提示してくれます。
用意された4つの世界は、それぞれ単独のゲームとして成立するほど豊富なパズルを備えています。北のHearty Heroes of Haulingでは決まった特性を持つキャラクターでパーティーを組み、戦士が一列に並んだブロックをまとめて押し、盗賊は離れる方向に歩いて物体を引き寄せます。魔法使いはプレイヤーの意図に関わらず、視線の先にあるものと位置を入れ替えます。東のMirror Islesでは、自分が映る位置へ転移させる魔法の鏡を押して動かし、配置次第では自分を複製することすら可能です。南のSkipping Stones to Lonely Homesでは水面で石を跳ねさせて足場を作り、睡蓮の葉を流します。西のVault of the Beamcastersでは宝石を集めて異なる効果の色付きビームに力を与え、緑のビームで固体をすり抜け、紫のビームで壁を越えて一気に移動できます。
世界の重なりがうまく機能しているのは、組み合わせに取って付けたような違和感がなく、全体として調和しているからです。各仕組みが単独で果たす役割だけでなく、互いに複雑に絡み合う相互作用もしっかり活かされています。ある世界で当然だった制約も別の世界のルールが加わることで見直しを迫られ、東の魔法の鏡が北のファンタジー世界で役立つ道具になるなど、何時間もかけて覚えた能力に思いがけない使い道が生まれます。これらのパズルは単に障害物を増やすだけでなく、プレイヤーができることの前提そのものを変えてくれます。
この重なり合いは解いて面白いだけでなく、視覚的にも楽しめます。各地域には鮮やかな色彩や独特なライティング、個性的なファンタジー調のデザインといった明確な特徴があり、2つの地域が混ざり合う場所では印象的な景観が広がります。本作の魅力は特定の仕掛け一つに依存しているのではなく、ルール同士の組み合わせから生まれているため、これほど膨大なパズルを通じてその多様性を維持できているのかが気になるところです。
物体を押す基本操作の変奏とひらめきをめぐる好みの分かれ方

本作は膨大なパズル数を巧みに活かしています。同じパズルを単に大型化して繰り返すのではなく、既知の仕組みからステージごとに新たな状況を提示してくれるため、道が開けるたびに新鮮な解き方が求められます。手軽に解けるパズルが続き、その流れに慣れてきたところで、見たこともない状況にぶつかります。北の世界だけでも、パーティーは2人から3人へと増え、最終的には役割の異なる6人の英雄が一つのパズルに勢揃いします。シンプルなルールから新しい問題が次々に生まれる構造を楽しめるなら、飽きずに驚きを味わい続けられます。
ただし、ブロックを押す作業そのものが億劫に感じる人にはあまり向いていません。魔法の鏡も石もビームも、どの仕掛けも根本的にはマス目上で物体を動かすパズルに帰着するからです。この共通の土台に楽しさを見いだせないと、いくら巧みにバリエーションを変えても舞台を変えただけの繰り返しに映り、早い段階で退屈してしまう恐れがあります。
解法を思いつく瞬間の味わいについても、プレイスタイルによって好みが分かれます。個別のステージでもマップ上の移動パズルでも、稲妻のように解法をひらめく瞬間があるからこそ、行き詰まっていた時間にも価値が生まれます。筋道を立てて論理的に考える人には、そうした快感を惜しみなく提供してくれる作品です。一方で、ブロックを適当に押し、ダメなら巻き戻して次のマスを試すような総当たりに近い進め方だと、体験の質は大きく下がります。時間をかけて試行錯誤すればほぼ突破できるものの、真の納得感やアハ体験は得られにくいためです。満足感が思考そのものを楽しめるかに直結しているからこそ、プレイヤーの思考を支えるシステム設計が重要になってきます。
試行錯誤のストレスを軽減する巻き戻しとルート分岐の設計

パズルを支えるシステムが快適なため、試行錯誤にストレスをほとんど感じません。1手ずつのアンドゥは初期配置まで無制限に巻き戻せるほか、盤面が崩れた際のリセットも瞬時に行えます。失敗した手を巻き戻してもペナルティはなく、むしろ試行から得られる学びは少なくありません。想定が崩れたときの挙動を観察することがひらめきの糸口になる場合もあり、過去の手番を最初からやり直さずに済むおかげで、気になるアイデアを心ゆくまで試せます。
パズルの中断状態が保持される点も便利です。途中で離脱しても盤面や入力履歴がそのまま記憶されているため、解法に近づいている手応えがあれば、初手から組み直すことなく数手だけ巻き戻して再開できます。時間の流れを調整する機能も実用的で、精密な位置合わせが求められる場面ではボタン一つでスローにでき、水流に乗った睡蓮の葉が巡ってくるのを待つ際には早送りでテンポよく進められます。
全体マップに分岐が用意されているため、1つのパズルに詰まってキャンペーン全体の進行が止まる心配もありません。4つの方面は最初からすべて解放されており、水切り用の石を10分眺めても手が浮かばないときは、ファストトラベルで分岐点まで戻って東や西のルートへ切り替えられます。これで行き詰まりの疲労は和らぐものの、問題そのものが解決するわけではなく、戻ってくれば未解決のパズルがそのまま待ち構えています。苛立ちを完全に消し去るわけではなく、苛立ちとうまく付き合うための工夫といえます。
丁寧なチュートリアルと救済措置のない自力攻略の厳しさ

本作はテキストでの解説に頼らず、パズルそのものを通じてルールを教えてくれます。シンプルな課題から始めて仕組みを1つずつ導入し、段階的に難易度を引き上げていく設計です。直前のステージで学んだ応用が次の土台になるため、未知のシステムにいきなり放り出される感覚はありません。ステージが進むにつれて既知の仕組みの新たな挙動も明らかになり、たとえば南のエリアでは、まず石が水面を跳ねて最初の足場まで届くことを学び、続いて石が睡蓮の葉の脇を通過すると葉が進行方向に対して直角に流れることを学びます。そのうえで、睡蓮の葉に乗せた石なら届かなかった地点へ運べると理解していくように、前のステップの理解を前提として次の仕掛けが提示されます。
一方で、難易度の上がり方にはやや粗さも見られます。西のエリアで初めてCave Minerを扱う際には十分な手引きがなく、一連のステージでは一部の仕組みにヒントが欲しいと感じる場面がありました。ステージごとの難易度調整も不均等で、緻密な手順を要する難関パズルに長い時間を費やした直後、次のパズルがあっさり3分ほどで解けてしまうこともあり、拍子抜けすることがあります。
さらに大きな課題となるのが、どうしても解法が思い浮かばないときの救済措置です。本作にはヒント機能が一切ありません。巻き戻しは悪手を帳消しにしてくれますが、有効なアイデアを授けてくれるわけではなく、別ルートへ逃げても次のパズルを理解できる保証はありません。完全に行き詰まった際の選択肢は、自力で解き明かすかプレイを諦めるかの2択です。後半のパズルは難度が跳ね上がるため、ライト層のプレイヤーにとっては最大の壁となるでしょう。自力で思考させる設計だからこそひらめいた瞬間の達成感は格別ですが、解けないときには孤独な戦いを強いられます。手助けのない行き詰まりを前向きに楽しめるかどうかが、本作との相性を分ける大きな分水嶺となります。
数百時間に及ぶ圧倒的なボリュームと途中で生じる疲労感

『Order of the Sinking Star』は実質的に4本分のパズルゲームを束ねたような作品であり、それぞれに膨大なステージが用意されています。この手のジャンルが好きな人にはたまらない環境ですが、長時間遊び続けるにつれて過密なボリュームに疲れを感じてきます。パズルを解いて次へ進んでも前進している実感が薄れ、クリア報酬がまた次のパズルでしかないように思えてくる場面もあります。本来のポテンシャルをすべて味わうまでに時間がかかりすぎる点も、長時間のプレイで引っかかる部分です。
序盤のうちは、詰まったときに別のエリアへ進路を変える手が有効です。ある地域の長いステージから北や東の別ルールへ移れば、適度に頭をリフレッシュできます。しかし挑戦できるステージ数が増えてくると、ルートの切り替え自体が混乱を招き、パズルの解法や物語の文脈を見失う要因にもなりかねません。この問題はプレイを重ねるにつれて徐々に表面化してきます。
キャンペーン全体の規模は圧倒的で、開発スタジオ自身の試算によればクリアまでに数百時間を要する可能性すらあります。救いなのは、全編を遊び尽くさなくても十分に満足できる点です。15時間や20時間、30時間といった全体から見れば短いプレイ時間であっても、同ジャンルの並の作品を1本クリアする以上のパズルを堪能できます。そのように楽しむためには、完全クリアに固執せず、自分が進められた範囲で満足する割り切りが求められます。
さらなる挑戦を求めるプレイヤーに向けて、ゲームはその後も終わりません。エンディングは複数用意されており、最初のスタッフロールを迎えた後も新たな挑戦が続きます。大半のプレイヤーがその深層まで到達しないことも想定済みのようで、未クリアのパズルを残したエリアへ舞い戻る動機付けも用意されています。そう考えると、この規格外のボリュームにおいては、最後まで完走できるかよりも、プレイヤー自身がどこまで遊び込みたいかが重要になってきます。
断片的な語り口でじっくりと輪郭を現すストーリー展開

ストーリーは、良く言っても副次的な要素にとどまります。全体マップに点在する音声記録や、パズルの前後に交わされる短い会話を通じて断片的に語られ、極めてゆっくりと進行します。登場人物や世界観、謎の輪郭が示される序盤の数時間は展開が慎重すぎると感じられることもあり、30時間プレイして160個ものパズルを解いた段階でも、物語は単なる雰囲気作りに過ぎないように思える場合があります。
4つの方面ではそれぞれ異なる物語が展開され、その相関関係はプレイヤー自身の手で読み解く必要があります。そのため全体像は長いあいだ掴めないままです。断片的な謎を考察するのが好きで、序盤の曖昧さに耐えられる人であれば、この語り口は魅力的に映るはずです。やがて各要素が結びつき、女王と、世界を引き寄せた命令をめぐる確かな謎が浮かび上がってきます。一方で、ドラマチックな物語に牽引されたい人には世界観の提示が最後まで響かない可能性があり、ストーリーを目的にプレイを続けるのは難しいかもしれません。
登場人物の魅力にもばらつきが見られます。最も魅力的なのはHearty Heroes of Haulingのキャンペーンで、会話にはキャラクターごとの個性や関係性がよく表れており、相手に応じて態度が変わるのも見どころです。なかでも戦士と吟遊詩人のやり取りは際立っています。対照的に他のキャンペーンは登場人物が少なく、キャラクターの掘り下げも弱めです。掛け合いを楽しめる人には英雄たちの関係性が生き生きと感じられますが、そうでない人には冗長で人物像の掘り下げにも乏しく思え、ステージ前後の会話も聞き流してしまいがちです。
ログ機能の不足と発売前ビルドで目立った字幕の不具合

本作は断片的な物語を必要以上に追いにくくしてしまっています。設定資料集やジャーナル、既出の情報を振り返る簡易メニューすらありません。難解なパズルに没頭しているあいだに細かい設定は忘れ去られがちで、過去の会話や音声ログをいちいち再生し直すのも手間がかかります。要約テキストだけでも確認できれば、物語のまとまりを実感しやすいはずです。字幕に話者名が表示されず、ボイスや小さな吹き出しの三点リーダーでキャラクターを識別しなければならない点も不親切です。
ポルトガル語ローカライズの発売前ビルドでは、字幕の不具合がより深刻でした。正常に表示されていたのはHearty Heroes of Haulingのキャンペーンだけで、残る3つのキャンペーンでは誤訳や脱落、音声とのズレ、非表示といった不具合が多発していました。英語音声をそのまま聞き取れないプレイヤーは、断片的な物語の背景すら見失ってしまう恐れがあります。開発のTheklaは製品版に向けて修正すると表明していたものの、実際に反映されたかは確認できていません。
没入感を支える音楽とSwitch 2版のフレームレート低下

BGMは長時間のプレイでも心地よく聴き続けられます。軽妙で幻想的な曲調から不気味な余韻、穏やかな調べ、思索的なトーンまで自在に行き来し、1つのステージで延々と苦戦しているときも邪魔にならず思考を妨げません。ゲームプレイへの集中を適度に後押ししてくれます。
Nintendo Switch 2版では、グラフィックの質感は良好なものの、TVモード・携帯モードの双方でフレームレートの低下が見られます。特に広大なエリアや複数のエリアが連結した場面で顕著なため、同機種でのプレイを検討しているなら留意しておくべき点です。
自力での発見を重んじるパズルファンに向けた骨太な一作
『Order of the Sinking Star』は、ルールの解明を自力で楽しみたいパズルファンに迷わず勧められる一作です。ブロックを押す基本動作から斬新な組み合わせが次々と生まれ、4つの世界が交差する後半の展開は最大の見どころとなっています。無制限のアンドゥやリセット、分岐する探索ルートのおかげで、試行錯誤のストレスも最小限に抑えられています。ルール同士を自力で結びつけたときに最大の快感が訪れ、ヒントを設けず長大なボリュームに達した理由も、自力での発見を重視する設計思想の表れです。じっくりと思考を重ねる体験を求めるなら、スタッフロールの後にも新たな発見が続く、奥深く独創的なパズルゲームが待っています。
一方で、購入にあたって注意すべき点もいくつか存在します。自力での学習を徹底している反面、完全に行き詰まった際には外部で答えを探すかその場を離れるしか道がありません。クリアまでに数百時間を要する規模のため、完全踏破にこだわらず楽しめる範囲で向き合うのが得策です。ストーリー展開は非常にスローで把握しづらい上に過去ログの確認手段がなく、発売前ビルドでは字幕の不具合も散見されました。Nintendo Switch 2で遊ぶ場合は、広めのエリアでの処理落ちを想定しておく必要があります。また、ブロックを押す基本操作が新鮮さを保ち続けられるか、それとも退屈な総当たりに感じられるかについて、メディア間でも評価が分かれています。断片的なストーリーやキャラクターの掛け合いに引き込まれるかどうかも同様です。すでにブロック押しを退屈に感じているなら、購入は見送ったほうがよいでしょう。本作のすべての仕掛けは、まさにその操作の上に成り立っているからです。








製品情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ゲームタイトル名 | Order of the Sinking Star |
| 原題名 | Order of the Sinking Star |
| ジャンル | アドベンチャー, インディー, ストラテジー |
| プラットフォーム | PC(Steam) |
| 発売日 | 2026年10月9日 |
| 価格 | Steam ¥3,400 |
| 体験版 | あり |
| 公式サイト | https://www.orderofthesinkingstar.com/ |
| 開発元 | Thekla, Inc. |
| 発売元 | Arc Games |










