2026年10月16日に発売の『Enshrouded~霧の王国~』のメディアレビューが公開され、Metacriticのメタスコアが集計されました。総合点数は「89 点」で「絶賛」という評価になっています。
2026年10月14日時点での集計内容となっており、採点対象のレビューは9件、最高は100点、最低は85点という結果でした。以下にレビューの総まとめを記載しているので購入の参考になれば幸いです。
※スコアは寄稿記事が増減して一定期間は上下しますが、大きく変動することは稀です。
作業台の解放が探索と強化を推し進める確かな動機になる

『Enshrouded~霧の王国~』では、新しい作業台を設置してもクラフトメニューが1つ増えるだけでは終わりません。それぞれの作業台が、未知の地域や危険なシュラウド地帯、これまで手の届かなかったボスへの道を切り拓いてくれます。素材を集めてクラフトし、拠点を築くのは、単なるサバイバルの作業ではなく、世界の奥深くへ進むための明確な手段として機能しています。
ゲームの基本サイクルは明快です。資源を集めて作業台を整え、強力な装備を作って強敵を倒し、新たな素材を持ち帰ってさらなる強化へつなげます。『Enshrouded~霧の王国~』が優れているのは、この一連の流れがクエストの進行と密接に結びついている点です。拠点を建てる目的も、救出した鍛冶師や錬金術師、狩人、大工といった職人たちを迎え入れることにあります。彼らを住まわせると新しいレシピや武器、建築パーツが解放され、より遠くへ足を延ばせるようになります。力を蓄えて危険な地域へ足を踏み入れ、穢れを浄化していく流れは、丁寧に作られたD&Dのキャンペーンを遊んでいるかのようです。小さな遠征にも確かな動機があり、特に序盤は「もう1か所だけ鉱脈を掘ろう」「あと1人NPCを探そう」と、プレイヤーを夢中にさせる工夫が光ります。
危険な探索に見合う報酬もしっかり用意されています。最上級の戦利品は簡単には見つからず、手に入れるまでに根気強い探索を求められる場面も少なくありません。それでも、隠された秘密を暴いて手強い敵を打ち破り、貴重なアイテムを手に入れたときの達成感は格別で、危険地帯へ挑むリスクを補って余りある手応えを味わえます。
ただし、この進歩を「荒廃した世界の奪還」として実感できるかどうかは、プレイヤーの期待によって分かれます。Elixir Wellを攻略したりダンジョンのボスを倒したりすれば、周囲の土地を清めた手応えが得られ、装備強化や素材集めに費やした時間にも納得がいきます。しかし、自らの働きかけがマップ全体に残り続けるわけではありません。炎の祭壇が保護する拠点の外側では、架けた橋や掘った鉱脈、開封した宝箱、討伐したボスまで、すべてが1時間以内にリセットされてしまいます。掘り進めたトンネルは埋め戻され、切り倒したシュラウドの根も再生するため、世界を再生している感覚が薄れ、遠出するよりも拠点周辺の効率的な場所を周回したくなるもどかしさがあります。
素材集めの手間がどれほど気になるかも、プレイヤーのプレイスタイル次第です。クラフト品の多くは戦闘やダンジョン攻略、クエストの報酬でも手に入るため、強化のために何時間も採掘を強いられる心配はありません。自分に合ったプレイスタイルで着実に成果を得られますし、ソロプレイで作業感の強さが気になったとしても、ワールド設定から柔軟に難易度を緩和できます。
手作業で作り込まれた世界はどこを歩いても発見に満ちている

探索と強化のサイクルが気持ちよく回るには、目的地そのものに訪れる価値がなくてはなりません。その点において、舞台となるエンバーベールはプレイヤーの期待にしっかり応えてくれます。広大に広がるマップのすみずみまで興味深いロケーションが凝縮されており、そのすべてが手作業で丁寧に作られています。古い神殿や廃村、巨大な要塞など、遠くに見える気になる建造物はどれも実際に足を運ぶ価値があります。点在する集落が世界の背景を語り、奥深いダンジョンにはボスと魅力的な戦利品が待ち構えているうえ、ファストトラベル地点も適切に配置されているため、移動のストレスも大幅に抑えられています。
マップの広さに負けないほど、探索の中身も充実しています。各地に隠し通路や秘密の部屋、息をのむ絶景が散りばめられており、地表の下にも広大な洞窟や隠された神殿が眠っています。ダンジョンの構造も単調な石造りの通路ではなく、それぞれ固有の設計で楽しませてくれます。
視覚的な美しさも大きな魅力です。汎用的な素材を使い回したような味気なさはなく、家並みや岩肌、名もなき場所に至るまで個別の表情が与えられています。緑豊かな高原の牧草地から不気味な森や沼地、さらには空に島が浮かぶ火山地帯までバイオームも多彩です。霧の晴れた場所では、丁寧なライティングと色鮮やかなアートディレクションが相まって、ただ歩いて景色を眺めるだけでも十分に楽しめます。
立体的な移動の爽快感と霧がもたらす独特の緊張感が両立する

崖をよじ登り、滑空し、引っ掛けフックで飛び移るアクションにより、本作の探索はサバイバルクラフト作品の中でも際立って高低差を活かした作りになっています。決まったルートをなぞる必要はありません。上空から遺跡の様子を伺い、尾根伝いにショートカットを決め、遠くのエリアまで一気に滑空で侵入することもできます。訪れる地域の順序には見た目以上の誘導があるものの、オープンワールドらしい自由な探索を存分に味わえます。
序盤の数時間で手に入る引っ掛けフックとグライダーは、移動を一気にスピーディーで爽快なものへと変えてくれます。ただし機動力が増す代償として、降下の判断を誤るとあっさり落下死する危険も付きまとい、実際こうした事故は頻繁に起こります。
そして、立ち込めるシュラウドが探索に独特の緊張感をもたらします。霧の中へ足を踏み入れる感覚は深海へ潜るダイビングゲームに近く、数分間の制限時間が尽きれば確実に死が訪れるうえ、視界が遮られた中で不気味な怪異が徘徊しています。リスクを計算しながら切り抜けるスリルが好きな人なら、空腹や渇きのゲージとは一味違う濃厚な緊迫感を楽しめるはずです。その反面、刻一刻と減り続ける制限時間に追われるのが苦手な人にとっては、探索の根幹にあるこの時間制限が大きな負担になり、好みが分かれる要因にもなり得ます。
地形や水域まで意のままに作り替えられる自由な建築システム

自由度の高い建築システムは、『Enshrouded~霧の王国~』の冒険と並び立つ大きな柱です。建築モードに入ってパーツを並べるだけのシンプルな操作体系に見えますが、実際には複雑な大型建築にも柔軟に対応でき、手持ちの素材量くらいしか制限がありません。地形編集ツールを使って周囲の土地を思い通りに整地できるため、建物を取り巻く環境にもValheim以上に自由に手を加えられます。
世界全体がボクセルで構築されているため、地形の改変も思いのままに進められます。山をくり抜いてトンネルを通したり、地面の高さを変えたり、さらには水を自在に操ることもできます。水域の水位を調整したり新しい水辺を作ったり、水中拠点さえ建造できるため、地形と水を組み合わせることで誰でも理想の住まいを形にできます。建築中は空中を飛行しながら作業できるため、巨大な建築物もストレスなく組み上げられます。
拠点に招いた職人たちは、外壁素材から膨大な家具や内装品に至るまで、多種多様な建材や設備を提供してくれます。序盤に作れるものは限られているものの、素材や設備をアンロックするにつれて作れるものの幅は驚くほど広がっていきます。拠点は単なるクラフト作業場にとどまらず、プレイヤーの創造性を存分に発揮できる空間であり、後述するように戦闘にも大きな恩恵をもたらします。
多彩なビルドと滑らかな戦闘だが立ち回りの変化には乏しい

キャラクター育成には、プレイヤーの工夫がしっかり反映される手応えがあります。決まったクラスは存在せず、代わりに広大な円形のタレントツリーが用意されています。見た目ほど複雑ではなく、割り振った1ポイントごとに確かな違いを実感できます。タンクやアーチャー、バーバリアン、メイジ、ヒーラーといった王道の役割を軸に、複数のルートをテンポよく伸ばしていけます。剣と盾の近接戦、弓による狙撃、魔法の詠唱はどれも手触りが明確に分かれています。近接スキルを習得すれば斬り上げ攻撃などでコンボが繋がり、両手持ちの重い棍棒や大剣による一撃の重みも爽快です。
戦闘システム自体に革新的な新しさはないものの、挙動は滑らかで動かしていて気持ちのよい仕上がりです。攻撃や回避、ガードがいずれもスタミナを消費するほか、拠点の快適度や食事、装備から得られるバフを重ねて強化できるため、建築やクラフトが戦闘力に直結する設計になっています。戦闘が最も盛り上がるのはボス戦です。各ボスには固有の行動パターンと弱点があり、Fell Monstrosityの放つShroud Breathを素早い回避攻撃で側面に回り込んでやり過ごしたり、Fell WispwyvernがFell Beetlesを呼び寄せて包囲してきた際にガードやパリィ、回避を総動員して切り抜けたりと、手応えのある攻防を楽しめます。
もっとも熱中できるのは序盤の数時間で、特に引っ掛けフックを攻撃へ組み込めるようになると立ち回りの面白さが一気に増します。冒険が進むにつれて敵の数や種類が増え、危険度も上がっていくものの、戦い方そのものは最初から最後まで大きく変わらないと感じる場面もあります。グライダーを交えた動きを除けば、新たな戦術や高度なプレイスキルを要求される場面は少なく、戦闘システムに深まり続ける進化を期待していると物足りなさを覚えるかもしれません。
マルチプレイで魅力が増す一方でソロでは手強さが際立つ難易度

『Enshrouded~霧の王国~』は1人でも楽しめますが、マルチプレイで仲間と遊ぶと面白さが一段と跳ね上がります。異なるビルドを育てた仲間とパーティを組めば、敵の群れやボスとの戦いに連携が生まれ、互いの強みを引き立て合えます。仲間がいる安心感も大きく、PCなら最大16人、PS5なら最大8人で1つのワールドを共有可能です。もともと長時間の素材集めを強いられない設計のため、人数が増えて攻略速度が劇的に加速するわけではありませんが、戦闘の楽しさは確実に増します。
アドベンチャーシェアリング機能のおかげで、プレイヤー同士が集まるハードルも低く抑えられています。作成したワールドをコミュニティサーバーへ公開できるため、フレンド同士で合流するのはもちろん、力作の拠点を公開している見知らぬプレイヤーのワールドを訪れて一緒に探検することも可能です。ここでも建築とマルチプレイが見事に融合しています。
手応えのある難易度調整により、最後まで緊張感を保って遊べる反面、その厳しさはソロプレイで如実に現れます。1人だと敵の集団に囲まれて押し切られやすく、大型モンスターの一撃で倒される危険もあるため、無理な特攻は禁物です。特にダンジョン攻略は単独プレイだとかなり骨が折れます。もっとも、極限の死にゲーや超難問パズルを求めるプレイヤーにとってはこれでも物足りなく映るかもしれませんが、ワールド設定から被ダメージや生存条件を細かく調整できるため、自分の腕前に合わせた遊び方が可能です。
ドラマチックな劇薬はないものの探索を通じて歴史を紐解ける

本作の物語は、イベントシーンで見せるのではなく世界そのものを探索することで語られます。各地で見つかる手記や書物を読み解くことで、世界の崩壊前後に何が起きたのかが徐々に浮かび上がってきます。シナリオ自体が賞を取るような傑作というわけではありませんが、世界に確かな歴史と生活感を吹き込んでおり、サバイバルサンドボックス作品としては類を見ない丁寧さです。シュラウドに覆われて立ち入りすら危険になる前、この地がどんな営みを持っていたのかを知る手がかりが豊富に用意されています。
ストーリーを楽しめるかどうかは好みが分かれるところです。『Enshrouded~霧の王国~』はドラマチックな展開でグイグイ引っ張るタイプの作品ではなく、クエストの演出も控えめです。エンバーベールを取り戻し再建するという目的は、未知の地域やダンジョンへプレイヤーを導く道しるべとして十分に機能しています。世界の過去に関心を持てる人であれば、探索中に見つかる断片的な記録から歴史を掘り起こす作業に惹きつけられるはずです。
世界の背景を把握しやすくするユニークな工夫も用意されています。ドイツ語版では、集めた300近い伝承の断片をゲーム内のプレイリストへ登録でき、移動中にDaniel Craigのドイツ語吹き替え声優による朗読を聞くことができます。敵が接近すると自動で一時停止し、周囲の安全が確保されると再開されるため、探索のテンポを崩さずに世界の背景を耳から楽しめます。
初回クリアまで100時間遊べる密度と引き換えに周回性は控えめ

遊ぶべきコンテンツには事欠きません。メインストーリーに加えて独自のサイドクエストが豊富に用意されており、ゲームシステムそのものもプレイヤーの目標を途切れさせません。通常の初回クリアまでおよそ100時間かかると見込まれ、マップを隅々まで遊び尽くすならさらに膨大な時間を費やせます。ただし、手作業で固定マップを作り込んだからこその代償もあります。最初の1周目を贅沢な体験にしている密度の高さが、最初からやり直す2周目以降の新鮮さを削いでしまう側面は否定できません。
現行機では安定して動くものの発売前ビルドには不安も残る
敵の引っ掛かりや経路探索の甘さといった細かい不具合を除けば、PC版とPS5版の『Enshrouded~霧の王国~』は非常に滑らかに動作します。検証に使用したPC(Ryzen 7800X3D、メモリ32GB、Radeon RX 7800XT)では、ほぼ最高設定のネイティブ解像度2560×1440において100FPS以上を維持し、シェーダーキャッシュの初回読み込み以降はカクつきも一切見られませんでした。
ただし、どのビルドでも一様に安定していたわけではありません。発売の数週間前に提供されたバージョン1.0のテストビルドではクラッシュが頻発し、目立つバグや不具合に加え、フランス語ローカライズの抜けなども散見されました。あくまで発売前ビルドでの検証結果であり製品版にそのまま当てはまるとは限りませんが、動作の安定性を重視するなら留意しておきたい情報です。
探索と建築のサイクルが秀逸で時間を忘れて没頭できる良作
『Enshrouded~霧の王国~』は、自信を持っておすすめできる優れた作品です。キャラクターの育成サイクル、自由度の高い建築、手作業で作り込まれた世界が互いに引き立て合っています。作業台を1つ置くたびに新たな可能性が開け、遠征のたびに確かな手応えが得られるため、100時間近くに及ぶ旅路も作業感を感じさせず充実した体験として楽しめます。RPG的な成長要素を備えたサバイバルクラフトや、地形や水辺まで作り替えられる自由な建築、立体的な隠し要素が詰まった高密度のマップ、そして役割分担が楽しい協力プレイを求めている人にはまさにうってつけの一本です。
ソロプレイを重視する場合は、敵の激しい猛攻やある程度の素材集めを考慮しておく必要がありますが、いずれもワールド設定で遊びやすく調整できます。一方で、自分が手を加えた地形や倒した敵が永続的に残る世界を望む人や、物語重視のドラマ、底なしの戦闘アクションの深み、毎回新鮮に遊べるランダムマップを求める人には慎重な検討をおすすめします。特にシュラウド内の時間制限に強いストレスを感じる人や、極限の難しさを期待する人にとっては、仕様そのものが購入を見送る理由になるかもしれません。
メディアの間でもいくつか評価が分かれた論点があります。Elixir Wellの攻略やボス討伐を確かな進歩として肯定的に捉えるメディアがある一方で、炎の祭壇の範囲外では1時間以内に変化がリセットされてしまう仕様を惜しむ声も上がっています。戦闘の手応えが最後まで維持されるかという点や、製品版に向けた動作の安定性についても意見が分かれており、実機での快適な動作が確認された一方で、発売前ビルドにおけるクラッシュの頻発を不安視する指摘も見られました。








製品情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ゲームタイトル名 | Enshrouded~霧の王国~ |
| 原題名 | Enshrouded |
| ジャンル | アクション, アドベンチャー, インディー, RPG, 早期アクセス, ファンタジー |
| プラットフォーム | PC(Steam), PlayStation 5, Xbox Series X|S |
| 発売日 | 2026年10月16日 |
| 価格 | Steam ¥4,840 |
| 体験版 | なし |
| 公式サイト | https://www.enshrouded.com |
| 開発元 | Keen Games GmbH |
| 発売元 | Keen Games GmbH |










