2025年11月20日に発売の『カービィのエアライダー』のメディアレビューが公開されMetacriticのメタスコアが集計されました。このページではMetacriticへ寄稿された『カービィのエアライダー』に対するゲームメディアのレビューを翻訳してまとめています。
メタスコアは70点台後半で、独自の操作システムとシティトライアルの中毒性が高く評価される一方、テンポの悪さや学習コストの高さで賛否がきれいに割れた結果になっています。良い点も気になる点もしっかり紹介していきますので、購入の参考になれば幸いです。
スマブラの血を引く、じゃじゃ馬コンバットレーサー
この『カービィのエアライダー』は、桜井政博氏が手掛ける22年ぶりの続編で、見た目のかわいさとは裏腹に「ブレーキでブーストを溜める」独特の操作が求められる異色のレースゲームです。たった1つのボタンで減速・ドリフト・敵の吸い込みまでこなす設計は、ハマれば「驚くほど満足感がある」と絶賛されていますが、マリオカートに慣れたプレイヤーほど最初は戸惑うかもしれません。最大16人でアイテムを集め合うシティトライアルはパーティーゲームの気軽さと対戦の熱さが同居した傑作モードですが、5分の準備に対して30秒で終わる決戦のテンポ、自動車教習所のように重いチュートリアルなど、手放しでは勧めにくい部分も確実にあります。「マーマイトのようなゲーム」と評されるほど好みが割れるタイトルです。
ワンボタンなのにクセになる、唯一無二の操作感
本作の最大の魅力は、Bボタンひとつで完結する操作体系にあります。アクセルは自動で進み、Bボタンでブレーキ・ドリフト・チャージ・敵の吸い込みまで管理するという、かなり攻めた設計。正直、最初は「なんでブレーキが加速につながるの?」と混乱すると思います。でも、チャージのタイミングがカチッとハマって爆発的に加速する瞬間を一度味わうと、この操作以外では走りたくなくなる不思議な中毒性があるんですね。
コース上の敵を吸い込んでコピー能力が得られるのも独自の面白さ。自動攻撃がつく「ソード」や圧倒的な旋回力を得る「ホイール」など、レース中に戦い方ががらっと変わります。「スマブラのレーシングゲーム版」と表現されることが多く、純粋な速さだけでなく駆け引きが重視される設計は、レースというより格闘ゲームのエネルギーに近いかもしれません。「同じボタンを何度も押すこと」と「同じボタンを様々なバリエーションで押して体験を楽しくすること」の違いを証明する見事なゲームデザインだ、という称賛も見られます。
シティトライアルの中毒性がとんでもない
もうひとつの大きな柱が、最大16人で巨大な浮島「スカイア」を駆け巡るシティトライアル。制限時間内にマシンの強化アイテム(パッチ)を拾い集め、最後にランダムで選ばれるスタジアム競技で勝負するバトルロイヤル的な構造です。
最初はただのアイテム拾い合戦に見えますが、マップの構造やパワーアップの出現パターンを覚えていくと「準備フェーズがリアルタイムのチェスに変わる」と評されるほどの戦術性が生まれます。他プレイヤーを攻撃してパッチを奪ったり、伝説のマシンパーツを3つ集めて強力な車両を完成させたり。8対8のチームバトルも可能で、パーティーゲームの気軽さと対戦ゲームの熱さが見事に両立しています。
750のタスクとカスタマイズが止まらない
ゲーム内には『スマブラ』を思わせる巨大な実績グリッドが存在し、750ものタスクが用意されています。どのモードで遊んでいても新しいライダーやマシン、デカールが次々とアンロックされていく「報酬の弾幕」は、プレイのモチベーションを途切れさせません。
マシンを選ぶだけでなく、乗るライダー(キャラクター)によって基本ステータスや特殊能力が変わるのもポイント。「機敏なリック」「火力の高いワドルドゥ」など、組み合わせ次第で操作感がまったく変わるので、レースの反復感を打ち消してくれます。マシンには最大20個のデカールやステッカーを貼れるカスタマイズ要素もあり、レース以外でも時間が溶けていきますね。
ただ、気になるところもしっかりあります
カービィなのに教習所レベルの学習コスト
見た目はとびきりかわいいカービィなのに、操作の学習コストがかなり高い。これは多くのメディアが指摘している点です。「ブレーキをかけてブーストを溜める」仕組みはマリオカートに慣れたプレイヤーほど直感に反するはず。ゲーム側も11ステップの詳細なレッスンモードを用意しているんですが、レビュアーからは「ゲームを楽しむ前に自動車教習所のような濃密な講習を受けさせられるようだ」と表現されていました。マリオカートのような即効性のある楽しさを期待する層には、かなりのフラストレーションになりそうです。
さらに、ローカル対戦ではマシンのステータスが画面に表示されないというUIの問題もあります。ブースト機能がない「Wagon Star」のような特殊なマシンの仕様が初心者には伝わらず、友人を誘って遊ぶ場面で不必要にわかりにくい体験を生んでしまっています。
テンポの悪さがじわじわ効いてくる
シティトライアルは間違いなく面白いんですが、デフォルト5分間のアイテム収集に対して最終決戦が30秒〜1分で終わるのはバランスとして疑問が残ります。「長い準備の割に結末があっけなさすぎる」という不満は、かなり多くのレビューで共通していました。
また、ミニゲームやレースが極端に短いため「実際にプレイしている時間よりもロード画面を見ている時間の方が長く感じる」という声も。メインのエアライドモードにグランプリやトーナメント形式がなく、1レースごとの単発プレイしかないのも物足りなさの一因。繰り返し遊ぶゲームだけに、このテンポの悪さはじわじわ効いてきます。
画面がカオスすぎて目が追いつかない
シティトライアルの終盤や起伏の激しいコース「Waveflow Waters」では、複数プレイヤーの攻撃エフェクト、アイテム、敵キャラクターが画面に溢れかえります。カメラがアクションに追いつけなくなる場面もあり、レビュアーはこれを「感覚の過負荷」と呼んでいました。「まばたきをして視覚の感覚を取り戻さなければならなかった」という苦言もあり、パーティーゲーム的なドタバタを楽しめるかどうかは好み次第ですね。
評価がパックリ割れているポイント
ストーリーモード「ロードトリップ」はアリかナシか
ひとり用のロードトリップは、3つのルートから選んで進むローグライト風のモード。専用通貨「ロードマイル」でマシンを強化しながら進んでいきます。
肯定派は「初心者がスキルを磨くのに最適な安全な環境」「美しいカットシーンがご褒美として機能する」と評価。『スマブラX』の「亜空の使者」に似たRPG的な進行を楽しめる人には刺さるモードです。
一方、否定派は「ただ過去のモードの切り貼りを強制されているだけ」「退屈で、無意味なSFストーリーを見せられるだけ」とかなり手厳しい。序盤の難易度が低すぎて緊張感がなく、じっくりした育成を楽しめるか手っ取り早いレースを求めるかで、評価が真っ二つに分かれています。
見下ろし型「ウエライド」、刺さる人には刺さる
『RC Pro AM』や『Micro Machines』を思い出す見下ろし型のウエライドモード。最大8人の対戦はアーケードゲーム的な楽しさがあり、レトロゲーム好きには確実に刺さります。
ただ、メインのエアライドに比べるとマシンの個性が反映されにくく、「メインメニューに堂々と置くようなものではなく、数回遊べば飽きるサイドディッシュ」と見る意見もあります。好意的な評価はレトロゲームに親しみのある層に偏る傾向がありますね。
マリオカートがある世界で、本作を選ぶ理由
多数派は「アイテムの運ではなくスキルが報われるタイトな設計」を高く評価しており、マリオカートをアンインストールしたとまで語るレビュアーもいます。「マリオカートが寛容なゲームだとしたら、本作は無慈悲だ。プレイヤーは”汚く戦う”必要がある」というのは言い得て妙です。
少数派ですが、「22年前のゲームキューブ版が持っていた欠陥のあるコンセプトをそのまま引き継いでいる」「王道のマリオカートがある中で、わざわざ操作の難しい本作を選ぶ理由がない」という冷ややかな分析もあります。
メディアレビュー紹介
高評価
Siliconera — 100
マリオカート最新作よりも断然面白い!本作の真髄は豊富なモード群にある。「Road Trip」はチュートリアル後から遊び尽くせる神モードだ。さらに「City Trial」の熱狂バトルや、ステッカー等を用いた奥深いマシンカスタマイズなど、報酬の連続がもたらすドーパミンが止まらない大傑作である。
→ レビューを読むDualShockers — 95
前作の不満を完全に払拭する21人のキャラと20種以上のマシンがもたらす戦略性がたまらない。「City Trial」のPvPvEのカオスな楽しさは健在で、ミニゲームが選べるようになった恩恵は計り知れない。膨大なアンロック要素と750ものタスクが用意された、今年最高のレーシング体験だ。
→ レビューを読むTierraGamer — 91
桜井政博の天才的なゲームデザインが光る傑作。基本はボタン一つというシンプルさでありながら、奥深い駆け引きを生み出している。キャラやマシンの育成要素が秀逸で、膨大なアンロック要素がリプレイ性を高めている。単なるレースゲームの枠を超えた、圧倒的で濃密なカオスと楽しさが詰まった一本である。
→ レビューを読む
低評価
Metro GameCentral — 40
22年前の失敗作から全く進歩していない。自動加速の操作性は直感的でなく、11段階もの長ったらしいチュートリアルを強要される。「City Trial」は5分間も退屈なステータス強化をさせられた挙句、数分のミニゲームで全てが無駄になる理不尽さだ。奇妙で中身のない、近年で最も不可解な任天堂作品である。
→ レビューを読むDigitally Downloaded — 70
スイッチ2の年末商戦を埋めるための凡作だ。自動加速と1ボタンでの操作は楽しいものの、全体として他ゲームの没案にカービィの皮を被せたような寄せ集め感が否めない。「Road Trip」は小説『死のロングウォーク』を思わせる不気味さがあり、長期的な魅力に欠ける暇つぶし程度の作品である。
→ レビューを読むTheSixthAxis — 70
特異な魅力はあるものの、ペース配分の悪さが致命的だ。目玉の「City Trial」はアイテム集めの時間が長すぎる一方で、最終決戦のスタジアムイベントが数十秒で終わるため徒労感が残る。さらに乱戦時のカメラワークは視覚的な混乱を招き、「Road Trip」モードも簡単すぎて手応えに欠けている。
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まとめると
- ワンボタン操作は最初こそ戸惑うが、ハマれば唯一無二の手触り
- 最大16人のシティトライアルはパーティーゲームと対戦ゲームの良いとこ取り
- 750のタスクとカスタマイズで長く遊べるやり込み要素は豊富
- カービィの見た目に反して学習コストがかなり高い。マリオカート的な気軽さはない
- シティトライアルの「5分準備→30秒決着」のテンポの悪さは要改善
- ストーリーモード「ロードトリップ」は賛否が真っ二つ
- 画面のカオスさとカメラの追従性は好みが分かれる
- グランプリやトーナメントがなく、レースモードの構造は物足りない
製品情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | カービィのエアライダー(Kirby Air Riders) |
| ジャンル | ライドアクション |
| 発売日 | 2025年11月20日 |
| 対応機種 | Nintendo Switch 2 |
| プレイ人数 | 1〜16人(モードにより異なる) |
| ディレクター | 桜井政博 |










