【メタスコア】『Dreams of Another』メディア評価レビュー

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2025年10月10日に発売の『Dreams of Another』のメディアレビューが公開されMetacriticのメタスコアが集計されました。このページではMetacriticへ寄稿された『Dreams of Another』に対する海外ゲームメディアのレビューを翻訳してまとめています。

メタスコアは50点台後半と厳しい結果になっています。銃で世界を「創造」するという独創的なコンセプト印象派絵画のようなビジュアルは高く評価されているものの、ゲームプレイの単調さやストーリーの難解さなど課題も多く指摘されました。購入の参考になれば幸いです。

美しい夢の残骸を、ひたすら撃ち続けるだけの時間

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https://www.metacritic.com/game/dreams-of-another/metacritic.com

この『Dreams of Another』は、銃で撃つことで世界を「破壊」するのではなく「創造」するという、かなり尖ったコンセプトのアートゲームです。プレイヤーは「パジャマの男」となり、アサルトライフルやグレネードを使って、泡のようにぼやけた抽象的な世界を具現化していきます。

ビジュアルは本当に美しくて、Point Cloud(点群)技術を使った映像は「動くモネの絵画のよう」とまで言われています。Baiyon氏が手がけたサウンドトラックも素晴らしく、ピアノやシンセサイザーのアンビエントな音楽が夢の世界にぴったり寄り添ってくれます。

ただ、その美しさが通用するのは最初の30分くらいかもしれません。それ以降はR2ボタンを押し続けて泡を撃つだけの単調な作業になってしまい、敵に倒される緊張感もなく、物語は細切れで意味がつかめない。「気取ったシミュレーター」という辛辣な声が出るのも、正直うなずけてしまう評価です。

ひたすらR2を押し続ける「作業」になってしまうゲームプレイ

本作の最大の問題点として、ほぼすべてのレビュアーが口を揃えるのがゲームプレイの単調さです。世界を撃って具現化するシステムは最初こそ新鮮で楽しいものの、その驚きは開始直後にピークを迎え、あとは同じことの繰り返しになってしまいます。

プレイヤーを脅かす敵やゲームオーバーという概念がそもそも存在しないため、緊張感が一切ありません。新しい武器を手に入れても、広い範囲の泡をまとめて消せるようになるだけで、遊び方自体は何も変わらない。しかも複数の夢のシナリオで同じエリアに何度も放り込まれ、そのたびにまた同じ泡を撃って環境を復元させられるので、徒労感がどんどん溜まっていきます。あるレビュアーは「『PowerWash Simulator』のようなカタルシスがある」と好意的に表現していますが、多くのメディアにとっては退屈な作業としか映らなかったようですね。

シーンが終わるたびにベッドに戻される、細切れすぎる進行

ゲームの構造面も大きな不満の対象になっています。短いシナリオ(数分程度で終わることもある)をクリアするたびに、風景が唐突に溶けて消え、主人公が眠っているメインメニュー画面に強制的に引き戻されます。「夢の断片的な性質」を表現する意図は理解できますが、これがあまりに頻繁に起こるため、プレイヤーは方向感覚を失い、物語にのめり込む前に中断されてしまう。

一部のシーンでは歩行速度が極端に遅く設定されていて、これも「感動を高めるわけでもなく、ただ煩わしいだけ」と批判されています。

声優の演技と「エセ哲学」な台詞が苦痛

サウンドトラックが絶賛される一方で、英語音声の演技は「全く感情がない」「信じられないほど酷い」と散々な評価です。夢の中の非日常感を狙って意図的にゆっくり喋らせているのかもしれませんが、結果としてストーリーをただ退屈なものにしてしまっています。

さらに追い打ちをかけるのが、無機物との会話で展開される台詞の内容です。「ドアは開くために存在するのか、閉じるために存在するのか」といった問いかけが次々と飛び出してくるのですが、これが「大学の哲学の授業を初めて受けた学生の語り口」と揶揄されるほど気取った内容で、下手な演技と組み合わさると、テキストをスキップしたくなるプレイヤーが続出したそうです。

VR対応は「後付け感」が否めない

本作はPSVR2にも対応していますが、こちらの評価も厳しいものでした。VRで一人称視点を楽しんでいても、NPCとの会話やカットシーンのたびに三人称視点の「シネマティックモード」に強制的に切り替えられてしまいます。これが頻繁に起こるため、VRならではの世界に入り込む感覚は台無し。

武器の切り替えやリロードもすべてボタン操作で、自分の手で銃を操作するような物理的なインタラクションはほぼありません。「元々VR向けに設計されたわけではなく、後付けで対応させただけ」という印象を受けるのは避けられないかもしれません。

ただ、光る部分はたしかにある

「動くモネの絵画」と称されるビジュアルとサウンド

ここまで厳しいことを書いてきましたが、ビジュアルとサウンドの美しさだけは文句なしです。Point Cloud技術を使ったグラフィックは「点描画」「油絵のテクスチャ」と表現される独特のルックを持っていて、無数のドットが弾丸によって調和し、形を成していく様子は「私たちの夢や記憶が時間とともにどのようにぼやけていくかを示す完璧な視覚的メタファー」とまで評されています。

Baiyon氏自らが手がけたサウンドトラックも、穏やかなピアノ曲からボス戦でのアップテンポなシンセビートまで多彩で、「キャラクターの脳内に直接入り込んだかのような」体験を生み出しています。ゲームとしてはともかく、映像と音楽の作品としては間違いなく一級品ですね。

無機物の「感情」に耳を傾ける不思議な探索

もうひとつユニークなのが、具現化した世界のドアやベンチ、ゴミ箱といった無機物の「感情」を聞くことができるという仕様です。エドワード・B・タイラーの「概念的アニミズム」にも例えられるこのシステムは、環境そのものが囁く記憶に耳を傾けるという独特の探索動機を生み出しています。台詞の内容については賛否が分かれるところですが、発想自体はかなり面白いと思います。

「アート」か「退屈」か、評価が真っ二つに割れるストーリー

本作の物語は「破壊なくして創造なし」という哲学的テーマを軸に、断片的な夢の世界を渡り歩きながら、主人公や「彷徨う兵士(Wandering Soldier)」の自己や記憶を問うものです。この部分については、メディアの評価がきれいに割れています。

肯定派は、PS3時代の『Journey(風ノ旅ビト)』や『Rain』の系譜にある「ビデオゲームという媒体を使った大胆な芸術表現」として評価しています。最初は支離滅裂に思える水族館の魚や遊園地のピエロといった夢の断片が、終盤に向けて繋がっていく構成を見事だと称え、映画『インセプション』や『ウェイキング・ライフ』に例える声もありました。

一方で否定派は、「現代アートのギャラリーで意味のわからない作品を見せられている気分」と一蹴しています。文脈のない話を延々と聞かされ、「自分が何をしているのかすら分からなくなる」という不満が目立ちます。哲学的とされるテーマについても「中身のない思春期のポエム」「鼻につくエセ哲学」と厳しい声が多く、全体としては否定派が多数を占めている印象です。細切れな見せ方と過剰にポエティックな台詞が原因で、テーマに共感する前に退屈さが勝ってしまったという結論ですね。

メディアレビュー紹介

高評価

Noisy Pixel — 85
「破壊なき創造はない」という哲学を見事に体現した傑作だ。弾丸でオーラの霧を晴らし、世界を創り出す体験は革新的で圧倒的なカタルシスを生む。「パジャマの男」と「放浪の兵士」が織りなす物語は、実存主義的な深いテーマを提示している。観覧車を撃ち落とす激しい戦闘など、PS3時代の実験作を彷彿とさせる熱狂的な体験である。
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Impulsegamer — 80
実存的で瞑想的なシューターの傑作である!銃弾で抽象的な夢の世界を再構築する体験は非常に奇抜で魅力的だ。海に憧れる水族館の魚との対話や、遊園地の乗り物との奇妙なボス戦など、不条理で美しい夢の論理が見事に表現されている。芸術としてのゲームを愛する者には絶対に見逃せない至高のアート作品だ。
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GameBlast — 75
銃弾で世界を創り出す斬新な射撃システムと「破壊なき創造」の哲学が融合した魅力的な実験作である。「パジャマの男」として、忘れ去られたゴミ箱の感情に耳を傾ける旅は非常に心地よい。秀逸な音楽と不鮮明なピクセルアートが織りなす圧倒的な個性は、プレイヤーの心に忘れられない爪痕を深く刻み込むはずだ。
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低評価

TheSixthAxis — 30
私が経験した中で最も不可解で最悪なゲームだ。泡の雲を撃ち世界を復元するだけの単調な作業が続き、意味不明なモグラのシーンを5回も繰り返し見せられるのには耐え難い。頻繁にメインメニューへ戻される不格好な進行や、酷すぎる声優の演技が没入感を完全に破壊している。VRの操作性も劣悪で、退屈と不満しか残らない。
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Push Square — 40
ポイントクラウドの視覚表現は個性的だが、環境を撃ち続ける単調な作業にはすぐ飽きる。物語の語り口も支離滅裂だ。突然メインメニューに強制送還されるなど、プレイヤーを混乱させる不快な構成が目立つ。陰鬱で遅すぎる声優の演技も相まって、製作者の独りよがりなメッセージだけが虚しく空回りしている、退屈極まりない作品だ。
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Gamesurf — 45
R2ボタンを押し続ける苦行を強いる、面白みのない単調なシューターだ。思春期の学生が書いたような陳腐な哲学が鼻につき、ドアやベンチなどの無機物に語らせる「概念的アニミズム」の設定も完全に滑っている。本作を「芸術」と呼ぶのは自由だが、大人にとってはただ退屈で時間を浪費するだけの空虚な代物である。
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まとめると

  • 銃で「破壊」ではなく「世界を創造する」という唯一無二のコンセプトは非常に革新的
  • Point Cloud技術による印象派絵画のようなビジュアルは文句なしに美しい
  • Baiyon氏によるアンビエントなサウンドトラックが夢の世界観を完璧に演出している
  • ただしゲームプレイは開始30分で飽きるほど単調で、R2ボタンを押し続けるだけの作業になる
  • 敵もゲームオーバーもなく、新武器を得ても遊び方が変わらないため緊張感が皆無
  • シーンが終わるたびにメインメニューへ戻される細切れの進行構造がテンポを著しく乱している
  • 英語音声の演技は感情が乏しく平坦で、気取った台詞回しと合わさり苦痛
  • PSVR2対応は視点の強制切り替えが頻発し、VRならではの体験として不完全
  • ストーリーは「瞑想的なアート体験」と「意味不明なエセ哲学」で評価が真っ二つ
  • アートゲームとしての志は認められるが、ゲームとしての面白さが決定的に足りない

製品情報

項目詳細
タイトルDreams of Another
ジャンルアートアドベンチャー / シューティング
発売日2025年10月10日
対応機種PS5 / PSVR2
開発Q-Games(クリエイティブディレクター:Baiyon / 倉光智久)
プレイ人数1人

メタスコアについて

Metacriticで集計されているゲーム評価のスコアです。大手メディアに投稿されたレビューのスコアを平均された数値になります。メタスコアは大きく変わる機会は少ないですが、集計サイトが増えるにつれて頻繁に変動します。

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神ゲー良ゲー凡ゲー低評価爆弾持ち