Q-Games Ltd.より2025年10月10日に発売された、PlayStation®5、PCに対応のアクション・アドベンチャー『Dreams of Another(ドリームズ・オブ・アナザー)』のメディアレビュー総まとめページです。
総合評価
SCORE
61
Metacriticで集計されているゲーム評価のスコアです。大手メディアに投稿されたレビューのスコアを平均された数値になります。メディアスコアは大きく変わることは少ないですが、集計サイトが増えるにつれて頻繁に変動します。
90 | 80 | 70 | 60 |
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神ゲー | 良ゲー | 凡ゲー | 問題あり |
本作は、その独創的なゲームシステムと芸術性が高く評価される一方で、物語の進め方やゲームの構造が原因で、メディアの評価が大きく分かれる結果となりました。一部では10点満点中8.5点といった高得点を記録する一方、別のメディアでは10点満点中4点という低い評価が下されており、プレイヤーによって感想が大きく異なる作品であることが示されています。
評価されている点は、主に「撃って世界を創造する」という新しいゲームシステムと、芸術的な表現力です。一般的なシューティングゲームとは異なり、銃を撃つことで抽象的な世界が具体的な形を成していくという、破壊ではなく創造を目的としたゲームプレイが、新鮮な体験として評価されています。また、独特なビジュアルと、それに合わせて作られた音楽が一体となり、他に類を見ない世界を作り上げています。さらに、道端の物に触れると、その物の「感情」が聞こえるという仕組みも、世界に個性を与える要素として好意的に受け止められています。
一方で、評価を下げた主な原因は、物語の分かりにくさとゲーム進行の単調さです。物語は断片的に語られ、プレイヤーの意図しないタイミングで頻繁に中断しメインメニューに戻されるため、話の流れを理解するのが難しいという意見が多く見られました。また、敵やゲームオーバーといった概念がなく、プレイヤーに危険が一切及ばないため、緊張感や目標を達成した時の喜びが感じにくいという指摘もあります。ゲームの中心となる「撃って創造する」行為も、繰り返すうちに単調な作業に感じられてしまうという問題点が挙げられています。
結論として、『Dreams of Another』は、シューティングゲームの常識を覆すユニークなアイデアと、視覚・聴覚でプレイヤーに訴えかける強い個性を持った作品です。しかし、その抽象的でゆっくりとしたゲーム進行と断片的な物語の提示方法は、明確な目標や一貫した物語を求めるプレイヤーにとっては、退屈で分かりにくい体験となり、評価が分かれる要因となっています。
評価ポイント
「破壊なくして創造はない」というテーマを基にした、新しい射撃の仕組みが評価されています。一般的なTPS(サードパーソンシューティングゲーム)のように武器で何かを「破壊」するのではなく、弾丸を撃ち込むことで抽象的な夢の世界を「創造」していきます。弾丸は景色や壁などを形作る道具となり、世界の断片を明らかにしたり、パズルを解いたり、物語を進めるために使われます。この常識を覆す独創的なゲームプレイが支持されています。
- 撃つたびに世界が形作られていく達成感
- 霧状の粒子や抽象的なものに発砲すると、新しい物体や通路が目の前に現れます。一発撃つごとに世界が具体的に形作られていく様子は、プレイヤーに大きな満足感を与えます。
- 油絵のような質感とピクセルが融合した独特なグラフィック
- 油絵のようなテクスチャと、意図的にピクセル化しぼかした表現を組み合わせています。この個性的で記憶に残りやすい美術スタイルが、シュールな世界の雰囲気を強めています。
- 映像、物語、音楽の調和
- 監督自身が作曲した実験的な音楽が、映像や物語と完全に一体化しています。環境音やかすかなささやき、抑えめのBGMが美しいグラフィックと合わさり、まるでキャラクターの頭の中に入り込んだかのような感覚を生み出します。
- 断片的な物語が一つに収束していく構成
- 物語は初め断片的に語られますが、最終的には一つにまとまり、プレイヤーを納得させる展開が待っています。罪悪感や忘却といったテーマを扱い、プレイヤーに考えさせる内容になっています。
- オブジェクトに触れると感情が聞こえる仕組み
- この夢の世界では、ドアなどの物に触れると、その物が抱く感情や思考を短い言葉として聞くことができます。これらの言葉が、風景に魂を吹き込むような役割を果たしています。
- 夢のループ構造による探索の楽しさ
- ゲームは突然メインメニューに戻される夢のループ構造になっています。この繰り返しを受け入れると、何かを発見する感覚がやみつきになり、世界を撃って形作る行為は、心地よい瞑想的な体験となります。
- 敵やペナルティが存在しない安心感のあるゲームデザイン
- 主人公を傷つける敵や、ゲームオーバーのような失敗する状況が存在しません。ペナルティもなく、急かされることもないため、普段ゲームを遊ばない人でも安心して楽しめる入門的な作品になっています。
- 音がプレイヤーを導くサウンドデザイン
- 監督が手掛けたサウンドトラックは、意図的に無音の時間を作ることで、遠くのピアノの音やささやき声といった、ゲームを進める上で手がかりとなる音を際立たせています。
不評ポイント
物語が複数の筋書きで断片的に語られるため、話の展開を追いにくい点が最も多く指摘されています。プレイヤーがある物語に集中し始めると、突然別の夢の世界に切り替わってしまいます。この構成は非常に分かりにくく、混乱を招きます。加えて、プレイヤーの意図しないタイミングで頻繁にメインメニューへ戻されるため、ゲームのテンポが損なわれ、感動的な場面への集中が妨げられています。
- ゲームプレイが単調な作業になりやすい
- 各章で「エリアに入り、泡や敵を全て撃ち、オブジェクトと対話し、カットシーンを見る」という同じ流れを繰り返すため、ゲームプレイが変化に乏しい作業のように感じられます。
- 新しい武器が登場しても単調さが解消されない
- ゲームの途中でグレネードやロケットランチャーといった新しい武器が使えるようになりますが、これらが追加されてもゲーム進行の退屈さは変わりません。
- テンポが悪く、冗長に感じる場面が多い
- 一部の物語は不必要に長く引き延ばされているように感じられます。また、キャラクターの話し方も極端に遅いため、ゲーム全体のテンポが悪く、退屈に感じられることがあります。
- 簡単すぎてやりごたえがない
- 主人公がダメージを受けることがないため、ゲームに緊張感がありません。敵やゲームオーバーもないため、挑戦や成長といった要素が感じられず、受け身な体験になりがちです。
- 盛り上がりに欠けるボス戦
- ボスはプレイヤーに危害を加えることがなく、プレイヤーは弱点を撃つための正しい角度を見つけるだけです。そのため、ボス戦は山場としての盛り上がりに欠け、ほとんど挑戦になりません。
- 次に何をすればいいか分かりにくい
- ゲーム内での案内が最小限なため、探索中に道に迷いやすく、目的を見失いがちです。明確な物語や目的を求めるプレイヤーは、混乱したり退屈に感じたりする可能性があります。
- 登場人物のセリフが気取っていて分かりにくい
- 特に無生物のセリフは、哲学を気取っているように聞こえ、独りよがりで空虚に感じられます。こうした分かりにくい会話は、プレイヤーを物語から遠ざけてしまいます。
- やりこみ要素が少ない
- 「New Game+」モードでは一部のデータしか引き継げず、特定のチャプターを選んで再プレイすることもできません。そのため、クリア後にもう一度プレイする意欲が湧きにくいです。
- 収集要素のメニューが直感的でなく実用性に欠ける
- 集めた声や思考を記録する「感情メニュー」は、構成が分かりにくく直感的に操作できません。そのため、収集したものを振り返るのが難しく、実用性が低いです。
- 強制的にゆっくり移動させられるなど、イライラさせる演出がある
- 特定の場面でカタツムリのような速度で歩くことを強制されたり、退屈な作業を何度も繰り返させられたりするなど、プレイヤーを苛立たせる意図的な遅延演出があります。
メディアレビュー
- Noisy Pixel[85]
- GameBlast[75]
- Loot Level Chill[70]
- UploadVR[60]
- Gamereactor UK[60]
- Finger Guns[50]
- ElDesmarque[45]
- Push Square[40]
- The Games Machine[73]
- Tech-Gaming[68]
- GameGrin[45]
製品情報
項目 | 概要 |
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タイトル (日本語) | Dreams of Another(ドリームズ・オブ・アナザー) |
タイトル (英語) | Dreams of Another |
ジャンル | アクション,アドベンチャー,インディー |
開発元 (Developer) | Q-Games Ltd. |
販売元 (Publisher) | Q-Games Ltd. |
発売日 | 2025年10月10日 |
プラットフォーム | PlayStation 5,PC |
プレイ人数 | 1人 |
日本語(インターフェース) | 対応 |
日本語(字幕) | 対応 |