2025年10月30日に発売の『ドラゴンクエストI&II HD-2D リメイク』のメディアレビューが公開されMetacriticのメタスコアが集計されました。このページではMetacriticへ寄稿された『ドラゴンクエストI&II HD-2D リメイク』に対する海外ゲームメディアのレビューを翻訳してまとめています。
メタスコアは80台半ばで、全体としては好評寄り。特に『ドラゴンクエストII』の大幅なパワーアップが高く評価されている一方、『ドラゴンクエストI』の戦闘バランスに関しては厳しい意見も見受けられます。購入の参考になれば幸いです。
かつての「問題児」が、シリーズ屈指の傑作に化けた




この『ドラゴンクエストI&II HD-2D リメイク』は、ロト三部作の完結を飾るにふさわしいリメイクです。特に『ドラゴンクエストII』の進化は目覚ましく、原作では淡白だったキャラクターに人格とボイスが吹き込まれ、ストーリーは「現代でも通用する群像劇」に生まれ変わっています。HD-2Dのグラフィックとオーケストラ音源も文句なしの完成度。
ただし、手放しで絶賛できるかというとそうでもないです。『ドラゴンクエストI』の戦闘バランスは「運ゲー」と呼ばれるほど荒削りで、後半のボス戦は何度やり直しても乱数次第という声が多い。エンカウント率の高さや、ボイスが入っている場面と入っていない場面の落差も気になるところ。とはいえ、2作品セットでこの完成度は「買い」と言える内容です。
『ドラゴンクエストII』が完全に主役
今回のリメイクで最も評価されているのは、間違いなく『ドラゴンクエストII』です。
オリジナル版の『II』はシリーズの中でも「厄介者」扱いされることが多かった。理不尽なバランス、ヒントの少なさ、ロンダルキアへの道のりのキツさ。そういった悪名が先行していたタイトルですが、今回のリメイクでシリーズ屈指の傑作に変貌したと言っていい。
まず、キャラクター描写が劇的に変わっています。サマルトリアの王子はお調子者だけど憎めない性格に。ムーンブルクの王女は家族と故郷を奪われた悲しみを胸に、復讐心から成長していく姿が丁寧に描かれている。パーティ内の会話も豊富で、レビュアーからは「愉快で愛すべき寄せ集め集団」と称されています。『XI』のような現代のドラクエが持つ「仲間との旅の楽しさ」を、レトロな枠組みの中で見事に再現しているんですね。
さらに4人目の新キャラクターとしてサマルトリアの王女が参戦。兄想いで行動力があり、すばやい動きと特技でパーティの穴を埋めてくれる。「彼女が最初からいなかったとは信じられないほど自然に馴染んでいる」という評価がそのまま彼女の存在価値を物語っています。
一人で群れに立ち向かう、あの緊張感
『ドラゴンクエストI』の戦闘も大きく変わりました。原作は「1対1の決闘」が基本でしたが、今回は主人公一人で複数のモンスターと同時に戦う仕様になっています。
これが思った以上に効いている。単純に攻撃と回復を繰り返すだけでは通用しなくなり、新アイテム「巻物」で覚えた範囲攻撃呪文やデバフを使い分ける必要が出てくる。「どの敵から倒すか」「回復に1ターン使う余裕があるか」を毎回真剣に考えることになります。
正直なところ、ボリュームや完成度では『II』に大きく差をつけられていて、「『I』は『II』のためのボーナスコンテンツのように感じる」という声もあるほど。ただ、たった一人で世界に立ち向かう緊張感は、この戦闘変更によって確実に際立っています。
紋章と巻物で、自分だけのビルドを組める
探索のモチベーションを大きく引き上げているのが、新システムの紋章と巻物です。
紋章は「太陽」「星」「月」「水」「命」の5つ。ただのパッシブバフではなく、特定の条件を満たすと特技や呪文が変化して超絶技になるという仕組みです。例えば「いのちの紋章」を持っていると、ある条件下で技が超強化される。「見つけたらラッキー」ではなく、「見つけたら戦い方が変わる」レベルの影響力があります。
巻物のほうは、本来そのキャラクターが覚えない呪文や特技を習得させるアイテム。マップ上の隠しスポットや宝箱から手に入るので、フィールドを隅々まで探索する理由がちゃんと用意されている。プレイヤーごとに違うパーティ育成ができるのは、原作にはなかった楽しさです。
HD-2Dの到達点と、オーケストラの破壊力
グラフィックについては、もう文句のつけようがないレベル。ドット絵のキャラクターと3D背景の融合がシリーズ最高の完成度を見せています。
ワールドマップの光の表現、水面の反射、戦闘中の呪文エフェクトの粒状感。どれも「レトロなのに美しい」を高レベルで実現している。『III』のHD-2Dリメイクと比べても、『I・II』のほうが視覚的に明るくカラフルで、『オクトパストラベラー』的な暗さを感じさせないという声もあります。
これに東京都交響楽団によるオーケストラ音源が乗るわけで、フィールドを歩いているだけで「壮大で感情的な体験」が得られる。モンスターを倒したときの効果音やアニメーションも丁寧に作られていて、戦闘の気持ちよさに貢献しています。
ロト三部作が「点」から「線」になる
『ドラゴンクエストIII HD-2D リメイク』の後にプレイするという前提で設計されたストーリー構成も見事。随所に追加されたカットシーンやエピソードにより、ロトの伝説がどう継承され、アレフガルドの歴史がどう動いたかが鮮明に描かれるようになりました。
『I』では精霊ルビスが主人公の夢に現れて導きを与えたり、「ルビスのお守り」を作るクエストが追加されていたり。『II』の物語は『III』のエンディングと密接にリンクしていて、シリーズを通してプレイした人にとっては「バラバラだった点が一本の線になる」というカタルシスが味わえます。
じゃあ何がマイナスなのかというと
『ドラゴンクエストI』後半の「運ゲー」は正直キツい
ここが今回のリメイクで最も批判されているポイント。『I』後半の戦闘バランスが大味すぎるんです。
主人公は一人なのに敵は複数で出てきて、さらに後半のボスは1ターンに複数回行動してくる。痛恨の一撃を食らう、眠りや麻痺を受ける、それだけでリカバリーの手段がないままゲームオーバー。どれだけレベルを上げても、最終的には乱数のご機嫌次第で勝敗が決まることがある。
あるレビュアーはこのバランスを「最悪」と断じていて、戦略よりも忍耐力が試されるゲームになっているという声も否定できません。オートセーブのおかげでやり直し自体は楽になっていますが、「何度やっても運が悪いと負ける」という構造自体は変わっていないかもしれません。
エンカウント率が高すぎて、探索のテンポが崩れる
特に『ドラゴンクエストII』で顕著なのが、ランダムエンカウントの頻度の高さ。5〜6歩歩くたびに戦闘が発生するように感じるほどで、広大なマップやダンジョンを探索する意欲がガリガリ削られていく。
魔除けの聖水やトヘロスを使っても効果時間が短く、完全に敵を遮断できないケースもある。ファストトラベルが充実していても、移動すること自体がストレスになる場面はそれなりにあります。海底洞窟あたりは、探索のワクワク感よりも徒労感が勝ってしまうことがあるかもしれません。
ダンジョンの構造は「昔のまま」
グラフィックは見違えるほど美しくなったんですが、ダンジョンの構造自体は原作に忠実。つまり現代の視点で見ると、視覚的なギミックやパズル要素に乏しいまま。分岐のある一本道を歩かされているだけの「迷路」感が否めません。
エンカウント率の高さも相まって、特に『II』の海底洞窟あたりは「このダンジョン、いつ終わるんだろう」という気持ちになりがちです。HD-2Dで美しくなった分、レベルデザインの古さが余計に目立ってしまう部分でもあります。
ボイスの「まだら感」は好みが分かれる
ボイス演技自体は素晴らしいです。特に『II』のパーティ間の掛け合いは、キャラクター性が高くなって魅力的。一方で『I』の主人公は喋らないままなんですが、「うなずきとジェスチャーだけで王国全体を味方につけてしまう」と評されていて、これはこれで味がある。
ただ、ボイスがあるシーンとないシーンの落差が激しい。重要な会話であってもパートボイスだったり、いきなり無音になったりする箇所が散見されます。フルボイスに近い体験を期待していると、演出の中途半端さに肩透かしを食らうかもしれません。逆に「ドラクエは元々テキスト中心だし、部分的にボイスがあるだけでも十分」と感じる人もいるでしょう。
ガイドの親切さは嬉しい? それとも「やらされ感」?
目的地のマーカー表示やガイド機能の充実は、現代のプレイヤーにとってはありがたい追加要素。「何をすればいいかわからない」というストレスが解消され、スムーズに物語を楽しめるようになっています。
一方で、この親切さが原作の魅力を損ねているという声もあります。「情報がない中で世界を探索し、ヒントを繋ぎ合わせて答えを見つける」というのがドラクエの冒険の本質だったわけで、マーカーに従って移動するだけの「お使い」感が増したと感じるオールドファンもいる。特に『I』は元々短いゲームなので、迷う要素がなくなるとあっという間に終わってしまうという指摘は理解できますね。
『II』の追加コンテンツについても同様で、物語を補完する最高の拡張だという声と、本編を引き伸ばすための「水増し」だという声に二分されています。海底マップの探索やお使いクエスト的な往復がテンポを悪くしているという意見は、否定しにくいところではあります。
メディアレビュー紹介
高評価レビュー
Game8 — 90/100
世界観構築とストーリーテリングの向上、インパクトのある戦闘バランス、QOL改善を高く評価。難易度の急上昇や音楽の繰り返しには苦言も。「やりごたえのある」調整と結論づけた。
→ レビューを読むSiliconera — 9/10
DQ2が物語の結末を担う形での三部作の再構築と、DQ2の大幅な物語の具体化を絶賛。1987年のゲームとは思えないほど中身が現代的に拡張されていると評価。
→ レビューを読むTheSixthAxis — 9/10
豪華な演出による物語の強化と、DQ2の4人パーティ化などの拡張を評価。戦闘メカニズムが引き締められており、単なるレトロ移植ではなく現代のHD-2Dタイトルとして遊べるとした。
→ レビューを読む
その他のレビュー(賛否両論・厳しめ)
Metro GameCentral — 7/10
完璧なレトロ風ビジュアルとQOL機能を評価する一方、物語の単純さや戦闘システムの基礎的な部分に古さを指摘。現代のゲームに比べると依然としてシビアなバランスだと評した。
→ レビューを読むGameSpew — 7/10
魅力的なビジュアルと音楽、2作品セットのお得感を評価しつつ、頻繁な難易度のスパイクとランダムエンカウントの多さを批判。難易度を下げると無敵化してしまうバランスの悪さを指摘。
→ レビューを読むShacknews — 8/10
DQ2のリメイク内容は素晴らしいとする一方、DQ1の不必要な水増しと不条理な難易度スパイク(敵の複数回行動)に失望を表明。DQ1とDQ2で評価が分かれる形となった。
→ レビューを読む
まとめると
- 『ドラゴンクエストII』は原作から劇的に進化し、キャラクター描写とストーリーが現代水準の群像劇に到達
- 新キャラのサマルトリアの王女がパーティに自然に馴染み、戦略の幅を広げている
- 紋章と巻物による新しいビルド構築が探索のモチベーションを高めている
- HD-2Dグラフィックとオーケストラ音源の組み合わせがシリーズ最高クラスの視聴覚体験を提供
- ロト三部作としての物語的接続が丁寧に構築され、『III』からの流れで感動が倍増する
- QoL機能(オートセーブ、戦闘倍速、目的地マーカー等)が充実し、レトロRPG特有のストレスを軽減
- 『ドラゴンクエストI』後半の戦闘バランスが「運ゲー」気味で、理不尽な全滅が発生しやすい
- ランダムエンカウントの頻度が高く、特に『II』で探索テンポを損なっている
- ダンジョン構造は原作準拠のため、現代のレベルデザイン基準では単調に感じる
- ボイスの実装にムラがあり、フルボイスを期待すると肩透かしを食らう
製品情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | ドラゴンクエストI&II HD-2D リメイク |
| ジャンル | RPG |
| 発売日 | 2025年10月30日 |
| 対応機種 | PlayStation 5 / Xbox Series X|S / Nintendo Switch / Nintendo Switch 2 / PC(Steam) |
| プレイ人数 | 1人 |










