『ドラゴンクエストI&II HD-2D リメイク』メタスコア評価・メディアレビュー

株式会社スクウェア・エニックスより2025年10月30日に発売!PlayStation 5、PlayStation 4、Xbox Series X/S、Switch、Switch2、PCに対応のRPG『ドラゴンクエストI&II HD-2D リメイク』のメディアレビュー総まとめページです。

総合評価

『ドラゴンクエストI&II HD-2D リメイク』
スコアについて

Metacriticで集計されているゲーム評価のスコアです。大手メディアに投稿されたレビューのスコアを平均された数値になります。メディアスコアは大きく変わることは少ないですが、集計サイトが増えるにつれて頻繁に変動します。

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神ゲー良ゲー凡ゲー低評価爆弾持ち

HD-2Dグラフィックとオーケストラ音楽による圧倒的なビジュアル・サウンドの向上、そして大幅に拡張されたストーリーボリュームが本作の魅力です。一方で、戦闘テンポの遅さや高頻度なエンカウント、一部のゲームバランスには調整の余地があるようです。

ビジュアル面では、鮮やかな色彩と細部まで描き込まれたHD-2Dアートスタイルが目を引き、オーケストラアレンジされたBGMはクラシックと現代の要素が見事にマッチしています。日本語ボイスも高品質で、特に『II』でのパーティーメンバー同士の掛け合いはかなり好評です。ストーリー面では大幅な拡張が施され、『II』のプレイ時間は従来版の3〜4倍となる35〜40時間に到達。新カットシーンや作り直されたイベントにより、シンプルだった物語に重みと感情表現が加わりました。新キャラクターのカノック王女も物語・戦闘の両面で自然に溶け込んでいます。

ゲームプレイでは、マップマーカー、戦闘速度調整、オートセーブ、難易度選択など、現代的な快適性向上機能が多数実装されています。『I』では一人旅ならではの緊張感と、成長による爽快感が味わえる一方、『II』ではパーティーメンバーの個性や会話が冒険を彩ります。

ただし課題も存在します。戦闘速度がデフォルトでは遅く、設定変更が必須と感じられるほか、エンカウント率が5〜6秒に一度と非常に高く、移動が煩わしく感じられる場面があります。『I』では敵のクリティカルヒットによる即死リスクがあり、終盤はセーブ&ロードが必要になることも。逆に『II』はパーティー制のため難易度が低めで、多くの雑魚戦が単調な作業になりがちです。また、高速移動手段が充実した結果、脱出呪文の存在意義が薄れ、ダンジョン探索の緊張感が減少しています。

往年の名作が現代の技術で蘇った意欲作であり、特にビジュアル・サウンド・ストーリーの拡張を重視するプレイヤーには魅力的な選択肢となるでしょう。一方、戦闘テンポやエンカウント頻度については、設定調整を前提としたプレイが推奨されます。

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評価ポイント

多くのメディアで評価されているポイント

2Dスプライトと3D背景を融合させるHD-2Dアートスタイルが採用されています。グラフィックは鮮やかで細部まで描かれており、川の輝きや宮殿の床の反射といった環境表現が、世界観の説得力を高めています。

  • 探索と情報管理を補助する機能の追加
    • 次の目的地を示すアシスト機能や全エリア対応のミニマップが導入されました。NPCの重要な情報を記録・再生するリコール機能や、ワールドマップ上に宝箱の位置などがアイコン表示される機能も追加され、探索時の負担が軽減されています。
  • オートセーブや難易度選択による現代的なプレイ体験
    • オートセーブ機能がチェックポイントとして機能します。難易度選択も可能で、イージーモードである「ドラクエクエスト」では敵が弱体化し、HPが1残る仕様により、レベル上げの負担が減り物語に集中できます。難易度はプレイ中に変更可能です。また、ファストトラベル呪文の使用制限もなくなりました。
  • 戦闘やテキストの速度調整オプション
    • 戦闘速度とテキスト表示速度を「ウルトラファスト」まで高速化できるオプションが用意されています。これにより、レベル上げや周回プレイを効率的に進めることができ、プレイヤーが好むテンポで遊べます。
  • 『DQ I』における巻物アビリティの追加
    • 『DQ I』では、巻物から新たなアビリティやスキルを習得できます。これにより、呪文以外の攻防手段が増え、特に複数敵との戦闘に対応しやすくなりました。MP消費が少ない防御系アビリティなども追加されています。
  • 『DQ I』の成長システムと戦闘バランスの調整
    • 『DQ I』では、探索で得られる「たね」などの成長アイテムが主人公に集中します。範囲攻撃呪文や、パッシブバフなどを得られるシジルシステムの追加により、主人公が順当に強くなり、敵を一掃できる感覚が得やすくなっています。
  • 『DQ II』におけるパーティメンバーの明確な役割分担
    • 『DQ II』のパーティメンバーは、強みと弱みが明確に設定されています。例えば、主人公はアビリティを、仲間は呪文を主体にするなど役割が分かれており、新キャラクターの追加も含め、戦略的な戦闘が可能です。
  • シナリオの拡張とカットシーンによるキャラクター描写の強化
    • 物語が拡張され、多くのカットシーンが追加されました。『DQ I』の王女の役割が強調されたり、『DQ II』でパーティメンバー間の会話が増えたりすることで、各キャラクターの個性が明確に描かれています。要所での音声追加も、物語の展開を分かりやすくしています。
  • 『DQ II』への新キャラクターや新エリアの追加
    • 『DQ II』では、4人目のプレイアブルキャラクターとしてカナン王女がパーティに加わります。また、終盤にはダイビング機能に対応した新しい水中マップやエリアが追加され、探索範囲と全体のプレイ時間が増加しています。
  • 物語進行とアイテム取得の導線整理
    • オリジナル版では任意だったキーアイテムの多くが、物語の進行上で必須となりました(例:『DQ II』の「ロトの剣」)。また、魔法の鍵もクエストを通じて入手するよう変更され、複数持ち運ぶ必要がなくなるなど、進行が整理されています。
  • ロト三部作としての関連性強化とオーケストラ音源
    • 新たな設定や拡張されたシナリオにより、『DQ III』との関連性が明確になりました。特に『DQ II』は、終盤の物語が拡張され、三部作の完結編としての位置づけが強まっています。サウンドトラックにはフルオーケストラ版が採用されています。

不評ポイント

多くのメディアで不評なポイント

デフォルト設定の戦闘はテンポが遅く、「ウルトラファスト」への速度調整が推奨されるほどです。『DQ II』ではパーティ制が導入されていますが、戦闘は単純で反復的になりがちです。敵との遭遇頻度も高く、平均して5~6秒ごとに発生することもあり、移動の負担になっています。物語を進めるためにはレベル上げが依然として必要であり、この点は現代のRPGと比べると古く、退屈に感じられる可能性があります。

  • 『DQ I』の追加内容がプレイ時間の水増しのように感じられる
    • 『DQ I』の追加内容は、プレイ時間を延ばすためのものと感じられ、世界観の広がりには繋がっていない印象です。追加されたキャラクターの多くも、画一的で印象に残りづらいです。
  • 戦闘や進行の基本設計が古く感じられる
    • 戦闘や進行の基本設計は、ビジュアルや快適性が向上している一方で、現代のRPGと比較すると非常に単純で古風に感じられます。
  • 『DQ I』の難易度バランスが不安定
    • 『DQ I』では、特定の場所で急激に難易度が上がることが頻繁にあります。レベルを上げるか難易度を下げるかが必要ですが、難易度を下げても根本的なバランス調整にはなっていません。特に終盤では、不意のクリティカルヒットで即死し、セーブデータからやり直す必要があるなど、戦闘が不安定です。
  • 高速移動が常時有効になったことによるゲーム性の変化
    • ダンジョン内からも常時帰還できる高速移動機能が制限なく使えるようになりました。これは時間短縮にはなりますが、探索時の緊張感を薄れさせ、「エバク」のような脱出用の呪文やアイテムの価値を失わせています。
  • ダンジョン構造の単調さ
    • ダンジョンのデザインは、特に『DQ I』において単純すぎると感じられます。ビジュアルは新しくなっていますが、構造は古い直線的なものが多く、探索面の魅力は控えめです。
  • 必須の「ストーリーメダル」収集がストレスになる
    • 物語の進行に必須となる新しい収集メダル(ミニメダルとは別)が導入されました。ほとんどは簡単に見つかりますが、一部は探し出すのが難しく、ストレスを感じる要素となっています。
  • 現代的なクエストログがなく、所持品管理が煩雑
    • 目的や依頼内容を整理して確認できるクエストログ機能がありません。また、所持品管理のシステムも、時に煩雑に感じられることがあります。
  • 『DQ I』単体の内容の薄さ
    • 『DQ I』は、物語や戦闘がいくらか改善されたものの、依然として古さを感じさせ、『DQ II』と比較して内容が薄いという印象です。懐かしさや三部作の導入という点以外で、単体作品としての評価は難しいかもしれません。
  • 探索や戦闘における緊張感の欠如
    • 単純なダンジョン構造、不安定な難易od度、便利すぎる移動機能が組み合わさることで、探索の緊張感や戦闘の達成感が損なわれています。
  • Switch版から次世代機への優遇アップグレード手段がない
    • Nintendo Switch版を購入した場合、将来的に次世代機へ移行する際に、割引価格で購入できるようなアップグレード手段が提供されていません。

製品情報

項目概要
タイトル (日本語)HD-2D版『ドラゴンクエストI&II』
タイトル (英語)DRAGON QUEST I & II HD-2D Remake
ジャンルRPG, JRPG
開発元 (Developer)Square Enix, ARTDINK
販売元 (Publisher)スクウェア・エニックス
発売日2025年10月30日
プラットフォームPlayStation 5, PlayStation 4, Xbox Series X/S, Switch, Switch2, PC
プレイ人数1人
日本語(インターフェース)対応
日本語(字幕)対応