Disney Electronic Content, Inc.より2025年10月7日に発売された、Meta Questに対応のアクション、アドベンチャー、アーケード、レースゲーム『Star Wars: Beyond Victory(スター・ウォーズ:ビヨンド・ビクトリー)』のメディアレビュー総まとめページです。
総合評価
SCORE
54
Metacriticで集計されているゲーム評価のスコアです。大手メディアに投稿されたレビューのスコアを平均された数値になります。メディアスコアは大きく変わることは少ないですが、集計サイトが増えるにつれて頻繁に変動します。
90 | 80 | 70 | 60 |
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神ゲー | 良ゲー | 凡ゲー | 問題あり |
本作は、VRで展開される物語やアニメーションが高く評価されている一方で、ゲームの核となるMRでのレース部分に不満点が指摘されており、評価が分かれる作品となっています。
評価が分かれる主な理由は、ゲームの進行に合わせてVRとMRの視点が頻繁に切り替わる設計にあります。物語の重要な場面や修理作業はキャラクター視点のVRで行われるのに対し、マップの移動やポッドレースは現実空間に表示されたジオラマを操作するMRで行われます。この絶え間ない視点の切り替えが、ゲーム体験の一貫性を損なう要因として挙げられています。
具体的な評価点として、VRで描かれる個人的で心温まる物語や、収集したキャラクターを自由に配置して遊べる「プレイセットモード」は、ファンから好意的に受け入れられています。しかし、中心となるポッドレースは、卓上視点のためコースの先が見通しづらい点や、操作が不正確で反射神経に頼りがちになる点が指摘されています。多くのプレイヤーが期待していたコックピット視点のVRレース体験ではなかったことへの不満も見られます。
結論として、本作はVR部分で優れた物語体験を提供する一方で、MR機能を活用したポッドレースのゲームデザインがプレイヤーの期待と合致せず、賛否両論を呼ぶ結果となっています。
評価ポイント
「プレイセットモード」では、ゲーム内でアンロックしたキャラクターや乗り物の3Dモデルを、現実の部屋にジオラマのように配置して遊ぶことができます。これはサンドボックス(自由に遊べる)形式の体験で、モデルの拡大・縮小やポーズ付けも自由自在です。フィギュアは関節の可動域が広く、複製もできるため、リビングに等身大のR2-D2を登場させたり、ストームトルーパーの軍団を作り上げたりと、自分だけの『スター・ウォーズ』の世界を再現できます。この機能は、子供の頃にアクションフィギュアで遊んだ感覚を思い出させると、ファンから最も高く評価されています。
- 短くても心に残るキャラクター中心の物語
- ストーリーモードのプレイ時間は約1.5〜2時間と短いですが、主人公Voloが、親友を失った悲しみ、ポッドレースへの情熱、仲間への誠実さの間で揺れ動く葛藤が描かれています。
- ユーモアとドラマのバランスが良い脚本
- 物語はユーモアとシリアスなドラマのバランスが良く、声優の熟練した演技によってテンポよく展開されます。細かな部分に、少しダークなユーモアが加えられている点も特徴です。
- 開発元ILMによる高品質なアニメーション
- 開発を手がけたILM(インダストリアル・ライト&マジック)のアニメーション技術はトップクラスで、ゲーム本編を通じて最高水準のアニメーション表現が楽しめます。
- VR空間を活かした迫力ある見せ場の演出
- 『Vader Immortal』シリーズのように、全体的に高いクオリティと視覚的な驚きが詰め込まれています。特にVRで展開されるシーンは、『スター・ウォーズ』の世界を広げようとする意図が感じられる見事な出来栄えです。
- Quest 3で向上したグラフィックの質
- これまでのQuest向けタイトルを上回るグラフィックを実現しており、特にQuest 3ではVRシーンが際立って見えます。MR/ARのシーンでも、全てがシャープかつ詳細に描かれ、まるで「生きているジオラマ」のようです。
- VRでの体験を重視した場面構成
- 巧みに作られたVRの場面やキャラクターデザインは、『Vader Immortal』と同じくらい印象的だと評価されています。VRシーンでは、溶接機などの道具を実際に使って船を修理する作業ができ、宇宙の雰囲気を味わえます。
- 演技、効果音、音楽が一体となった音響
- シリーズを象徴する効果音、熟練した声優の演技、そしてオリジナルの楽曲が融合したサウンドトラックが特徴です。特に声の演技は公式の『スター・ウォーズ』作品として非常に質が高いです。
- ジオラマ視点で遊ぶ新鮮なゲーム体験
- ゲームは現実空間にホロテーブル上のジオラマとして表示される形式で進行します。これはレゴブロックで遊ぶような感覚に似ており、全てがシャープかつ詳細に表現されています。
- MRとVRのスムーズな切り替え
- ポッドレーサーの修理で建物に入る時はVR、レースをする時はMRなど、ゲームの進行に合わせてMRとVRのモードが自動で切り替わります。
- 多彩な仕掛けが施されたレースコース
- レースは「マリオカート」のようなスタイルで、コースには分岐ルートや大きなジャンプ台、水上を進むエリアなど、多様な仕掛けが用意されています。
- プレイ環境に合わせて調整できるゲームボード
- MRモードでは、ゲームボードを部屋の広さに合わせてサイズ変更したり、好きな場所に再配置したりできます。そのため、床の上や膝の上など、快適な姿勢でプレイ可能です。
- VR酔いを軽減する豊富な設定
- MRモードは非常に快適で、VR酔いに配慮されています。VRシーンでも、テレポート移動やスムーズ移動といった標準的な快適設定が用意されており、座った状態でも立った状態でもプレイできます。
- 3つのモードで繰り返し遊べる
- 本作には「ストーリー」「アーケード」「プレイセット」の3つのモードが収録されており、クリア後も繰り返し遊べる価値があります。
- 価格と内容のバランスが良い
- 19.99ドルという価格は、満足できる短いストーリーと、繰り返し遊べる点を考慮すると、内容に見合った適切な設定だと感じられています。
不評ポイント
ゲームプレイ中、ポッドレーサーの修理などを行うVR(完全に仮想空間に入る)シーンと、レースや探索を行うMR(現実の部屋にミニチュアが表示される)シーンが頻繁に切り替わります。この絶え間なく唐突な視点の切り替えが、ゲーム体験の一貫性を損なっているという批判が多く見られます。特にレース部分は、卓上視点ではなく、一人称視点のVRで体験したかったという意見が目立ちます。また、MRでのオープンワールド的な探索は、VRでの体験に比べて「苦痛なほど退屈」と評されています。
- ゲーム体験を損なう必然性のないMR/VRの切り替え
- MRとVRの頻繁な切り替えは、次第に煩わしく感じられます。プレイヤーの満足度のためではなく、技術を試すために別々のアイデアを繋ぎ合わせたように見えます。「ポッドレーサーをドローンのように操縦する」といった明確な理由なく視点が切り替わるため、ゲームへの集中が途切れてしまいます。
- 卓上視点のためレースコースの先が見えない
- 卓上視点では一度にコースのごく一部しか見えず、先のカーブや障害物を予測することができません。この仕様がレースの楽しさを妨げています。
- レース中の操作が不正確で混乱しやすい
- ポッドレースの操作は混沌としており、スキルよりも反射神経が求められます。操作が不正確で、ブーストや武器を誤ったタイミングで使うと自爆につながることがあります。
- ポッドレーサーが浮きすぎて制御が難しい
- ポッドレーサーは非常に浮遊感があり、制御が困難です。特に、視界に入っていない急カーブに突入する際にコースから外れて爆発する傾向があります。
- スキルよりも運や暗記が重視されるレース
- レースはスキルよりも反射神経に依存しており、勝つためにはコースを暗記するか運に頼るしかありません。奥深さがなく、単なるアーケードレースの域を出ていません。
- アーケードモードのコンテンツ不足
- アーケードモードは非常に簡素で、コースは4種類しかありません。これはストーリーモードで走るコースと全く同じであるため、すぐに飽きてしまいます。
- プレイ時間が短く、ムービーシーンの割合が多い
- 本編は約1.5〜2時間でクリアできてしまい、その大半がムービーシーンに費やされます。全体として、VRゲームとしては内容が薄いと感じられます。
- VRでの船の修理作業が単調
- VRモードでの船の修理といった作業は、一様に平凡だと評されています。パネルのネジを外したり、溶接したりする単純作業で特別なスキルは必要なく、退屈なミニゲームになっています。
- VRで探索できるエリアが狭く、行動が制限される
- VRで移動できる場所はごくわずかな狭いエリアに限られており、ほとんど探索できません。比較的広い場所でも、見えない壁によって決められた範囲内に留まるよう強制されます。
- プレイセットモードに中身がなく、すぐに飽きる
- プレイセットモードは目新しいものの、数分遊ぶ程度の内容しかありません。静的なジオラマを作れるだけで、友達と一緒にシーンを組み立てるマルチプレイヤー機能もありません。
- プレイセットで使える象徴的なアイテムが少ない
- 使用できるフィギュアは主にこのゲームの登場キャラクターに限られ、ミレニアム・ファルコンやXウィング、ボバ・フェットといった象徴的なアイテムが不足しています。
- プレイセットでアイテムを多く置くとパフォーマンスが低下する
- プレイセットモードでアイテムを多く配置したりエフェクトを加えたりすると、メモリ不足に陥りパフォーマンスに悪影響が出始めます。
- VRモードに切り替わると解像度が低下する
- 建物の中に入ってVRモードへ移行する際、描画負荷が増えるため、解像度が著しく低下します。
- ハンドトラッキングに非対応
- プレイセットモードのようなサンドボックス操作にはハンドトラッキングが理想的ですが、本作はコントローラー操作にしか対応していません。
- レース中にゲームが瞬間的に停止する
- レースの最中、ゲームが半秒ほど停止する瞬間があり、プレイの妨げになります。
- MRとVRの切り替え時にフレームレートが落ちる
- VRからMRへ移行する際や、マップを拡大・縮小する際に、フレームレートの問題が時折見られます。
メディアレビュー
- Loot Level Chill[80]
- Worth Playing[70]
- CGMagazine[70]
- Road to VR[65]
- UploadVR[60]
- Noisy Pixel[60]
- Gaming Nexus[55]
- TechRadar Gaming[40]
- Metro GameCentral[30]
製品情報
項目 | 概要 |
---|---|
タイトル (日本語) | Star Wars: Beyond Victory(スター・ウォーズ:ビヨンド・ビクトリー) |
タイトル (英語) | Star Wars: Beyond Victory – A Mixed Reality Playset |
ジャンル | アクション, アドベンチャー, アーケード, レース |
開発元 (Developer) | Industrial Light and Magic |
販売元 (Publisher) | Disney Electronic Content, Inc. |
発売日 | 2025年10月7日 |
プラットフォーム | Meta Quest |
プレイ人数 | 1人 |
日本語(インターフェース) | 対応 |
日本語(字幕) | 対応 |