Netflixがゲームスタジオ2社を閉鎖!『Oxenfree』開発元も対象に、ゲーム事業の方向性はカジュアル志向へ舵を切るのか?迷走と再編を繰り返すNetflixゲーム事業の現在地と今後を考察
Netflixはゲーム事業において、これまで5年間で様々な戦略転換を繰り返してきましたが、今回、Night School StudioとMoonlootの2つのゲームスタジオを閉鎖すると発表しました。Night School Studioは2021年に買収され、『Oxenfree』で知られる開発会社で、つい最近6月30日に新作『Unhinged』をNetflixでリリースしたばかりでした。一方、MoonlootはNetflix傘下でゲームをリリースすることはありませんでした。今回のスタジオ閉鎖は、Netflixがゲーム事業への投資をこれまで以上に強化しているように見えるタイミングと重なっており、その意図に注目が集まっています。
ゲーム事業の方向転換と実績
Netflixのゲーム事業は、2021年に『ストレンジャー・シングス 3:ザ・ゲーム』など5つのカジュアルゲームからスタートしました。しかし、同年末にはインディーゲーム開発のNight School Studioを買収するなど、本格的なゲーム制作への意欲を示し始めます。2022年には『Poinpy』や『Desta: The Memories Between』といったモバイルゲームや、『Into the Breach』、『Immortality』などの高評価インディーゲームのモバイル版をNetflixで配信し、ゲーム業界からも注目を集めるようになりました。その後2年間で、『Oxenfree 2: Lost Signals』、『Laya’s Horizon』、『Shovel Knight: Pocket Dungeon』といった話題作に加え、『Hades』や『The Curse of the Golden Idol』といった名作もライブラリに追加。2023年末には『グランド・セフト・オート:トリロジー:決定版』を配信するなど、賞を獲得するような作品に力を入れる姿勢を明確にしました。また、Summer Game Festなどのイベントにも積極的に参加し、開発中のゲームをメディアやクリエイターに紹介するなど、広報活動にも力を入れていました。その集大成として、2024年末にはモバイルゲームの金字塔『Monument Valley 3』の続編を独占配信し、Netflixのゲーム事業は大きな成功を収めたかのように見えました。
迷走と再編の繰り返される戦略
しかし、Netflixのゲーム事業は成功を収めているように見えながらも、ゲームがNetflixのメインアプリから切り離されており、プロモーションも十分とは言えませんでした。その結果、ゲームの存在自体がユーザーに認知されにくいという課題を抱えていたようです。そして2025年、Netflixは突如として『Hades』や『Death’s Door』、『Monument Valley』三部作を含む20本ものゲームをライブラリから削除しました。さらに、開発会社のBoss Fight Entertainmentを閉鎖し、Spry Foxを売却するなど、大規模な事業再編に踏み切りました。その一方で、同年には『WWE 2K25』の配信を発表したり、ゲームをNetflixアプリ内で直接プレイできるようにする計画を発表したりと、戦略の方向性は定まらない状態が続きました。特に後者については、パーティーゲームに重点を置く姿勢が見られ、『Pictionary: Game Night』や『Boggle Party』といった作品を積極的に紹介していました。2026年に入り、Netflixは再びゲーム事業に力を入れ始め、3つの新作をリリースしました。一つはワールドカップ開催に合わせてリリースされたカジュアルなサッカーゲーム『FIFAワールドカップ:ローンチ・エディション』、二つ目はNight School Studioが手掛けた45分のホラーゲーム『Unhinged』、そして三つ目はNetflixの番組を題材にした『Netflix Minigolf』です。これら3作品は、Netflixが目指す「Nintendoのようなデュアルスクリーンプラットフォーム」としての新しいビジョンを提示しようとしていたようです。
新たな方向性
今回のスタジオ閉鎖は、これらの3つのゲームがテストのような役割を果たし、Netflixが考える「勝ち組」と「負け組」が明確になった結果と見て取れます。Netflixの広報担当者は、今回の閉鎖について「戦略的な引き締め」と説明しており、今後は「キッズゲーム、パーティーゲーム、ストーリー主導の作品、そして主流のフックを持つゲーム」に焦点を当てていくとしています。これは、2021年にNetflixがゲーム事業を立ち上げた当初の戦略に近い方向性で、『ストレンジャー・シングス 3:ザ・ゲーム』や『Card Blast』といった作品がまさにこのカテゴリに合致しています。AmazonのLunaやApple Arcadeといった競合他社も、近年カジュアルなパーティーゲームやIPを活用したキッズゲームに注力しており、Netflixもまた、コンソールやPCでコアゲーマーを獲得するよりも、既存のNetflixユーザー層に響くゲームを提供することに活路を見出そうとしているのかもしれません。