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『Afterworld』、終末世界の再建とRTSを組み合わせた大規模戦略ゲーム

2026年09月01日 | #ゲーム紹介 | IGN

『Afterworld』、終末世界の再建とRTSを組み合わせた大規模戦略ゲーム

Paradox Interactiveの新作グランドストラテジーゲーム『Afterworld』のアルファ版プレビューが公開されました。文明崩壊後の北米を舞台に、勢力の再建や領土運営だけでなく、探索部隊の細かな移動、派閥間の対立、さらには食人や奴隷制までを含む社会の形をプレイヤーが決めていく作品です。ただし、今回公開されたビルドは戦闘すら未公開の非常に初期段階で、原文筆者は現時点で長時間遊び続けられる完成度には達していないと厳しく評価しています。

公開されたのは極めて初期のアルファ版

本作の舞台は、意図的に詳細をぼかした大災害によって荒廃した、そう遠くない未来の北米です。プレイヤーは生存者の集団を率い、荒野に拠点を築きながら資源を確保し、ほかの勢力を取り込んで新たな社会を形作っていきます。ゲームの構造はリアルタイムストラテジーとグランドストラテジーを組み合わせたものとされ、広域の国家運営に加えて、軍事ユニットや探索を担うレンジャーをマップ上の各州に個別配置し、位置を指定して移動・行動させる仕組みが採用されています。

一方で、今回のプレビューでは戦闘を含め、まだ見せられない要素が複数ありました。原文筆者によれば、荒野への入植、敵対勢力との交流、自陣営内部で進行する対立といったゲーム全体の輪郭は確認できたものの、各システムは十分に機能しておらず、バランスも大きく崩れていたとのことです。開発者は、システムが固まりきる前にプレイヤーから意見を集め、修正に反映するため、この段階で試遊版を公開したと説明しています。

原文筆者は、開発中のゲームであることを踏まえても、今回のビルドは数百時間遊びたいと思える状態ではなかったとしています。改善のために必要な時間をかけることを望む一方、2027年第4四半期より前の発売を予定していると聞けば懸念を抱く、とも述べています。現時点の内容は完成版の評価というより、本作が目指す方向性を確認するための先行プレビューとして見る必要がありそうです。

生存者集団の出自が社会の方向性を決める

ゲーム開始時には、プレイヤーが率いる生存者集団の出自を選択します。今回の試遊で選べたのはShelterbornのみで、彼らはおよそ100年間、地下シェルターに閉じこもって暮らしてきた人々です。しかし生命維持装置が故障し始めたことで、地上の環境も勢力も知らないまま、荒廃した世界へ出ざるを得なくなります。

シェルターを離れるまでの経緯は、選択肢を選びながら進む短いアドベンチャー形式で描かれます。選択によって、かつてのアメリカを再建しようとする懐古的な集団にも、見知らぬ人間を食料とみなす危険な集団にもなり得ます。この過程で、集団の伝統、価値観、慣習が決まり、以後の国家運営や他勢力との関係に影響を与えます。

伝統は、生存者集団が何を得意とするかを示す基礎的な能力にあたります。たとえばSurvivalは、資源の乏しい地上で短期的に生き残る能力に関係し、Hearthkeepingは長期的に住みやすい場所を作る力を表します。荒野で食料や水を確保することを優先するのか、安定した居住地の整備に力を入れるのかによって、集団の成長方針は変わっていきます。

価値観は、集団が特定の思想をどう捉えているかを示す要素です。Reclamationは伝説として語られる過去のアメリカを再建する思想で、Wanderlustは定住を避けて遊牧生活を続けようとする考え方です。本作では拠点や一部の建物を解体して移動できるため、放浪を重視する集団としてプレイすることも可能です。集団は多数の価値観それぞれに対して、好意的、否定的、あるいは無関心という反応を示します。

慣習は、伝統や価値観がどのような物語から生まれたのかを表す要素です。たとえばNostalgicという慣習はReclamationへの好意を生み、Hearthkeepingにも小さなボーナスを与えます。慣習は、経験値に近い仕組みの「pride」を蓄積することや、戦争での敗北、災害などの悪い出来事によってトラウマを抱えることで増えていきます。原文筆者は、似た名前のシステムが非常に多いとしながらも、伝統は「集団にできること」、価値観は「集団がどう感じるか」、慣習は「その2つを得る背景」と整理しています。

勢力の統合が国家運営と内部対立を生む

荒野を支配するには、最初の集団だけで資源や労働力をまかなうことはできません。プレイヤーはほかの集団を勧誘したり、征服したりして勢力を拡大しますが、取り込んだ集団はそれぞれ異なる価値観を持っています。自分たちの思想と新たな住民の考えが衝突すれば、部族全体の結束が低下し、調整に失敗した場合は危機へ発展します。

食料、水、医療を確保できている集団は自然に人口を増やしていきます。しかし、資源の収集、産業の運営、戦争、将来的な物流網の構築に必要な労働力を短期間で増やすには、ほかの集団を同化する必要があります。単純に領土を広げれば発展できるわけではなく、異なる背景を持つ人々をどのような制度でまとめるかが、国家運営の中心になります。

勢力が大きくなると、支配層、完全な権利を持つ市民、抑圧された下層階級などに人々を分ける政府の仕組みも登場します。価値観によっては奴隷を置くことも可能です。今回のプレビューでは、シェルターの監督者がすべてを統治する体制を維持するか、民主制を築くかを選択できました。どの制度を採用するかは、単なる名称の変更ではなく、集団内の階級や権利の扱いに関わる要素として描かれています。

レンジャーたちは、荒廃したアメリカ南東部の各州を探索します。放射線は常に危険となり、特に廃墟となった都市の周辺では注意が必要です。探索中には、敵対的な奴隷商人の一族、プレイヤーを敵戦闘員とみなす暴走軍事ドローン、凶暴なミュータント、資源を奪い合う別の部族などに遭遇します。文明崩壊が2026年よりさらに後の時代に起きたことを示唆する設定もあり、廃墟からはナノテクノロジーや戦闘用メカなど、旧世界の高度な技術を発見できるとされています。

荒野を支配する長命者Ancients

この世界で特に大きな影響力を持つのが、Ancientsと呼ばれる存在です。彼らは文明崩壊前の世界を知る最後の生存者であり、それぞれが何らかの方法で通常ではない長寿を得ています。各Ancientは「destiny」と呼ばれる固有の目的を掲げており、自分の理想を荒野に実現しようとします。

原文筆者が最初に遭遇したFarouk the Americanは、アメリカ合衆国を自分の理想に合わせて再建し、「大統領たちの大統領」として君臨することを目指しています。彼は自らの市民宗教を荒野へ広め、権力を正当化するための大規模な選挙を準備しています。別のAncientであるLily of the Parksはロッキー山脈地域に登場し、人類が引き起こした環境破壊を反転させようとしています。ただし、その環境再生に必要な肥料をどこから調達するのかという問題も示唆されています。

プレイのかなり早い段階で、Faroukから臣従するか、強制的に従わせられるかという最後通告を受ける展開もありました。序盤に彼を正面から退けるのは難しく、代わりに拠点をニューハンプシャーへ移して、彼の勢力圏から距離を置く選択肢が用意されています。臣従は一方的な敗北ではなく、貢物を納めたり、Faroukのために仕事を引き受けたりする代わりに、配下の中でLieutenantやCaptainへ昇格し、階級ごとの特典を得られます。

さらに計画を進めれば、Faroukが仕組んだ選挙に対抗し、自分たちの指導者を候補として擁立する可能性もあります。Ancientsの要求を受け入れて利用するのか、距離を置いて独立を保つのか、あるいはその支配構造そのものに挑むのかが、勢力拡大の大きな分岐点になりそうです。

多層的なシステムと今後の課題

本作には、レンジャー部隊を廃墟都市へ送り込んで旧世界の技術を回収する探索、バイクやバギーを装備した軍隊による荒野の戦闘、燃料と弾薬を維持する補給線の管理など、多数のシステムが組み込まれています。今回のビルドでは戦闘の詳細は公開されていませんが、軍隊の運用が単なる部隊同士の衝突にとどまらず、移動手段や物資の確保まで含む設計になることは示されています。

原文筆者は、Paradoxのゲームらしくシステムが幾重にも積み重なっているとし、終末世界での社会再建という題材や、集団ごとの思想を政治制度へつなげる仕組みには興味を引かれたとしています。その一方で、各要素を理解する負担は大きく、現段階では磨き込みとバランス調整が大量に必要だと指摘しました。文明崩壊後の北米で、理想の国家を築くのか、放浪する部族を率いるのか、あるいは山岳地帯で独自の宗教的戦士集団を作るのか。本作は幅広い社会の形を許容する構想を示していますが、それを長時間楽しめるゲームとして成立させられるかは、今後の開発にかかっています。