『Star Wars: Zero Company』は銀河の片隅で生きる傭兵たちを描く
『Star Wars: Zero Company』が注目を集めている理由は、ジェダイや銀河の英雄ではなく、戦争の影響を受けながら日々の生活を維持しようとする傭兵たちに焦点を当てている点です。Bit Reactorのデビュー作となる本作は、XCOMを思わせる緊張感のあるタクティクスゲームとして、クローン戦争期のスター・ウォーズ世界を描きます。原文筆者は、2026年に遊んだゲームのなかでも特にお気に入りの作品になっているとしています。
クローン戦争の裏側で動く傭兵部隊
物語の中心となるのは、Hawks率いる傭兵部隊Zero Companyです。Hawksは厳しく皮肉屋なリーダーで、報酬さえ見合うならどのような仕事でも引き受ける人物として描かれます。一行は、謎の疫病「Shadow Plague」を各地に広めている分離主義者のカルト集団を止めるため、危険な任務に雇われます。
この疫病とカルトをめぐるメインストーリーは、決して目新しいものではありません。原文筆者は、スター・ウォーズでおなじみのスーパーヴィラン的な対立が用意されている点について、これまで同シリーズに感じてきた距離感を大きく変えるものではないと見ています。しかし、本作で本当に描かれているのは、銀河規模の陰謀そのものよりも、傭兵部隊が過酷な環境でどう生き残るかという物語です。
Zero Companyは、契約を次々と成功させて大きな利益を得ている組織ではありません。経営は苦しく、かなりの借金を抱えた一行は、返済のためにハット族から後ろ暗い仕事を請け負っています。拠点にいるクルーのRunaが、Shadow Plagueの正体よりも経済状況への不満を口にする場面もあるとのことです。そこにあるのは、超人的なヒーローたちが悪を倒すSFではなく、スター・ウォーズの銀河を舞台にした、仕事と収入をめぐる生活劇です。
大戦争のなかで描かれる「食べていく」問題
原文筆者は、こうした設定がSF作品ではおなじみの題材だと説明しています。例として挙げられているのが、賞金稼ぎの一団を描くCowboy Bebopです。同作には週ごとの事件や大きな物語がある一方、船のなかで仲間たちが不安定な収入をどうやりくりするか相談する場面に、強く惹かれたとしています。
不定期にしか報酬を得られない仕事では、次にいつ金が入るのか分からないこと自体が大きな不安になります。原文筆者はフリーランスとして働いた経験にも触れ、Zero Companyの状況に現実味を感じていると述べています。銀河を舞台にした大げさな設定のなかへ、生活費、借金、契約の選択といった身近な問題を持ち込むことで、クルーの行動が単なる任務の成否以上の意味を持つようになります。
この感覚は、政治や社会の動きを地に足のついた視点で描いたAndorに惹かれた理由とも重なります。ジェダイがフォースを使い、邪悪な皇帝に立ち向かう壮大な物語は、スター・ウォーズの大きな魅力です。一方で、原文筆者が本作に見いだしているのは、奇妙な生物や超常的な力が存在する世界のなかにある、あまりにも現実的な日常です。
クルーとの会話と選択が生む人間味
本作では、ミッションの合間にクルーたちと会話する機会があり、彼らがギャンブルの顛末を話すなど、戦闘とは直接関係のないやり取りも描かれます。こうした会話を通じて、Zero Companyは単なる戦闘ユニットではなく、同じ拠点で生活しながら不安定な仕事を続ける仲間たちとして見えてきます。
Hawksが、クレジットを稼ぐためにどの仕事を選ぶのか、どのような道徳的な妥協を受け入れるのかも、物語の重要な部分です。大規模な銀河間戦争を止める力を持たない傭兵たちは、戦争そのものを終わらせるのではなく、そのなかで自分たちが生き残る方法を探します。原文筆者は、この「自分たちはただ何とかやっていこうとしている」という感覚が、スター・ウォーズ世界における個人の危機感を理解しやすくしていると評価しています。
もちろん、ライトセーバーによる戦いを期待するファンにとっては、こうした題材が退屈に感じられる可能性もあります。原文筆者自身も、銀河を舞台にした物語としては地味に見えるかもしれないと認めています。それでも、仲間たちとの小さな会話や、収入を確保するための苦しい判断には、ユーモアと誠実さがあるとしています。
主役ではない人々の物語へ
原文筆者が本作に期待しているのは、ジェダイ中心の物語からさらに視野を広げることです。たとえば、緊張が高まる地域で平穏を保とうとする酒場の経営者、怪しげなドロイド製造業者にスクラップを売る商人、戦争から帰還した兵士が現実の社会へ戻ろうとする姿などが挙げられています。
スター・ウォーズの銀河は広大で、さまざまな種族や勢力が暮らしています。そのすべてが英雄や悪役として生きているわけではありません。大きな戦争の決定を下す権力者から離れた場所で、一般の人々が希望だけを頼りに生活をつなぎ、戦争の余波を受けながら明日を迎えようとしています。
原文筆者は、そうした「名もない人々」の視点こそ、長年描かれてきた銀河に新しい厚みを与えるものだと考えています。なお、同じく日常に近い題材を扱う作品として、レーシングとローグライクを組み合わせたStar Wars Galactic Racerにも触れており、こちらは翌月にそのような欲求を満たす作品になるとしています。