『Magic: The Gathering』Secret Lairの新商品販売でWizards of the Coastが謝罪
限定商品シリーズSecret Lairの新作販売が、購入待機列の停止やログイン障害、ボットや転売目的の買い占めによって混乱し、Wizards of the Coastが公式に謝罪しました。初のブースターパック形式と希少カードのランダム封入を組み合わせた商品だっただけに、販売方式そのものへの批判も強まっています。
「完全な失敗」と公式謝罪
『Magic: The Gathering』のSecret Lairで、Chaos Vault部門の商品「Secret Lair x MSCHF: The Zeta Set」の販売が9月2日に始まりました。Chaos Vaultは実験的な商品を扱う特別枠で、今回はアート集団MSCHFとのコラボレーションとして、初期プレイテストカードを思わせるデザインのカードを展開しています。
しかし、Secret Lairの公式サイトでは販売開始前から待機列が表示され、購入開始後も列が長時間進まない状態になりました。購入できたと思っても、カートへ進むたびにログインを求められ、ログイン操作をするとニュースレター登録画面へ戻され続けたという報告も出ています。公式の販売告知から短時間で売り切れたとする投稿もあり、列に並び続けたユーザーが購入できないまま終了する事態になりました。
Secret Lairチームは公式声明で、今回の販売について「災害としか言いようがなく、参加した人に非常に申し訳ない」と謝罪しました。社内システムの問題なのか、外部からの不正な干渉があったのかも含めて原因を調査しており、状況を整理でき次第、追加情報を共有するとしています。販売列を通過できたかどうかにかかわらず、今回の体験を「苛立たしく、失望させるもの」と受け止め、埋め合わせを目指すとのことです。
希少性とランダム要素が転売を招く
今回の商品は、Secret Lairとして初めて密封ブースターパックで販売されました。通常のカードに加えて別アート版が用意され、開封時に「photocopy negative card」が出る確率は10%、「color banding treatment」が出る確率は5%とされています。販売数が限られているうえ、さらに低確率のカードを狙えるランダム商品だったため、転売業者や購入ボットにとって格好の標的になりました。
ファンは、通常のMagicのセットに近い内容を極端に限られた流通量で販売すれば、買い占めが起きると事前に警告していました。実際、Secret Lairではオンデマンド印刷方式が廃止されて以降、人気商品を転売業者やボットが買い占め、一般のプレイヤーが購入しにくくなる問題への不満が繰り返し寄せられています。ユーザーからは「とても面白い商品なのに、流通がひどすぎる。作ったカードを楽しませてほしい」といった批判も出ています。
オンデマンド方式の復活を求める声
今回の混乱の前日には、Secret Lairのディレクターが、初音ミクの統率者デッキを印刷受注期間付きで販売した施策を評価していました。限定期間中の注文数に応じて生産する方式は、少なくとも供給数があらかじめ固定された商品よりも、転売や買い占めへの対策になり得ます。
プレイヤーやMagicファンが求めているのは、Secret Lair全体をオンデマンド印刷へ戻すことです。Wizards of the Coastは全面的な復帰は行わないと明言している一方、近年のSecret Lair商品、とくに統率者デッキでは、期間限定のオンデマンド販売を試しています。今回の販売失敗を受けて、この方式を拡大するのかが今後の焦点になりそうです。